【美肌効果も抜群】毎日のみそ汁習慣で健康長寿
いつの時代にも健康に良い食べ物は私たち現代人の永遠のテーマとなっているのではないでしょうか。
そのなかでも日本食は海外でも健康食として有名で、セレブや美容家からも進んで取り入れられています。
そこで今回は日本食の代表格ともいえるみそ汁に注目してみました。
実はみそ汁は効率よく栄養素が摂れる万能献立で、戦国武将からも健康食品として重宝されています。
コロナ対策にも、生活習慣病予防にも効果的なみそ汁の秘密について興味がある方は是非読んでみてください。
味噌に含まれる万能な栄養素とは
「医者の味噌殺し」という言葉があるのはご存知でしょうか?
発酵食品である味噌は栄養価が高く、さまざまな健康効果があるため、昔から日本人に食されています。
まず主原料である大豆には植物性たんぱく質が非常に豊富。
植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べて、動脈硬化などのリスクが少なく体内のアミノ酸濃度を長時間に渡って高く保持してくれます。
その他にも味噌にはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維など数多くの栄養素が含まれています。
味噌に含まれる脂肪酸エチルはがんにも効果あり
現在、日本の死因第1位である癌。
がんで死亡する人は4人に1人の割合になっています。
味噌の大豆に含まれる「フラボノイド」や麹菌、酵母菌などが癌を抑える効果があることがここ数年で次々と明らかになりました。
実際に、国立がんセンター研究所の故・平山 雄博士らによる13年にも及ぶ研究では、毎日を飲んでいる人は飲んでいない人に比べて胃がんになる死亡率が低いことが発表されています。
その他にも厚生労働省研究班の調査では味噌や豆腐などの大豆製品が乳がん予防にも効果的ということがわかっています。
味噌を発酵する過程では「脂肪酸エチル」という成分が生成され、この脂肪酸エチルがフラボノイドとの相乗効果でがん予防に大いに活躍してくれます。
なにげない毎日の習慣が、私たちをがんから守ってくれるのは耳より情報ですね。
実は塩分も控えめ?!
さまざまな味噌が販売されていますが、近年では「塩分控えめ」タイプの味噌も人気を集めています。
高血圧の方にとって毎日飲むのなら、なおさら塩分は気になりますよね。
ご安心ください。実は味噌に含まれる塩分は、食卓塩と違って血圧が上がらないことが実証されているのです。
安心して今日から毎日みそ汁習慣をはじめましょう。
長生きみそ汁で免疫力アップ
栄養満点なみそ汁ですが、少し工夫して摂取するとさらに健康効果を高めることができます。
それが今回ご紹介する「長生きみそ汁」です。
長生きみそ汁の作り方
赤みそ80g、白みそ80g、すりおろした玉ねぎ1個にりんご酢大さじ1を配合したものでミキサーやフードプロセッサーなどがあれば自宅で簡単につくれます。
作るのが面倒な方は、すでにこれらの材料がミックスされたボトルタイプがマルコメから発売されているのでチェックしてみましょう。
液みそで溶かす手間がかからないので、みそ汁も簡単に作れますよ。
健康みそ汁の健康効果
健康みそ汁は栄養素が万能に含まれるため、健康や美容など多岐に渡って嬉しい効果が期待できます。
そこで健康みそ汁にはどのような効果があるのか下記でまとめてみました。
血糖値の上昇を緩やかにする
健康みそ汁に配合される赤みそには「メラノイジン」という成分が豊富。
このメラノイジンには糖の吸収スピードを抑え、食後の血糖値上昇を緩やかにしてくれる作用があります。
またりんご酢に含まれる「酢酸」にも血糖値を抑える効果が認められています。
さらに効果を高めたい方は、食物繊維が豊富な具材をたっぷり入れて食事の最初に健康味噌汁を摂取するのがおすすめ。
「ベジファースト」と呼ばれる食べ順で、食物繊維→タンパク質→脂質→糖質の順番で食事を摂取することにより血糖値の上昇を抑えることができます。
疲労回復
赤味噌に含まれる「アルギニン」は免疫力を高め疲労回復効果があります。
白味噌にもストレスを軽減してくれる「GABA」が含まれており、赤味噌と白味噌の両方に含まれるビタミンB12は神経の疲労回復を促してくれます。
また玉ねぎには疲労回復に効くビタミンB1の吸収をサポートしてくれる「硫化アリル」が豊富に含まれ、りんご酢に含まれているクエン酸は疲労の元となる乳酸の生成を抑えます。
なぜか疲れたときに飲みたくなるみそ汁。長生き味噌汁でより効果的に体を癒してあげましょう。
便秘解消
発酵食品である味噌は乳酸菌を多く含んでいるため、単体でも便秘解消にも効果的。
とくに白みそはスプーン1杯分でヨーグルト100gと同量の乳酸菌を含み、赤味噌に含まれる「メラノイジン」は腸内を刺激して便通を促してくれます。
また長生きみそ汁はさらにフラクトオリゴ糖を多く含む玉ねぎを配合しています。
フラクトオリゴ糖から作られる酪酸菌は芽胞と呼ばれる外殻があるため、胃酸に溶けることなく大腸まで届きます。
さらに善玉菌のエサとなり他の有益菌が育ちやすい環境をつくってくれるため、効率良く腸内環境を整えてくれるのです。
便秘が気になる方は、さらに食物繊維が豊富なキノコやひじき、メカブ、レンコンなどの具材を入れてみましょう。
ダイエット効果
長生きみそ汁はダイエット中に不足しやすくなるタンパク質も効率良く摂取できるため、美しくシェイプアップ効果が期待できます。
食後の血糖値の急上昇により、中性脂肪を溜め込んでしまうことが肥満の大きな原因。
血糖値の急上昇を抑えてくれる長生きみそ汁は、毎日飲むことでこのようなリスクも回避してくれます。
また長生きみそ汁に含まれる乳酸菌やオリゴ糖で善玉菌が効率よく増えると、腸内環境が改善します。
腸内環境が改善すると体に余分な脂肪や有害物質が溜まりにくくなり、ぽっこりお腹にも嬉しい効果が期待できますよ。
血行促進
長生きみそ汁に含まれる玉ねぎの血液をサラサラにする効果は、野菜の中で断トツ。
その秘密は「ケルセチン」と「アリシン」いう成分にあり、血管を強化し血栓予防に効果的といわれています。
実際に玉ねぎを毎日食べている人は食べていない人に比べて血管年齢が10歳以上若いということも研究データも報告されています。
また赤みそと白みその両方には血流改善効果のあるビタミンEが豊富に含まれています。
さらにリンゴ酢に豊富ぬ含まれるアミノ酸は悪玉コレステロールを抑え、血液がドロドロになるのを防いでくれます。
美肌効果
味噌に含まれるビタミン群や乳酸菌は美肌効果にも欠かせません。
また味噌の大豆には美肌ホルモンといわれる「エストロゲン」の働きをサポートする大豆イソフラボンが含まれます。
そのため、ハリや弾力、保湿力アップが期待できます。
さらに長生きみそ汁の材料、リンゴ酢に含まれる「リンゴポリフェノール」の抗酸化力で若々しさをサポートしてくれます。
玉ねぎの血液サラサラ効果や、長生きみそ汁の腸内改善効果がプラスされると美肌に良いのは間違いありませんね。
リラックス効果
味噌には幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」の分泌を促す必須アミノ酸やビタミン群が豊富に含まれています。
白みそに含まれるGABAはストレスを軽減する作用も認められています。
また赤味噌と白味噌には質の良い眠りに欠かせない「メラトニン」を作り出してくれる「トリプトファン」が多く含まれるため、寝つきが悪い方におすすめですよ。
更年期障害予防
味噌に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと構造が似ているため、同じような働きをしてくれることで有名です。
また赤みそに含まれる「メラノイジン」白みそに含まれる「GABA」、玉ねぎに含まれる「ケルセチン」などは自律神経の乱れにも有効に働いてくれます。
更年期の女性には積極的に長生きみそ汁を摂取しましょう。
味噌の選び方
長生きみそ汁に使う味噌はどのような味噌を選べば良いのでしょうか?
以下で赤味噌と白味噌の違いから順番に解説します。
赤味噌と白味噌の違い
赤みそと白みその大きな違いは熟成期間。
熟成期間は長ければ長い程、塩分濃度が高く、味も塩辛くなります。
赤味噌は白味噌に比べて熟成期間が長く、原料を高温で蒸しているため発酵の際に起こる「メイナード反応」が強くなります。
メイナード反応とは、原料に含まれるアミノ酸と糖が反応し褐色に変化する現象のこと。
赤味噌の濃い色もこのメイナード反応によるものなのです。
対して白味噌は熟成期間が短く、原料を煮ているためメイナード反応が少なくなります。
そのため甘みが強く、淡色に仕上がるのです。
原料は赤味噌、白味噌ともに米や麦、大豆を使用したものがありますが、基本的には自分の好みの味噌を使用して良いそうです。
大豆イソフラボンや植物性タンパク質を意識したい方は、大豆から作られた豆味噌を使用した方がよいかもしれませんね。
麦みそには食物繊維やミネラルが多く含まれるので便通やむくみが気になる方は取り入れてみましょう。
合わせ味噌でもいいの?
両方の味噌を買いそろえるのは、コスパを考えると面倒なものですよね。
そこで疑問に思うのが、合わせ味噌ではいけないのかということ。
長生きみそ汁は基本的に赤味噌と白味噌は同じ分量でなければなりません。
合わせ味噌の種類によっては、配合の割合が記載されていないものもあります。
また赤味噌同士の合わせ味噌をあるので、赤味噌と白味噌の配合分量がはっきりしないものは適しているとはいえないでしょう。
冷凍保存で味噌玉を作っておけば1人分でも簡単
製氷器に作った長生き味噌汁を流し込んで冷凍保存しておけば、お湯を注ぐだけで食べたい分だけ簡単にいつでも飲めます。
12個分の製氷器でつくった場合、1人分は1~2個の味噌玉が妥当といえるでしょう。
製氷器に余裕がない方は、100均などで売られている製氷皿でも充分活用できます。
そのままでも充分美味しい長生きみそ汁ですが、普段からダシをとって味噌汁を作っている方は干ししいたけや鰹節などでとったダシ汁をお湯代わりに注ぐと「グルタミン酸」や「イノシン酸」、「グアニル酸」などのうまみ成分が合わさり、グンと味を引き立ててくれますよ。
冷凍保存した味噌玉は、なるべく2週間程度を目安に使いきるようにしましょう。
乳酸菌を最大限に活かしたいなら加熱は50℃前後
味噌の乳酸菌は50℃、酵母は70℃前後まで温度が上がると死滅してしまいます。
熱々のみそ汁でも発酵による健康効果がなくなるわけではありませんが、生きた乳酸菌の効果を実感したいなら加熱は50℃前後にしておきましょう。
まずは1日1回みそ汁習慣を試してみよう
みそ汁は、健康だけではなく美容食としても素晴らしいパワーを発揮します。
まずは1日1回のみそ汁習慣を実践してみましょう。
トマトやマッシュルーム、納豆、パクチーなどの具材も意外に合うので是非試してみてください。
参考文献
小林 弘幸.『医者が考案した長生きみそ汁』:株式会社アスコム,2018年,122p.9784776209959