【5分でわかる】生理中ダイエット有効な4つ・避けたい3つのこと

ダイエット中の人、またはダイエットに興味のある人なら気になっているかもしれない「生理中のダイエットは効く?効かない?」という議論。調べてみると、医師監修の記事やトレーナーの立場にいる人が書いた記事などがたくさん見つかります。
あれこれ見てみると共通点はたくさんありますが、異なる点もいくつかあり、どの情報を信じたらよいのかわからなくなってきます。そこでさまざまなウェブサイトの情報を整理してまとめ、信憑性・妥当性を検討してみたいと思います。

生理中は太りやすいって本当?

生理中のダイエットについて調べると「生理中は太りやすい、痩せにくい」、「生理後から排卵日までの期間はダイエットに向いている」ということが多く書かれています。これが本当だとすると、どのような理由からでしょうか。

多くの女性は生理が近くなると体調に変化があると感じますが、その原因は女性ホルモンのエストロゲンプロゲステロンのバランスが変化するためといわれています。
インターネットで生理中のダイエットについて検索した結果、ほとんどのウェブサイトで、女性ホルモンバランスの変化がダイエットの結果にも影響すると説明しています。その流れでダイエットで結果を出すために、生理周期に合わせたダイエット法を紹介しています。

実際に紹介されているダイエット法を確認する前に、生理周期を作っている女性ホルモンの働きに注目して、生理中は本当に太りやすいのか検証してみたいと思います。

女性ホルモンの働きとダイエットの関係

生理周期はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)とそれらのホルモンの分泌を促す役割をするホルモンでコントロールされています。
エストロゲンとプロゲステロンの役割は異なり、この2種類のホルモン量が周期的に変動することにより、生理周期が作られています。

エストロゲンの働きとダイエット

エストロゲンは心と体を整える作用があり、排卵と妊娠ができるよう準備を整えます。エストロゲンが分泌されると、心が安定し代謝が活発になるため体が軽く感じられます。肌や髪は潤いツヤが出て、女性の美しさが引き出されます。そのことからエストロゲンは別名「美人ホルモン」とも呼ばれています。

近年エストロゲンは生殖器への作用だけではなく、エネルギー代謝,脂質代謝,骨代謝,血管機能,脳機能などを正常に保つ働きがあることもわかっています。女性が更年期にかかりやすいといわれる骨粗鬆症は、エストロゲンの分泌量が減少することが原因になっています。更年期になるとなかなか痩せなくなるのも、エストロゲンの減少による代謝の低下の影響であると考えられています。*1

生理中は基礎体温が低いこともあり、血液循環が悪くなることが多く、生理痛を引き起こしたり体にむくみが生じやすくなります。しかし生理期間が終わり、卵胞期に入るとエストロゲンの作用で代謝が促進されます。気持ちも安定し、体も軽くなるので運動をしたい気分にもなりやすいと思います。
以上のことから、生理後から排卵日にかけてエストロゲンの分泌が増える時期は、ダイエットに向いているといえそうです。

プロゲステロンの働きとダイエット

排卵後、プロゲステロンが分泌量が多くなる黄体期に入ります。プロゲステロンは受精卵が子宮内膜に着床しやすくなるように子宮内膜を整え、妊娠を継続させるために必要な体の変化を起こします。例えば体に栄養や水分を溜め込むようになります。栄養を溜め込むということは、脂肪がつきやすくなるということでもあります。水を溜め込むため、むくみを生じやすくなります。プロゲステロンは平滑筋を弛緩させる作用もあり、その影響で腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢をしやすくなります。

さらに食欲も増え、眠気が強くなり、体温も高くなります。このような変化は、赤ちゃんを体内で育てるために必要な環境を作るためです。
体だけではなく心にも変化が起こり、不安やイライラ、憂鬱になりやすい時期です。*2

以上のようなプロゲステロンの働きを考えると、体内で赤ちゃんを育てるための環境づくりをするために、体内に栄養や水分を溜め込もうとする時期です。ダイエットはプロゲステロンの働きとは逆方向のベクトルを持っているので、やはり黄体期はダイエットの効果は感じづらくなっているといえるでしょう。
気分的にも不安やイライラを感じやすく、精神的に不安定になりがちなので、食事制限や運動などが過度なストレスになってしまう可能性もあります。

生理周期に合わせたダイエット法とは?

エストロゲン、プロゲステロンの働きとダイエットの関係がわかったところで、生理周期に合わせたダイエット法として紹介されていることをまとめてみました。

生理期間中

生理中は疲れやすく、眠気もあり、貧血になることもあるので、ハードな運動や食事制限などはせず、体をいたわる時期という考え方が共通してみられます。

生理中の過ごし方として紹介されていることを下記にまとめます。

  • 黄体期に体内に溜め込んだ水分でむくみやすくなっているため、湯船につかるなどして体をあたためることでむくみが緩和される。
  • 血流が悪くなっていると生理痛がひどくなるので、お風呂などで体をあたためて血行を促す。
  • 湯船につかることは推奨するが、貧血でふらつく危険性があるため、長湯はおすすめできない。
  • ストレッチやウォーキングなどの軽い運動は、血流をよくするために生理中の体調不良、生理痛を緩和してくれる。
  • 下痢や便秘になる人は食物繊維やオリゴ糖などのプロバイオティクス摂取がおすすめ。

生理後から排卵期(卵胞期)

卵胞期は生理周期の中で一番痩せやすい時期といわれていて、この時期に集中して行うダイエット法が推奨されています。

卵胞期の過ごし方として紹介されていることを下記にまとめます。

  • 痩せるための筋トレや運動はこの時期に行う。
  • ファイスティングなどの食事制限をするなら卵胞期がベスト。
  • エストロゲンの働きで、体が重く感じたりむくみが出やすい状態が改善され、体が軽く感じることと、心も安定しているので、運動には適している。

排卵日から生理開始まで(黄体期)

黄体期は妊娠に備えて体が受け入れ準備を整える時期です。栄養や水分を体に溜め込むので、ダイエット効果が出にくい時期でもあります。この時期もハードなダイエットはせず、ゆったりと過ごすことをすすめています。

黄体期の過ごし方として紹介されていることを下記にまとめます。

  • 体重は減らそうとするよりも、現状維持を目指す。
  • バランスの取れた食事をする。
  • マッサージをしてむくみを解消する。

生理周期によりダイエット法を大きく変えない考え方も

調査で得た情報のほとんどが、生理周期に合わせたダイエット法をすすめているのに対し、ダイエット法は大きく変える必要がないとする情報もありました。

ホルモンバランスの変化で変わるのは体内の水分量なので、卵胞期だから痩せるとか、生理中や黄体期だから痩せないわけではないという内容です。
生理後に痩せやすいと感じるのは、体内の水分排出がスムーズになりむくみが解消するからだそうです。逆に生理中は太りやすい気がするのは、むくみが生じるため太ったと感じるのだということです。

したがって生理周期により、ダイエットの方法を大きく変える必要はないと説明しています。生理周期内での体重の増減に一喜一憂せず、無理のないダイエットをコンスタントに続けることが大事だといいます。

ただ、時期によっては体の機能が変化するために、それを考慮して注意すべき点をいくつかあげています。

  • 生理前は水分を体内に溜め込みやすくなるため、塩分を控えるよう注意する。
  • もしも塩分を摂りすぎてしまったら、カリウムを多く含む食品(バナナ、りんご、わかめなど)を食べる。
  • 生理前は、インスリンの働きが弱まり血糖値が急上昇しやすいので、間食は血糖値の上昇率が低い食べ物を選ぶ(サツマイモやヨーグルトなど)。
  • 生理中でも有酸素運動なら行えるが、体調をみながら無理のない程度に。

結局のところ、生理周期に合わせたダイエット法は有効?

これまでみてきた生理周期に合わせたダイエット法は、本当に必要で有効なのかについて、考えたいと思います。

一つ確かなことは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンバランスにより、生理周期が作られていることです。
そしてエストロゲンとプロゲステロンの役割はそれぞれ違っていて、特にエストロゲンは代謝への働きかけもします。これはダイエットにも影響する要素なので、確かに生理周期に合わせてダイエット法を変えることは理にかなっているようにも思えます。

しかしもう一つ、見過ごしてはならない点があります。それは生理周期とは直接関係のない、ダイエットへのモチベーションや習慣化という要素です。
ダイエットは数日行って結果が出るようなものではなく、健康的に痩せるためには無理のない方法を継続し、習慣にすることがとても大事です。

そこで生理周期に合わせたダイエット法を行うよりも、生理周期により起きる体調の変化に注意しながら、習慣化できるダイエット法を続けるべきではないかと考えます。

この考え方で、ダイエット効果が出にくい黄体期と生理中にするとよいこと、避けるべきことについて、以下にまとめてみました。

黄体期・生理中のダイエットに有効なこと4つ

黄体期や生理中はダイエットの効果が現れにくいことがわかりました。そこで生理周期によりダイエット法を変えるというアプローチではなく、継続することに重点を置いた方法を提案します。

食べ過ぎ防止には食事回数を増やす

黄体期にはプロゲステロンの影響で、甘いものが食べたくなったり、食欲が増して食べ過ぎたりしがちです。セーブできないと感じたら、1日3回の食事回数を6回ぐらいに増やします。
1回の食事でたくさん食べてしまうと、余った糖質や脂質などを脂肪に変えて体内に溜め込むようになります。その結果、黄体期・生理中に太ってしまうことになりかねません。
1回あたりの食事量を減らすと、体脂肪として溜め込む量を減らすことができます。

バランスの取れた食事をする

生理中は鉄分が失われるので、食事で意識的に鉄分を補給するようにしましょう。ビタミンB群は代謝に利用されるので、代謝が下がる時期ではありますが、ビタミンB不足でさらに代謝が低下しないように気をつける必要があります。また黄体期や生理中は疲れやすいので、ビタミン類をしっかり摂取しましょう。

GI値の低いおやつを選ぶ

GIとは「グリセミック・インデックス」の略です。GIはブドウ糖を摂取した時の血糖値を100としたときの、その食品を食べることで上昇する血糖値を相対値として表したものです。血糖値が急激に上昇するとインスリンが分泌され、過剰な糖分のうち一部が脂肪に変換されて体内に蓄積されてしまいます。
特に黄体期・生理中は脂肪を溜め込みやすい時期であることに加え、甘いものが欲しくなることが多いので、GI値に注目して低GI値のおやつを選ぶようにしましょう。低GI値のおやつは、クリームチーズ(GI値33)、アーモンド(GI値30)、プレーンヨーグルト(GI値25)です。シュークリーム(GI値55)、プリン(GI値52)は少しGI値は高くなりますが、ショートケーキ(GI値82)、クッキー(GI値77)よりも低めなので、どうしても甘いものが食べたい時にはケーキよりもシュークリームがおすすめです。

ストレッチをする

生理中や黄体期は気分的にも身体的にも運動をする気になれないことが多いと思います。調子がよいときのような運動はしなくてもよいですが、むくみを解消するためにストレッチやウォーキングなどの軽い運動をするようにしましょう。血行がよくなると、生理痛が少し楽になります。

黄体期・生理中のダイエットに避けて欲しいこと3つ

逆に黄体期・生理中のダイエットに避けた方がよいことをまとめます。

激しい運動をする

無理に激しい運動をすると、体へのダメージの方が大きくなるので、この時期はできるだけ無理のないように生活する方が無難です。

ファスティングなどの食事制限

黄体期には子宮内膜を厚くしたり、生理中は鉄分が失われるので、ダイエットのための食事制限は体に負担がかかるので避けましょう。バランスの取れた食事を摂るようにします。

あきらめない

最後にどうせダイエットをしても効果が現れないからといって、ダイエットをあきらめてしまわないことです。今までの努力を無駄にしないためにも、この時期は体重維持ができればよしと思うようにしましょう。

ダイエットは継続が大事

生理周期には痩せやすい時期、痩せにくい時期はあるようです。しかしその周期に合わせてダイエットを複雑に管理するよりも、生理周期とは関係なくダイエット法を習慣化させることが大切です。ダイエットの方法を複雑にしてしまうと、面倒になってしまったり、ストレスを感じてしまったりすると継続が難しくなります。
ダイエットでもっとも大事なことの一つは継続なので、無理なく継続できる単純なダイエット法を続けることです。ダイエットを効果的に行うために、生理周期で変わる体調のことを頭に入れて、ダイエットを無駄にしないよう現状維持に努めるとよいでしょう。

(参考文献)

*1: エストロゲンのインスリン情報伝達経路を介した糖代謝促進作用植物エストロゲンでエストロゲン不足を補う【化学と生物 57(2): 74-75 (2019)】公益社団法人日本農芸化学会

*2: 女性特有のホルモンバランスとダイエット(TANITA)

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