【ビタミンB1の効果効能】多く含む食品・摂取量基準・研究情報について

炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトニュートリエント。これらは7大栄養素とよばれ、人の成長や健康維持には欠かせない栄養素です。

その中でもビタミンは身体の生理機能の重要な役割をになっていますが、人は体内で生成することができず食事から摂る必要があります。
ビタミンB1は一番最初に発見されたビタミンとしても有名で、体の中で様々な反応に関わる重要なビタミンです。

今回はそんなビタミンB1について、ビタミンB1の役割、どれくらい毎日摂れば良いのかなどについて話していきたいと思います。

ビタミンB1とは

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種で、化学名をチアミンと言います。正式な化学名は、2〔3-[(4–アミノ-2-メチル-ピリミジン-5-イル)メチル]-4-メチル-チアゾール-5-イル〕エタノールです。

チアミンは通常の食品中ではリン酸が一つ結合したチアミンモノリン酸(ThMP)(これが大半である)、二つ結合したチアミンジリン酸(ThDP)、三つ結合したチアミントリリン酸(ThTP)の形で存在します。
一方、サプリメントや強化食品、経腸栄養剤などに含まれるビタミンB1は、リン酸が結合していないチアミン塩化物塩酸塩が多いのが特徴です。

ビタミンB1は一番最初に発見されたビタミンとしても有名です。
1911年に、東京帝国大学農学部教授で日本農芸化学会創設者の鈴木梅太郎博士により、米ぬか中に脚気と呼ばれる病気を予防する新規成分が存在することを示した世界最初の論文が東京化学会誌に掲載されました。

この時点では成分の本体は解明できておらず、論文中には「該有効成分を仮にアベリ酸(Aberisaure)と命名し、化学的性質の判明したる後、さらにこれを改正せんと欲す。」という記述があります。15年後のオランダでその結晶が分離でき25年後のアメリカで構造が決定されました。命名に関し、この物質の発見を鈴木博士と競ったC. Funk(ポーランド)の提唱した「Vitamin(e)」が採用され、この成分がビタミンB1と呼ばれるようになりました。

また、鈴木博士がビタミンB1を発見した12月13日は「ビタミンの日」として制定されています。ビタミンを始めとした栄養素の大切さを考え、バランスの取れた食事をし、みんなが健康で長生きしてほしいとの願いをこめて制定されたものです。

ビタミンB1の効果効能・体内における作用や役割

そんな一番最初に発見されたビタミンB1の体内での作用や役割をまとめてみました。

エネルギー生産

食事から摂取した糖質を分解しエネルギーへ変換する、解糖系、クエン酸回路と呼ばれる体内での反応の際に、ビタミンB1は補酵素として働き、エネルギー生産重要な役割をになっています。特に糖代謝のみに関わるピルビン酸脱水素酵素と呼ばれる補酵素はビタミンB1が活性を制御していることから、ビタミンB1の摂取が不足すると、糖質がエネルギーに変換されにくくなると言われています。

アルコールの代謝

アルコールが分解され、アセトアルデヒドと呼ばれる二日酔いの原因となる成分に分解されます。その後、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)と呼ばれる酵素がアセトアルデヒドを分解し、酢酸へと変換することで、アルコールを最終的に分解しています。

しかし、大量のアルコールの摂取や体質などで、ALDH2が処理できる量以上のアルコールを摂取した際には、アセトアルデヒドをアセトインという物質に変換する反応が行われます。その際にビタミンB1が大量に消費されるので、ビタミンB1不足になるとアルコールの分解が追いつかず、二日酔いなどの原因になると言われています。

脳や神経の働きを正常に保つ

ビタミンB1は糖質の代謝にも関与しているので、ビタミンB1が不足すると糖が分解されにくくなり、乳酸などの疲労物質が溜まって疲れやすく、イライラや倦怠感などの精神的な症状が出やすくなると言われています。
また、ビタミンB1が糖質を分解して生成されるブドウ糖は脳の活動を支える唯一のエネルギー源なので、糖質とともに摂取することで脳にエネルギーが送られ、脳や神経が正常に働くのに重要な役割をになっています。

体内の様々な生理機能に関与

ビタミンB1は補酵素として、上記以外にも体内の様々な反応に関与しています。

ビタミンB1はどういった時、意識して摂取するべきか

ビタミンB1は水溶性ビタミンであり、体内で合成・蓄えることができません。毎日きちんと摂取し続けることを意識することが大切になります。
特にどういった時に意識すべきかをまとめてみました。

疲れている時

ビタミンB1は体内でエネルギーを生成する役割をになっていますので、疲れが取れない、疲れているなーと思うときはビタミンB1不足かもしれません。

飲みすぎた時

ビタミンB1はアルコール分解時にも重要な役割をになっていますので、飲みすぎた次の日は体内のビタミンB1が大量に消費されているので、しっかりとビタミンB1を摂取しましょう。

サプリメントでの摂取

おそらくビタミンB1に特化したサプリメントを摂っている人は多くないかと思います。どちらかと言いますとミックスビタミンなど、複数のビタミンがまとめて摂取できるタイプを摂るケースが多いと思います。

日本製の複合ビタミン剤の場合、ビタミンB1を含んでいるケースが多く、適正量で1日に必要な量を摂取できる物が多くなっています。
ビタミンB1は体に蓄積することができないため、定期的な摂取が必要となります。また、過剰症はないと言われていますが、他のビタミンでは過剰症が起こるケースもありますので、大量摂取には気をつけましょう。

ビタミンB1の欠乏症(症状/対策)

体にとってとても重要なビタミンB1ですが、不足してしまうとどうなってしまうのでしょうか。ビタミンB1欠乏症では主に循環器、神経、筋肉および、消化器系に影響します。

ビタミンB1(チアミン)欠乏症として有名なものに脚気と呼ばれるものがあります。
脚気といわれると大昔の病気というイメージがあるかもしれませんが、意外にも発症者は若者に多く、原因は糖質の過剰摂取、ビタミンB1の摂取不足と言われています。また、現在でも発展途上国では脚気の患者が多く見られ、食生活や栄養状態が影響していることが報告されています。

症状

まずはイライラ、倦怠感、食欲の低下などの症状が表れ、末梢神経や中枢神経に異常が生じ、手や足の先に痛みやしびれが出るようになります。さらに進行すると筋力が衰え、感覚障害が出て歩行が不自由になります。
また、膝下をたたくと足が跳ね上がる膝蓋腱反射がなくなり、反応しなくなります。重症化すると同時に心臓機能が低下し、心拍数の増加、手足のむくみ、胸水がたまるなどの症状が表れます。急に心筋虚脱を生じる脚気衝心が出ることもあり、最悪の場合は心不全により死に至ると言われています。

治療

点滴などでビタミンB1を体内に補い治療を行います。基本的には、ビタミンB1を補充すれば症状は改善されますが、末梢神経障害を生じている場合は、治療に半年から数年かかることもあると言われています。

食生活の乱れによって脚気を発症した人に対しては、食生活の見直しが重要になってきます必要に応じてサプリメントの飲用や持病により発症した人、アルコール依存症の人に対しては、病気の治療と並行して行っていきます。

また、重篤な欠乏症にウェルニッケ脳症と呼ばれるものもあります。

症状

軽度から昏睡までさまざまな程度の意識障害、眼球運動障害、小脳失調を特徴としています。
眼球運動障害は眼球が全く動かないのが典型的ですが、細かい眼の振るえと言った眼振も含まれます。小脳失調とは小脳の働きが悪くなって立ったり座ったりしたときに体がふらついて倒れてしまったり、手足を思う通りに動かせなくなる症状のことです。

症状の進行により、物忘れが主症状となるコルサコフ症候群なることも知られ、コルサコフ症候群になってしまうとビタミンB1(チアミン)を投与しても治療できなくなってしまいます。

治療・再発防止

点滴などでビタミンB1を体内に補い治療を行います。眼球運動障害、意識障害、小脳失調の順に回復していくと言われています。また、ビタミンB1の補充開始が早ければ早いほど経過は良好と言われているため、早期治療が重要となります。

また、再発防止として断酒は絶対と言われ、食生活の見直しや定期的なサプリメントの摂取を推奨するなど対策が必要な場合は必要な対策が行われます。

ビタミンB1の過剰症(症状/対策)

一方、多くの成人では、食事やサプリメントによる、ビタミンB1の過剰摂取についての悪影響は報告されていません。
しかし、非経口的摂取により、まれに過敏症を引き起こすという報告があり、何かしらの治療にてビタミンB1(チアミン)を使用する際は注意が必要と言われています。

しかし、日常生活でそれほど高用量のビタミンB1を摂取することはなく、体内で蓄積されることも多くないので、過剰症の心配はほとんどないと言われています。

ビタミンB1の研究情報

体内の様々な反応に関与しているビタミンB1ですが、現在も多くの研究が行われていますので、その一部を紹介します。

白内障の予防

オーストラリアでの研究では49才以上の2,900人の男女について、最高用量のビタミンB1(チアミン)を投与されたグループが最低用量を投与されたグループに比較して40%も水晶体の白濁により視力を失う白内障の発症率が低かったことが報告されました。
また別のアメリカの研究では、400人を超える女性について、チアミンのより高い食物摂取が、眼球水晶体の白濁抑制に関連性があることを立証したと報告されています。

参考文献
Cumming RG, Mitchell P, Smith W. Diet and cataract: the Blue Mountains Eye Study.Ophthalmology
. 2000 Mar;107(3):450-6

Paul F Jacques, Allen Taylor, Suzen Moeller, Susan E Hankinson, Gail Rogers, William Tung, José Ludovico, Walter C Willett, Leo T Chylack Jr.Long-term nutrient intake and 5-year change in nuclear lens opacities.Arch Ophthalmol
. 2005 Apr;123(4):517-26.

アルツハイマー病の治療

現在、アルツハイマー病を完治させる治療薬は存在しません。

しかし、ビタミンB1(チアミン)の不足が、ウェルニッケ・コルサコフ症候群患者に認知症を引き起こす可能性があることから、チアミンがアルツハイマー病の重症度を軽減することに役立つ可能性が提言されてきました。

しかし、アルツハイマー病タイプの認知症の患者でのランダム化比較試験の最近の調査では、ビタミンB1がアルツハイマー病タイプの認知症に対する有効な治療法である証拠は全く認められていません。ビタミンB1投与がアルツハイマー病の効果的な治療方法として提案できるようになるまでは、より多くの研究が必要と言われています。

参考文献
Rodriguez-Martin JL, Qizilbash N, Lopez-Arrieta JM. Thiamine for Alzheimer’s disease.Cochrane Database Syst Rev
. 2001;(2):CD001498.

癌の治療

培養細胞や動物モデルによる研究では、急速に分裂しているがん細胞はチアミンの必要量が多いことが示され、また、急速に増殖する腫瘍を発症した患者においてビタミンB1(チアミン)欠乏症が認められたことから、これらの患者については、欠乏症を防止するためチアミンサプリメント投与が一般的となっています。

また、複数の専門家は、癌細胞は急速に分裂する際にビタミンB1(チアミン)を大量に必要とし、実際にはビタミンB1(チアミン)の高用量投与は癌細胞の成長に燃料を供給することになっているのではないかとも想定しています。

しかし、この理論を立証する研究報告はなく、癌患者にビタミンB1(チアミン)の投与が一般的になっていますが、実際は担当の先生の判断となります。

参考文献
B Comín-Anduix, J Boren, S Martinez, C Moro, J J Centelles, R Trebukhina, N Petushok, W N Lee, L G Boros, M Cascante.The effect of thiamine supplementation on tumour proliferation. A metabolic control analysis study.Eur J Biochem
. 2001 Aug;268(15):4177-82. 

L G Boros, J L Brandes, W N Lee, M Cascante, J Puigjaner, E Revesz, T M Bray, W J Schirmer, W S Melvin.Thiamine supplementation to cancer patients: a double edged sword.Anticancer Res
. Jan-Feb 1998;18(1B):595-602.

っ血性心不全の治療

特に高齢者に多く、心臓が人体の他の器官に十分な血液を送り出すことができない状態となるうっ血性心不全の治療にもビタミンB1が用いられています。過去の研究から高齢者でうっ血性心不全を患っている患者は、若年の患者に比較してより高いビタミンB1欠乏症のリスクにさらされていることが報告されています。

特にフロセミドなどの利尿剤を服用している患者は、ビタミンB1排出量の増大に伴いさせ潜在的にビタミンB1不足をもたらしていることも報告されています。
現在、うっ血性心不全患者の心機能維持におけるビタミンB1サプリメント投与の役割については意見の分かれるところとなっています。現在までに公表された研究結果は、研究サンプルサイズが小規模なこと、ランダム化比較試験の欠如および、ビタミンB1栄養状態のより綿密な分析結果が必要なことから追加の研究が必要と言われ、現在も多くの研究が行われています。

参考文献
T J Wilkinson, H C Hanger, P M George, R Sainsbury.Is thiamine deficiency in elderly people related to age or co-morbidity?Age Ageing
. 2000 Mar;29(2):111-6.

Cecli Zenuk, Jeff Healey, James Donnelly, Régis Vaillancourt, Yussuff Almalki, Stuart Smith.Thiamine deficiency in congestive heart failure patients receiving long term furosemide therapy.Can J Clin Pharmacol
. Winter 2003;10(4):184-8.

I Shimon, S Almog, Z Vered, H Seligmann, M Shefi, E Peleg, T Rosenthal, M Motro, H Halkin, D Ezra.Improved left ventricular function after thiamine supplementation in patients with congestive heart failure receiving long-term furosemide therapy.Am J Med
. 1995 May;98(5):485-90.

D Leslie, M Gheorghiade.Is there a role for thiamine supplementation in the management of heart failure?Am Heart J
. 1996 Jun;131(6):1248-50.

ビタミンB1を摂取に気をつけるべき人(薬の飲み合わせ等)

特定の疾患患者や薬剤を服用中の方はビタミンB1摂取で注意が必要になるので、まとめてみました。

抗てんかん薬

抗てんかん薬はてんかんを始め双極性障害や統合失調症など多くの精神疾患に使用されていますが、これらはビタミンB1の代謝酵素へ影響を与え、血中濃度を減少させる働きとなることがあります。
フェニトイン、バルプロエート、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドンを服用している場合は注意が必要です。

利尿剤

先ほども述べましたが、利尿剤を服用中の場合、ビタミンB1の排出量が増大し、ビタミンB1欠乏症になる可能性もあるので、注意が必要です。

アルコール依存症

ビタミンB1はアルコールの分解において重要な役割をにない、大量にアルコールを飲む機会がある場合、特に注意が必要です。
ビタミンB1欠乏だけではなく、アルコールが分解できず二日酔いの原因となるので、アルコールを飲む際にはビタミンB1を補っておきましょう。

ビタミンB1の1日摂取量の目安(年齢別)

ビタミンB1の効果について説明しましたが、1日どれくらいのビタミンB1を摂ればいいのでしょうか。厚生労働省が発表しています「日本人の食事摂取基準」というものを見ていきましょう。

ビタミンB1の食事摂取基準(mg/日)※

  男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 推定平均必要量 推奨量
1~2(歳) 0.4 0.5 0.4 0.5
3~5(歳) 0.6 0.7 0.6 0.7
6~7(歳) 0.7 0.8 0.7 0.8
8~9(歳) 0.8 1.0 0.8 0.9
10~11(歳) 1.0 1.2 0.9 1.1
12~14(歳) 1.2 1.4 1.1 1.3
15~17(歳) 1.3 1.5 1.0 1.2
18~29(歳)  1.2 1.4 0.9 1.1
30~49(歳)  1.2 1.4 0.9 1.1
50~64(歳)  1.1 1.3 0.9 1.1
65~74(歳)  1.1 1.3 0.9 1.1
75~(歳) 1.0 1.2 0.8 0.9

※チアミン塩化物塩酸塩(分子量 =337.3)の重量として示した。
※身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定。
※推定平均必要量は、ビタミン B1の欠乏症である脚気を予防するに足る最小必要量からではなく、尿中にビタミンB1の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。

参照:厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンB1を多く含む食品上位20位

ビタミンB1の効果や1日の必要量がわかったところで、具体的にどのような食品にビタミンB1が多く含まれるかを紹介します。

順位食品名成分量(μg/100g)
1パン酵母(乾燥)8.81
2米ぬか3.12
3パン酵母(圧搾)2.21
4豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(焼き)2.09
5小麦はいが1.82
6ひまわり フライ 味付け1.72
7けし(乾)1.61
8豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(生)1.32
9ごま むき1.25
10まいたけ(乾)1.24
11豚肉(中型種肉) ヒレ 赤肉(生)1.22
12あまのり1.21
13豚肉(大型種肉) もも 皮下脂肪なし (焼き)1.19
14豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(とんかつ)1.09
15豚肉(中型種肉) もも 赤肉(生)1.01
16豚肉(中型種肉) もも 皮下脂肪なし (生)0.98
17豚肉(大型種肉) もも 赤肉(生)0.96
18豚肉(中型種肉) ロース 赤肉(生)0.96
19ごま(乾)0.95
20豚肉(大型種肉) もも 皮下脂肪なし (生)0.94

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB1を多く含む野菜上位10位

次に野菜類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(μg/100g)
1ひまわり フライ 味付け1.72
2けし(乾)1.61
3ごま(むき)1.25
4ごま(乾)0.95
5ブラジルナッツ フライ 味付け0.88
6らっかせい 大粒種(乾)0.85
7らっかせい 小粒種(乾)0.85
8まつ(生)0.63
9まつ(いり)0.61
10えごま(乾)0.54

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB1を多く含む魚類/肉類上位10位

魚類/肉類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(μg/100g)
1豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(焼き)2.09
2豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(生)1.32
3豚肉(中型種肉) ヒレ 赤肉(生)1.22
4豚肉(大型種肉) もも 皮下脂肪なし (焼き)1.19
5豚肉(大型種肉) ヒレ 赤肉(とんかつ)1.09
6豚肉(中型種肉) もも 赤肉(生)1.01
7豚肉(中型種肉) もも 皮下脂肪なし (生)0.98
8豚肉(大型種肉) もも 赤肉(生)0.96
9豚肉(中型種肉) ロース 赤肉(生)0.96
10豚肉(大型種肉) もも 皮下脂肪なし (生)0.94

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB1を多く含む穀類上位10位

最後に穀類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(μg/100g)
1米ぬか3.12
2小麦はいが1.82
3あわ 精白粒0.56
4そば粉 表層粉0.50
5こむぎ 軟質0.49
6ライむぎ 全粒粉0.47
7そば粉 全層粉0.46
8そば そば米0.42
9こむぎ0.41
10玄米0.41

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB1はサプリメントで意識的に摂取すべきか

これまでビタミンB1の必要量や、含まれている食材について紹介してきましたが、そもそも私たちはきちんと必要なビタミンB1を毎日摂ることができているのでしょうか。

厚生労働省が発表している「平成30年国民健康・栄養調査報告」によると、ビタミンB1の平均摂取量は0.90 mgであり、推定平均必要量に届いていません。

近年、ビタミンB1はエネルギー生成において重要な栄養素であるため、ビタミンB1不足による体の疲れが注目されています。


豚肉や小麦などに含まれているビタミンB1ですが、普段の食事では足りていない人も多いので、サプリメント等で意識的に摂取することも重要です。しかし、サプリメント等で補充しても不足している人が多いと言われ、サプリメントによっては品質も規格も一定でなく、混合物や含有成分なども様々で、成分同士の相互作用や過剰摂取などの可能性が否定できません。
必要なビタミンは食事で確保できるようバランスのよい献立に気をつけ、その上で不足しがちなビタミンをサプリメントで補う場合、サプリメント・健康食品の安全性を確認することが重要です。

参考文献
石田 食事からのビタミン摂取 THE BONE;22(1):33-39. 2008

ビタミンB1と合わせて摂取すると効果的な栄養素

ビタミンB1が含まれている食材を調理する際には工夫が必要と言われています。
理由はビタミンB1が水溶性ビタミンであり、食材を洗った際に栄養素が流出しやすく、水道中に含まれる次亜塩素酸によって分解されしまうためです。

そのため、下茹を行うとビタミンB1の多くがゆで汁に溶けてしまいます。スープなどの具材として茹でて、そのゆで汁もスープとして飲むのであれば、ビタミンB1をしっかり摂取することができます。しかし、下茹でしてからゆで汁を捨ててしまう場合は、茹でるのではなく電子レンジで加熱したり、蒸したりするのがオススメになります。

豚肉などのお肉の場合、しゃぶしゃぶなどの茹でよりも、炒め物にした方が効率的にビタミンB1を摂取できるとも言われています。

青汁でビタミンB1は効率的に摂取可能か

日本人はビタミンB1不足で、サプリメント等で摂取することをオススメしましたが、サプリメントではなく、青汁ではどうでしょうか。

残念ながら青汁はあまり効果的でありません。
比較的多く、青汁に使われいる緑黄色野菜にはそこまで多くのビタミンB1は含まれておらず、ミックスビタミンのサプリメントで摂取した方が効果的に摂取することが期待できます。


自分にとって何が必要な栄養素かをしっかり考え、適切な方法で補うのが一番だと思います。

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