スカルプ青汁で育毛効果はあるか?それとも気休めにもならない?

育毛青汁と聞くと、どんな青汁を想像しますか?育毛剤メーカーが商品開発に関わっているとしたら、試してみたくなりますか?
育毛青汁として商品化された「スカルプ青汁」は、育毛剤メーカーとの共同開発で誕生しました。スカルプとは頭皮を意味します。この記事では「スカルプ青汁」にはどのような成分が入っているのか、普通の青汁とどう違うのか、髪に対してどんな効果が期待できるのかについて、詳しく解説します。

育毛とは?発毛との違い

髪が細くなりボリュームがなくなって、地肌が目立つようになると、髪に元気を取り戻して一本一本を太くしたいと思うのではないでしょうか。今生えている髪を太く元気になるように、髪が成長できる環境を整えることを育毛といいます。

これに対し、発毛とは髪が抜け落ちた毛穴から、再び髪を生やすことをいいます。髪が生えて抜けるまでをヘアサイクルと呼びますが、正常なサイクルを保つために髪を作る組織がある毛包に働きかけることで、新しい髪が生えるのを促します。

この記事では発毛ではなく育毛に関する内容です。育毛は髪が成長できる環境を整えることだと説明しましたが、具体的にどのような環境にすれば髪が育つのかについて説明します。

育毛〜髪が成長できる環境作りとは

髪の元になるものは毛包にある毛母で作られ、その中で細胞が増殖して上に押し上げられたものが髪になります。髪を形作る細胞はすでに死んでいて、乾燥して硬くなっています。髪の構成成分はタンパク質・水分・メラニン色素・脂質などです。*1

健康な髪を育てるには、頭皮にフケ・炎症・毛穴詰まり・吹き出物などのトラブルがないこと、頭皮に栄養が行き渡っていることが必要です。髪は細胞から作られているので、髪が成長するためには毛母細胞が活発に分裂・増殖ができる環境(良い肌のコンディション)と細胞を作るために必要な材料(栄養素)が必要です。*2

スカルプ青汁

育毛について説明が終わったところで、ナチュラルファーム株式会社の「スカルプ青汁」はどのような青汁なのか、普通の青汁と何が違うのかについて詳しく見ていきたいと思います。

h3 スカルプ青汁の概要

商品名スカルプ青汁
区分栄養機能食品
内容量30包入り(1包2.5g)約1ヶ月分
定価4,980円(税抜、送料別)
原材料大麦若葉、麦芽糖、ぶどう糖、マルトデキストリン、桑葉、フラクトオリゴ糖、クマザサ粉末、抹茶、大豆抽出物、加熱乳酸菌混合末、乳酸菌凍結乾燥末、ヒハツ抽出物/ビオチン

スカルプ青汁の特徴

育毛剤メーカーと共同開発した「スカルプ青汁」は、栄養機能食品*3でビタミンの一種であるビオチンを含んでいます。その他、ヒハツエキスや乳酸菌も配合、もちろん青汁なので、ビタミン・ミネラルも豊富です。

ビオチンとは

ビオチン*4、*5とはビタミンB群に属し、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素*6です。ビオチンは野菜にはあまり含まれておらず、牛レバー・卵黄・大豆など豆・穀類に多く含まれます。
髪の健康は頭皮が良い状態でなければ保てません。シャンプーなど外からのケアは頭皮の汚れを落とし、清潔にすることにより健康を保つことがメインになりますが、「スカルプ青汁」は頭皮の健康維持を助けるビオチンを摂取することにより、内側から育毛をサポートすることができます。普通の青汁は野菜に含まれるビタミン類は豊富ですが、ビオチンはほとんど含まれておらず、この点が「スカルプ青汁」が育毛青汁と呼ばれる理由の一つです。

ヒハツエキス

ヒハツは香辛料として使われている植物で、ナガコショウまたはロングペッパーとも呼ばれます。ヒハツエキスは頭皮・毛髪を健やかに保つためのスカルプケア をサポートするために、ビオチンと共にヘアケア商品に添加される成分です。

内側からスカルプケアをサポートする意味は?

髪は頭皮の毛包にある毛母で細胞分裂を繰り返し、死んだ細胞が押し出されたものであることは説明しました。これは何かに似ていると思いませんか?
実は髪は私たちの皮膚とよく似ているのです。皮膚も基底層で細胞分裂が繰り返され、細胞が上に押し出されます。角質層まで到達するころには死んだ細胞になっています。*7

肌を健康に保つためには洗顔や保湿などのスキンケアが必要ですが、新しい肌細胞を作り出すための材料やエネルギーとなる栄養素が必要です。そのため肌の健康維持には内側からのケア、つまり食事やサプリメントなどによる栄養補給が必要なのです。

これと同じように、頭皮と髪の健康維持もシャンプーなど外からのスカルプケアと同時に、内側からも頭皮の健康と髪を作り育てるための材料とエネルギーとなる栄養素を摂取することが必要になります。

ビオチン・ヒハツエキスの他に「スカルプ青汁」が育毛をサポートする栄養素

「スカルプ青汁」にはビオチンとヒハツエキス以外にも、育毛をサポートする栄養素が含まれています。
毛母での細胞分裂が活発であるためには、細胞を作る材料となるタンパク質の合成がスムーズに行われなければなりません。「スカルプ青汁」は大麦若葉を主原料としていますが、大麦若葉にはタンパク質を構成するアミノ酸が豊富に含まれています。
また、タンパク質の合成にはアミノ酸だけではなくビタミンやミネラルも必要です。青汁にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので、育毛をサポートできる十分な栄養素があるといえそうです。

こんな時が「スカルプ青汁」の始め時

身体が年齢と共に衰えてくるのは自然なことです。髪も身体と同じで、同じようにケアしていても年齢と共に髪にハリ・コシ・ボリュームがなくなってくるのが自然です。でも仕方がないといって、あきらめるのはまだ早いです。髪に元気がなくなってきたと感じたら、できるだけ早く対策を行うことです。
今までのヘアケア・スカルプケアが間違っていたわけではありません。年齢や状況により身体は変化するものなので、その時に足りていないと思われるものを追加するような対策を取ればよいのです。
髪が健康に育つためには、頭皮のコンディションは良くなければいけませんが、髪は皮膚と同じように細胞が分裂・増殖して作られるので、細胞を作るための栄養素も必要なのです。そこでこれまで外からのケアとして行っていた頭皮ケア(シャンプーなど)に加えて、内からのケアとして「スカルプ青汁」が一つの選択肢になります。

髪に元気がなくなってくる原因は、年齢だけではありません。不規則な生活が続いたり、仕事でストレスやイライラが溜まったりしているときにも、注意が必要です。このような状態の時には、バランスの取れた食事ができなかったり、睡眠が不足していたりすることが多いからです。特にイライラは栄養不足のときにも陥りやすいので、食事で必要な栄養素が摂れているか、特にミネラル・ビタミン類はどうか、見直してみるとよいでしょう。

栄養不足の解消は、食事内容の改善がベストですが、どうしても足りない部分は健康食品やサプリメントで補うことも可能です。ストレスや疲労などで髪にツヤがなくなったり、ハリ・コシ・ボリュームが減ってきたと思ったら、「スカルプ青汁」を始めるいい機会です。

飲む育毛と従来の育毛はどちらが効果的?

ここまでの説明で答えが見えているかもしれませんが、従来の育毛に絡んで混同しやすい事柄にも触れながら、整理しつつ考えたいと思います。
従来の育毛は育毛剤を中心として、髪が成長できるような頭皮の状態を良好に維持できるケアをするものです。
ここで混同しやすいのが、発毛です。育毛は今生えている髪を成長させ、抜け毛を予防するためのケアですが、発毛は髪が抜け落ちた後、新しい髪が生えるよう促すためのケアです。

育毛剤と発毛剤の違いを確認しよう

育毛には育毛剤を使用し、発毛には発毛剤を使用します。それぞれは明確に区別されていて、育毛剤は医薬部外品、発毛剤は医薬品に分類されています。医薬部外品と医薬品の大きな違いは、医薬部外品は「予防」が目的であり、医薬品は「治療」が目的であることです。この違いは有効成分に現れています。

医薬部外品である育毛剤*8の有効成分はセンブリエキスなどの血行促進効果のある成分や、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症効果のある成分が使われています。これらの有効成分は脱毛を「予防」し、健康な髪を育てるための頭皮環境作りを目的としています。
これに対して医薬品である発毛剤の有効成分*9はミノキシジル、医療機関向けには塩化カルプロニウムがあり、発毛促進効果のある成分が使われています。これらの有効成分は発毛を促し、現状を改善・治療することを目的としています。

このように育毛剤と発毛剤は明確に区別されています。この記事では従来の育毛ということで、育毛剤を中心に、薬用シャンプーなどのヘアケア商品を含めた外からのケアと、飲む育毛として「スカルプ青汁」による内からのケアはどちらが効果的なのかについて考えます。

飲む育毛と従来の育毛の二者択一?

従来の育毛ケアに使う商品は頭皮や髪そのものに対して使用するため、効果に対する期待感は高くなるのが自然かもしれません。
これに対して飲む育毛は、髪に直接使うものではないため、育毛ケアをしているという実感が得られにくいでしょう。しかし髪の成長と抜け毛を予防するためには頭皮ケアだけでは十分とはいえず、毛包内の毛母での細胞分裂・増殖に必要な栄養素が必要です。この部分は、従来の育毛ケアではサポートできていませんでした。

これに対し飲む育毛では、食事と育毛青汁からの栄養補給により髪の成長に必要な栄養素の補給はできますが、直接的な頭皮のケアまではできません。両者の利点が異なり、双方でちょうど足りないところを補い合うことができています。つまりこれらはどちらか効果的な方を選ぶというよりは、2方向から育毛ケアを行えばそれぞれの利点を享受することで、より良い結果を得られる期待度が高まるといえそうです。

健康な髪の成長と抜け毛予防に必要なこと

育毛は今ある髪を成長させ、抜け毛を予防することにより、髪のボリュームをアップするという考え方です。より良い育毛ケアは、頭皮の環境を整える外からのケアと髪の健康と成長に必要な栄養素を補給する内からのケアの2方向から髪にアプローチすることです。
ここでいう外からのケアとは育毛剤を中心にした薬用シャンプーなどのヘアケア商品を使用した育毛ケア、内からのケアとは育毛青汁であるスカルプ青汁を飲む育毛ケアのことを指しています。

これは畑で農作物を作ることにも似ていると思います。野菜を育てるために土を耕し水をあげたとしても、肥料がなくては野菜は大きく育ちません。
畑の土を耕し水をあげることは、ちょうど育毛ケアでいうと育毛剤などを使った外からのケアに当てはまります。肥料は育毛青汁を飲む内からのケアに当てはまりそうです。

髪に似ていると説明した肌も同じことです。身体は吸収した栄養素で作られていることを考えると、決して不思議なことではありません。髪も身体の一部なので、外と内からの2方向からの育毛ケアを考えていくことをおすすめします。

ただし現在通院中の方は、医師に青汁を飲んでも治療に差し障りがないかどうかの確認をするようにしてください。投薬中の方は薬の種類によっては薬の効き目に影響することがあるので、飲む前に必ず確認するようにしましょう。

<参考文献>
*1:Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A (MSD)
*2:Kao
*3:厚生労働省
*4:日本微量栄養素情報センター
*5:国立研究開発法人 医薬基礎・健康・栄養研究所
*6:内閣府
*7:日本化粧品技術者会
*8:厚生労働省
*9:厚生労働省

関連記事