【ビタミンB12の効果効能】多く含む食品・摂取量基準・研究情報について
炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトニュートリエント。これらは7大栄養素とよばれ、人の成長や健康維持には欠かせない栄養素です。
その中でもビタミンは身体の生理機能の重要な役割をになっていますが、人は体内で生成することができず食事から摂る必要があります。
ビタミンB12は体内では生成できませんが、蓄えることができる珍しいビタミンです。蓄えることができるということは常に体が必要としている栄養素であるということにもなります。
今回はそんなビタミンB12について、ビタミンB12の役割、どれくらい毎日摂れば良いのかなどについて話していきたいと思います。
ビタミンB12とは
ビタミンB12は水溶性ビタミンの一種で、中心にコバルトという金属イオンを含有する珍しい化合物です。化学名をコバミドと言い、いくつかの類縁隊が存在し、代表的なものにはアデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミン、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミンがあります。
ビタミンB12は1926年にMinotとMurphyによってヒト悪性貧血に対して肝臓療法が有効であることが報告されたことが、ビタミンB12発見の手がかりとなりました。1948年に抗悪性貧血因子としてFolkersらとSmithらそれぞれによって牛の肝臓から赤色の結晶として単離され、ビタミンB12と命名されました。1956年にはHodgkinらがX線解析により化学構造が明らかにされました。後にBarkerらやLindstrandらによってアデノシル型やメチル型のビタミンB12が発見され体内での補酵素としての働きも明らかになっており、現在はビタミンB12の役割や治療での可能性について多くの研究が行われています。
他の大半のビタミンと違い、ビタミンB12の場合は体内で消費される時まで、十分な量が主に肝臓に蓄えられています。大抵の場合、ビタミンB12を摂取しなくなったとしても、通常は約3~5年で体内に蓄えられている量が使い切られると言われています。
ビタミンB12の効果効能・体内における作用や役割
そんなビタミンB12の体内での作用や役割をまとめてみました。
ビタミンB12は栄養素の代謝だけではなく、DNA合成など様々な反応に必要な栄養素となります。
アミノ酸・脂質代謝
ビタミンB12の活性型であるメチルコバラミンとアデノシルコバラミンが、アミノ酸や脂質などの代謝の補酵素として働いています。そのため、ビタミンB12が不足してしまうと体内で様々な反応が止まってしまい、不調の原因となると言われています。
赤血球細胞の形成
ビタミンB12は赤血球の元である赤血球細胞の形成に必要な栄養素です。ビタミンB12が不足してしまうと、未熟な赤血球ができてしまい、貧血の原因になるとも言われています。
神経機能の修復
ビタミンB12には、末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させて、神経を修復する働きがあると言われています。
そのため、活性型ビタミンB12の薬剤である「メコバラミン(製剤名:メチコバール錠)」は、頸椎症などによるしびれや痛み、麻痺、また冷え症等の自律神経障の治療などに広く使用されています。
ビタミンB12はどういった時、意識して摂取するべきか
体にとって必要なビタミンB12は他のビタミンと比べると、体内で蓄えることができるため、比較的欠乏症が起こりにくいと言われていますが、体に必要な栄養素であるので、毎日きちんと摂取し続けることを意識することが大切になります。
特にどういった時に意識すべきかをまとめてみました。
まとめて摂取しないこと
ビタミン B12 を多く含む食品は魚や肉などの食材が多いため、摂取量は日によって異なります。食事1回当たりの内因子を介した吸収機構の飽和量は、およそ 2.0 µg と推定されており、1日3回の食事から 6.0 µg 程度のビタミンB12しか吸収することができないと言われています。そのため、一度に多量のビタミンB12を含む食品を摂取するよりも、食事ごとに 2.0 µg 程度のビタミンB12を含む食品を摂取する方が望ましいと考えられています。
サプリメントでの摂取
普段の食生活を気をつけていれば、サプリメント等で敢えてビタミンB12を摂取する必要はないと言われているため、ビタミンB12に特化したサプリメントを摂っている人は多くないかと思います。それよりも複数のビタミンがまとめて摂取できるミックスビタミンなどを摂るケースが多いと思います。
日本製の複合ビタミン剤の場合、ビタミンB12を含んでいるケースが多く、適正量で1日に必要な量を摂取できる物が多くなっています。
ビタミンB12は体に蓄積することができますが、過剰に摂取した際、過剰症や中毒を引き起こしてしまう可能性は少ないと言われています。しかし、他のビタミンでは過剰症が報告されているビタミンもあるので、複合ビタミン剤の大量摂取には気をつけましょう。
ビタミンB12の欠乏症(症状/対策)
ビタミンB12は赤血球の生成や神経機能の修復に必要な栄養素であるので、欠乏してしまうとそれらに大きな影響を与えることになります。
主に以下のような症状が出ると言われています。
- 貧血が起こり、蒼白、筋力低下、疲労が生じ、重度の場合には息切れやめまいも起こることがあります。
- 神経の損傷が起きることがあり、手足のチクチク感や感覚消失、筋力低下、反射消失、歩行困難、錯乱、認知症が起こることがあります。
症状
軽度な場合でも蒼白、筋力低下、疲労といった貧血の症状が出てきます。重度の貧血では、息切れ、めまい、心拍数の増加が生じ、場合によっては、脾臓や肝臓が腫大することもあると言われています。
神経に損傷のある人では、腕と比べて脚により早くより高頻度に影響が出ると言われています。手足にチクチクした感覚が生じたり、脚、足、手の感覚が失われたり、腕や脚に力が入らなくなることがあります。自分の腕や脚がどこにあるか(位置覚)が分かりにくくなったり、振動を感じられない場合もあります。軽度から中等度の筋力低下が起こり、反射が消失し、歩行が困難になるケースも報告されています。
また、欠乏症が進行すると、錯乱、易怒性、軽い抑うつが生じる場合もあります。さらには、せん妄、パラノイア(他人に危害を加えられると思い込む)、および認知症などの精神機能障害に至ることがあると報告されています。
原因
欠乏症が生じる原因は大きくわけて3つあると言われています。
・摂取不足
規則正しい食生活を送っていれば、欠乏症にあることは滅多にないと言われていますが、ビタミンB12欠乏症は、完全な菜食主義者で動物性の食品を全く摂取しない人がサプリメントを服用しない場合に起こると言われています。完全な菜食主義者の母乳で育てられている乳児は、ビタミンB12欠乏症になるリスクが高くなることが報告されています。
・吸収不良
ビタミンB12欠乏症の最も一般的な原因は、吸収不良です。胃や腸に何かしらの疾患や免疫系の疾患を有する場合、ビタミンB12が吸収されず、欠乏症にあることが多いと言われています。
また、ビタミンB12が吸収される際には、内因子と呼ばれる物質が必要で、内因子が不足する場合でも吸収ができなくなり欠乏症になると言われています。内因子が不足する原因の1つに自己免疫性萎縮性胃炎という自己免疫反応があげられます。これは免疫システムの過剰反応によってつくられた異常抗体が、内因子をつくる胃の細胞を攻撃して破壊してしまう反応のことです。また、胃の内因子を生成する部分が手術で除去された場合にも内因子が不足してしまいます。
高齢者では、胃の酸性度が低下するために吸収が不十分になることがあると言われています。胃の酸性度が低下すると、摂取した肉に含まれるタンパク質からビタミンB12を取り出す能力が低下してしまいます。しかし、ビタミンサプリメントに含まれるビタミンB12は、胃酸が減少した人でもよく吸収することができるため、高齢者など胃の酸性度が低下したいる人はサプリメントを積極的に摂ることが推奨されています。
・貯蔵不足
体内のビタミンB12のほとんどが肝臓に蓄えられているため、肝疾患がある場合にはビタミンB12の貯蔵が妨げられることがあると言われています。
予防・治療
完全菜食主義の母親をもつ乳児には、出生直後からビタミンB12のサプリメントの投与を開始することがビタミンB12欠乏症の予防に役立つと言われ、推奨されています。
ビタミンB12欠乏症や貧血の治療では、高用量のビタミンB12のサプリメントを用いて治療が行われます。欠乏症で症状がみられない場合でも、このビタミンを服用することもあります。血液検査を定期的に行い、ビタミンB12の値が正常に戻って維持されていることを確認します。
また、神経の損傷による症状がある場合には、筋肉内注射でビタミンB12が投与されます。注射は患者が自分で打つこともでき、ビタミンB12の値が正常に戻るまで、数週間にわたって毎日または毎週行います。その後は、欠乏症の原因となっている病気が改善されない限り、毎月1回の注射を無期限に続けることが必要と言われています。
貧血は通常は約6週間で回復します。しかし、神経の損傷による重度の症状が数カ月から数年続いた場合は、それが生涯残る可能性があります。ビタミンB12欠乏症と認知症の両方がみられる高齢者のほとんどでは、治療の後も精神機能は改善しないと言われています。
ビタミンB12の過剰症(症状/対策)
一方、食事や定期的なサプリメントでのビタミンB12摂取ではビタミンB12の過剰症は起こりにくいと言われています。
過剰に摂取したとしても、ビタミンB12の吸収は胃から分泌される内因子によって調節されているので使用されないものは肝臓に蓄えられ、蓄えきれないものは体外へ排出されていくと言われています。
ビタミンB12の研究情報
体に必要なビタミンB12ですが、現在でも多くの研究が行われていますので、その一部を紹介します。
ホモシステイン濃度との関係性
血中のホモシステイン濃度が少し高いだけでも、心不全、冠動脈疾患、心筋梗塞、および脳血管性の発作(脳卒中)を含む心血管疾患のリスク上昇と関連があると報告されています。
ホモシステインの代謝には、葉酸、ビタミンB12、およびビタミンB6という少なくとも3つのビタミンBの栄養状態が影響されるため、ビタミンB12摂取が重要となります。
12の無作為化対照試験結果の初期の解析で、葉酸補給(0.5~5mg/日)が血中ホモシステイン濃度低下に最も効果的(25%の減少)であり、葉酸とともにビタミンB12(500μg/日)を補給することで、血中ホモシステイン濃度がさらに7%減少(32%低下)したことが報告されています。また別の研究では、53人の男女による順次補給試験の結果、葉酸補給の後ではビタミンB12が血漿ホモシステイン濃度の主要な決定因子になることが報告されています。
参考文献
Lowering blood homocysteine with folic acid based supplements: meta-analysis of randomised trials. Homocysteine Lowering Trialists’ Collaboration. Bmj. 1998;316(7135):894-898.
Quinlivan EP, McPartlin J, McNulty H, et al. Importance of both folic acid and vitamin B12 in reduction of risk of vascular disease. Lancet. 2002;359(9302):227-228.
乳がん予防
ある症例対照研究で、後に乳がんと診断された195人の女性とそれに同齢のがんでない195人の女性で、診断前の血清葉酸塩、ビタミンB6、およびビタミンB12の濃度が比べられました。閉経後の女性では、血中ビタミンB12濃度と乳がんの関連はしきい値効果を示唆していいました。血清ビタミンB12濃度が最も低い五分位の女性はそれより高い五分位の女性に比べて、乳がんリスクが2倍以上であったと報告されています。
また別のメキシコ人女性(475の症例群と1,391の対照群)による症例対照研究では、ビタミンB12摂取量が最も多い(7.3~7.7μg/日)四分位の女性は、最も少ない四分位(2.6μg/日)の女性に比べて乳がんリスクが68%低かったことが報告されています。
しかし、最近の症例対照研究や前向きコホート研究では、ヒスパニック、アフリカ系アメリカ人、およびヨーロッパ系アメリカ人の女性といった異なる集団において、ビタミンB12摂取に関連するリスク低下は弱いか全くなかったとも報告されています。
参考文献
Wu K, Helzlsouer KJ, Comstock GW, Hoffman SC, Nadeau MR, Selhub J. A prospective study on folate, B12, and pyridoxal 5′-phosphate (B6) and breast cancer. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 1999;8(3):209-217.
Lajous M, Lazcano-Ponce E, Hernandez-Avila M, Willett W, Romieu I. Folate, vitamin B(6), and vitamin B(12) intake and the risk of breast cancer among Mexican women. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006;15(3):443-448.
Yang D, Baumgartner RN, Slattery ML, et al. Dietary intake of folate, B-vitamins and methionine and breast cancer risk among Hispanic and non-Hispanic white women. PLoS One. 2013;8(2):e54495.
Bassett JK, Baglietto L, Hodge AM, et al. Dietary intake of B vitamins and methionine and breast cancer risk. Cancer Causes Control. 2013;24(8):1555-1563.
認知機能低下、認知症、およびアルツハイマー病
ビタミンB12欠乏症の発症は年配者の集団によくあり、しばしばアルツハイマー病と関連付けられてきました。
認知症の既往のない108人の対照群の被験者に比べて、アルツハイマー型の認知症である被験者およびアルツハイマー病と確定された被験者は血中ホモシステイン濃度が高く、葉酸とビタミンB12の血中濃度が低かったと報告されています。しかし、ホモシステイン濃度が高いことやビタミンB12の栄養状態が低いこととアルツハイマー病との関連は、認知症に関係する栄養不良によるものではないことが示されています。
現在まで様々な研究が行われていますが、ホモシステイン濃度が高いことは、ビタミンB12の栄養状態が悪いことが一因であるかもしれないが、これらの研究ではアルツハイマー病または認知症のリスクとビタミンB12の直接の関係は明らかになっていません。
参考文献
Clarke R, Smith AD, Jobst KA, Refsum H, Sutton L, Ueland PM. Folate, vitamin B12, and serum total homocysteine levels in confirmed Alzheimer disease. Arch Neurol. 1998;55(11):1449-1455.
Ravaglia G, Forti P, Maioli F, et al. Homocysteine and folate as risk factors for dementia and Alzheimer disease. Am J Clin Nutr. 2005;82(3):636-643.
ビタミンB12の摂取に気をつけるべき人(薬の飲み合わせ等)
一部、ビタミンB12は薬との飲み合わせに注意が必要なケースがあるので紹介します。
クロラムフェニコール
静菌的抗生物質であるクロラムフェニコールは、一部の患者で、ビタミンB12補充治療に対する赤血球の反応を妨げる可能性があることが報告されています。
プロトンポンプ阻害薬
胃食道逆流症や消化性潰瘍の治療に使用されるオメプラゾールやランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬は、胃内への胃酸分泌を緩徐化することにより、食品中のビタミンB12の吸収を妨げる可能性があると報告されています。しかし、プロトンポンプ阻害薬使用によるビタミンB12値への影響の有無について一定の見解が得られていない状況で、様々な議論が行われています。予防策として、長期間プロトンポンプ阻害薬を服用している患者では、ビタミンB12値を定期的に検査することが推奨されています。
参考文献
Bradford GS and Taylor CT. Omeprazole and vitamin B12 deficiency. Ann Pharmacother 1999;33:641-3.
Kasper H. Vitamin absorption in the elderly. Int J Vitam Nutr Res 1999;69:169-72.
Howden CW. Vitamin B12 levels during prolonged treatment with proton pump inhibitors. J Clin Gastroenterol 2000;30:29-33.
H2受容体拮抗薬
消化性潰瘍の治療に使われるヒスタミンH2受容体拮抗薬であるシメチジン、ファモチジン、ラニチジンなどでは、胃内への胃酸分泌速度を緩徐化することにより、食品からビタミンB12が吸収されるのを妨げる可能性があると報告されています。
ただし、長期使用後であってもビタミンB12欠乏症を促進するということを示唆するエビデンスはなく、臨床的に有意な影響は、特に2年以上H2受容体拮抗薬を連用し、ビタミンB12の貯蔵量が不十分な患者で多くみられると報告されています。
参考文献
Termanini B, Gibril F, Sutliff VE, Yu F, Venzon DJ, Jensen RT. Effect of long-term gastric acid suppressive therapy on serum vitamin B12 levels in patients with Zollinger-Ellison syndrome. Am J Med 1998;104:422-30.
Force RW, Nahata MC. Effect of histamine H2-receptor antagonists on vitamin B12 absorption. Ann Pharmacother 1992;26:1283-6.
メトホルミン
糖尿病治療に使用される血糖降下薬であるメトホルミンは、腸運動の変動、腸内細菌の過剰繁殖の促進、回腸細胞でのビタミンB12-内因子複合体のカルシウム依存性取り込みの変動によりビタミンB12の吸収を低下させると考えられています。
小規模な研究および症例報告により、メトホルミンを服用している患者の10~30%で、ビタミンB12の吸収が減少したことが報告されています。別の2型糖尿病患者を対象としたランダム化プラセボ対照試験では、4.3年間のメトホルミン治療によりビタミンB12値が有意に19%減少し、プラセボ群に比べ、ビタミンB12欠乏症のリスクが7.2%増加したと報告されています。一部の研究では、カルシウムの補給がメトホルミンによるビタミンB12吸収障害の改善に有用な可能性が示唆されていますが、すべての研究者の意見が一致しているわけではなく、服用する場合はビタミンB12値を定期的に検査することが推奨されています。
参考文献
Liu KW, Dai LK, Jean W. Metformin-related vitamin B12 deficiency. Age Ageing 2006;35:200-1.
Buvat DR. Use of metformin is a cause of vitamin B12 deficiency. Am Fam Physician 2004;69:264.
Bauman WA, Shaw S, Jayatilleke K, Spungen AM, Herbert V. Increased intake of calcium reverses the B12 malabsorption induced by metformin. Diabetes Care 2000;23:1227-31.
de Jager J, Kooy A, Lehert P, Wulffelé MG, van der Kolk J, Bets D, Verburg J, Donker AJ, Stehouwer CD. Long term treatment with metformin in patients with type 2 diabetes and risk of vitamin B-12 deficiency: randomised placebo controlled trial. BMJ. 2010 May 20;340:c2181.
ビタミンB12の1日摂取量の目安(年齢別)
ビタミンB12の効果について説明しましたが、1日どれくらいのビタミンB12を摂ればいいのでしょうか。厚生労働省が発表しています「日本人の食事摂取基準」というものを見ていきましょう。
ビタミンB12の食事摂取基準(μg/日)※
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
1~2(歳) | 0.8 | 0.9 | 0.8 | 0.9 |
3~5(歳) | 0.9 | 1.1 | 0.9 | 1.1 |
6~7(歳) | 1.1 | 1.3 | 1.1 | 1.3 |
8~9(歳) | 1.3 | 1.6 | 1.3 | 1.6 |
10~11(歳) | 1.6 | 1.9 | 1.6 | 1.9 |
12~14(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
15~17(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
18~29(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
30~49(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
50~64(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
65~74(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
75~(歳) | 2.0 | 2.4 | 2.0 | 2.4 |
※シアノコバラミン(分子量 =1,355.37)の重量として示した。
参照:厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)
ビタミンB12を多く含む食品上位20位
ビタミンB12の効果や1日の必要量がわかったところで、具体的にどのような食品にビタミンB12が多く含まれるかを紹介します。
順位 | 食品名 | 成分量(μg/100g) |
---|---|---|
1 | しろさけ めふん | 327.6 |
2 | しじみ 水煮 | 81.6 |
3 | あまのり ほしのり | 77.6 |
4 | しじみ 生 | 68.4 |
5 | かたくちいわし 田作り | 64.5 |
6 | あさり 缶詰 水煮 | 63.8 |
7 | あゆ 天然 内臓 生 | 60.3 |
8 | あげまき 生 | 59.4 |
9 | あかがい 生 | 59.2 |
10 | あまのり 味付けのり | 58.1 |
11 | あまのり 焼きのり | 57.6 |
12 | 干しやつめ | 54.8 |
13 | しろさけ すじこ | 53.9 |
14 | 牛肉 肝臓 生 | 52.8 |
15 | あさり 生 | 52.4 |
16 | あゆ 天然 内臓 焼き | 49.6 |
17 | ほっきがい 生 | 47.5 |
18 | しろさけ イクラ | 47.3 |
19 | はまぐり つくだ煮 | 45.4 |
20 | 鶏肉 肝臓 生 | 44.4 |
ビタミンB12を多く含む魚類上位10位
次に魚類に特化し紹介します。
順位 | 食品名 | 成分量(μg/100g) |
---|---|---|
1 | しろさけ めふん | 327.6 |
2 | しじみ 水煮 | 81.6 |
3 | しじみ 生 | 68.4 |
4 | かたくちいわし 田作り | 64.5 |
5 | あさり 缶詰 水煮 | 63.8 |
6 | あゆ 天然 内臓 生 | 60.3 |
7 | あげまき 生 | 59.4 |
8 | あかがい 生 | 59.2 |
9 | 干しやつめ | 54.8 |
10 | しろさけ すじこ | 53.9 |
ビタミンB12を多く含む魚類/肉類上位10位
魚類に特化し紹介します。
順位 | 食品名 | 成分量(μg/100g) |
---|---|---|
1 | 牛肉 肝臓 生 | 52.8 |
2 | 鶏肉 肝臓 生 | 44.4 |
3 | 豚肉 肝臓 生 | 25.2 |
4 | 豚肉 スモークレバー | 24.4 |
5 | 牛肉 じん臓 生 | 22.1 |
6 | 牛肉 小腸 生 | 20.5 |
7 | 豚肉 じん臓 生 | 15.3 |
8 | 牛肉 心臓 生 | 12.1 |
9 | 豚肉 レバーペースト | 7.8 |
10 | がちょう フォアグラ ゆで | 7.6 |
ビタミンB12はサプリメントで意識的に摂取すべきか
これまでビタミンB12の必要量や、含まれている食材について紹介してきましたが、そもそも私たちはきちんと必要なビタミンB12を毎日摂ることができているのでしょうか。
厚生労働省が発表している「平成30年国民健康・栄養調査報告」によると、ビタミンB12の平均摂取量は5.9 μgであり、推定平均必要量に届いています。
野菜・肉を全く食べない、過度なダイエット中という人を除き、基本的な食生活を送っていればビタミンB12の必要量を摂取できていると言われています。
また、ビタミンB12は肝臓に蓄えられているため、短期間ビタミンB12を摂取しなかったとしても大きな影響はないと言えるでしょう。
完全な菜食主義者、高齢者や何かしらの理由でビタミンB12を吸収できることができない人を除き、敢えてサプリメントでの摂取は、これまでの解説を踏まえてると意識する必要はないかもしれません。
ビタミンB12と合わせて摂取すると効果的な栄養素
ビタミンB12は果物・野菜にはほとんど含まれていないので、魚や肉を積極的に摂るようにしましょう。
ただし、魚や肉は高カロリーなものも多いので、全体のカロリー量にも気を付けながらバランスの取れた食生活を意識していきましょう。
青汁でビタミンB12は効率的に摂取可能か
先ほど、ビタミンB12を食事から吸収できない時はサプリメント等で代用することを提案しましたが、サプリメントの代わりに青汁はどうでしょうか。
結論から話しますと、青汁はあまり効果的でありません。
商品によってあえてビタミンB12を添加しているものもありますので、一概に言えませんが、青汁の主原料となる緑黄色野菜にはほとんどビタミンB12が含まれていないため、ミックスビタミンのサプリメント等で他のビタミンと一緒に摂取した方が効果的にビタミンB12を摂取することが期待できます。
ビタミンB12は肉や魚に含まれているので、規則正しくバランスの取れた食生活を心がけていれば問題ないと言われています。