【リチウムの効果】生活に必要不可欠!知られざる役割を解剖

すいへーりーべぼくのふね、、、

中学校の頃に覚えた元素記号の周期表。
水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素と続いていきます。

その元素記号の3番目に登場する「リチウム」。
もしかしたら、この周期表で初めて知った人もいるかもしれません。

そんな「リチウム」とはそもそも何か。
どんな歴史があり、役割を担っているのか。そして、リチウム実は体に必要な栄養素でもあります。

今回はそんなリチウムについて話していきたいと思います。

リチウムとは

リチウムは原子番号3、元素記号は Li のアルカリ金属元素の1つです。

白銀色の軟らかい元素で、すべての金属元素の中でもっとも軽く、比熱容量は全固体元素中でもっとも高いという特徴があります。

リチウムは陶器やガラスの添加剤、光学ガラス、電池など幅広く用いられ、私たちの生活を支えています。リチウム電池と言ったら、高校の化学の授業で学んだことを覚えている人も多いでしょう。

そんなリチウムですが、体内でも多くの役割をになっており、治療薬としても注目されています。

リチウムの歴史

リチウムの効果や役割を話す前にリチウムの歴史をまとめてみました。

1800年ごろ、ストックホルムにあるウーデ島の鉱山で、ブラジルの学者がペタライト(葉長石)を発見しました。このペタライトをスウェーデンの学者、J・アルフェドソンが調べたところからリチウムの歴史は始まります。

後に分かったことですが、ペタライトの主成分はLiAlSi4O10です。
アルフェドソンがこのペタライトにはシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)以外にもアルカリ金属が含まれていると考え、多くの実験を経て、アルカリ成分が含まれていることを発見しました。

その元素はナトリウムやカリウムに似た性質で、同族のナトリウムが動物の血液などに含まれ、カリウムが植物の灰から発見されたこととは異なり、鉱石から発見されたことから、ギリシャ語で石を意味するLithosに因んでリチウム(Lithium)と名付けられました。

その後、様々な研究が行われ、現在は電池や医薬品としての役割が多いようです。

電池としてのリチウム役割

リチウムを電池に用いた代表例は、ボタン型などの小型のものが多いリチウム電池や、充電が可能な電池として各種の電源に用いられるリチウムイオン電池です。

電池としてリチウムが使われるにはいくつか理由があります。
金属元素のうち、イオン化傾向が最大で、負極に使うと高い電位差が得られるだけではなく、最も軽い金属でもあるので、重量あたりの電力用量が大きい点でも有利だからです。また、自己放電が少なく、寿命が長いことから、水銀、カドミウム、鉛を使わないので環境にも優しいことも強みだと言われています。

特に上記の強みを活かして、心臓ペースメーカの発展に大きく貢献したとも言われています。

ペースメーカーの話が出たところで、リチウムの医療での役割もまとめてみました。

リチウムの効果効能・体内における作用や役割

医療業界でのリチウムの役割を話す前に、まだまだ研究中の内容も多いのですが、リチウムは体内でも様々な働きに関わっています。
ここでは体内でのリチウムの役割をまとめてみました。

電気刺激の伝達

細かなことまでは判明していませんが、リチウムはナトリウムやカリウムといった体内の電解質に作用し、電気刺激の伝達に関わっていると言われています。
体内のリチウム濃度とカルシウム濃度には正の関係があるとも言われており、体内の反応に関わる物質としても注目されています。

脳内の化学反応

リチウムは神経伝達物質をはじめとする脳内の化学機構にも作用すると言われています。
それらの作用が期待され、リチウムはうつ病の治療薬にも用いられていますが、細かな作用機序などは判明しておらず、現在も多くの研究が行われています。

医薬品としてのリチウム情報

現在、炭酸リチウムとしてうつ病(躁病)の治療薬として使用されています。

躁病とは、気分が高ぶっている状態(躁状態)が続き、異常に元気な状態が続くことです。元気だけではなく、やたらに怒りっぽい、寝なくても元気、よくしゃべるなどの症状が複数現れることが多いと言われています。

炭酸リチウムには躁病の症状を和らげる作用があり、詳しい作用機序はまだ完全に解明されていませんが、複合的に中枢神経に作用し感情の高まりや行動を抑え気分を安定化する作用があるためだと考えられています。

また、炭酸リチウムは躁病だけでなく、抗うつ薬と併用することにより抗うつ薬の効果を高める作用をあらわし、うつ病などにも使用する場合もあります。

炭酸リチウムの歴史は古く、1949年にオーストラリアの医師が炭酸リチウムの躁病への有効性を学会に報告し、精神医学に始めて導入されました。しかし、同時期に心臓病の治療に食塩の代替え物質として塩化リチウムが使用された結果、いくつかの死亡例が報告されてしました。
当時はリチウムは体内に蓄積し、心臓病患者にとっては有害であることは知られておらず、リチウム自体が体に有害だと認識されてしまいました。その結果、炭酸リチウムが躁病へ有効だという考えは無視されてしまいました。

しかし、1969年にこの考えが見直され、精神障害の治療に安全にしかも効果的に使用する方法が臨床的に検討され、アメリカの食料・医薬品局がリチウムを精神科の治療薬として認識しました。

現在も作用機序を含め、多くの研究が行われています。
今後研究が進むことで、躁病だけではなく、別の疾患の治療薬として用いられるかもしれません。

リチウムは生活に不可欠な元素

リチウムについてまとめてみましたがいかがでしたか。

周期表の3番目の元素。ということしか知らなかった方も多かったのではないでしょうか。
初めは鉱石から発見され、未知の病を治す可能性を秘めたリチウム。

これから更なる研究が進み、より必要不可欠な元素になっていくでしょう。

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