青汁を飲んで葉酸を摂り入れよう!葉酸の健康効果を紹介

葉酸は妊婦さんにとって大事なビタミン。このようなイメージが強いと思います。たしかに、葉酸は赤ちゃんの発育に不可欠な栄養素なので、妊娠を考えている型や妊娠の可能性がある方は、他の大人よりも多くの葉酸を摂取することが勧められています。だからといって、妊婦さん以外の方は葉酸を摂らなくていいというわけではありません。

葉酸はサプリメントとして摂るのが一般的ですが、実は青汁には含まれていることをご存じでしたか?この記事では、葉酸はどのような働きがある栄養素なのか、葉酸が不足するとどうなるのか、効率のよい青汁の摂り方などについてご紹介します。

青汁に葉酸って含まれているの?

青汁は葉酸を含んでいます。これは、青汁の原料であるケールや大麦若葉が葉酸を含んでいるからです。文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によりますと、生のケール葉は100gあたり120μgの葉酸が含まれています(1)。

「第6次改定日本人の栄養所要量」によれば、葉酸の推定平均必要量は、成人が200μg、妊婦さんが400μgとされています(2)。この量を達成するために生のケール葉は200~400gを食べるのは量的にも味的にも難しいと思いますので、青汁として摂るのがよいでしょう。

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によりますと、ケールを原料とした青汁には100gあたり820μgの葉酸が含まれています(1)。また、株式会社ファンケルの公開資料によりますと、「1日分のケール青汁」には1本10gあたり80μgの葉酸が含まれています(3)。

大麦若葉にも葉酸が含まれています。たとえば、山本漢方製薬株式会社が公表している大麦若葉の栄養成分表によれば、大麦若葉粉末3gあたり12μgの葉酸が含まれています(4)。100gあたりに換算すると400μgの葉酸が含まれることになります。このことから、葉酸の含有量は大麦若葉を原料とした青汁に比べてケールを原料とした青汁の方が多いと考えられます。

ひとくちに青汁といっても原料や製法が違うので製品によって葉酸の含有量は様々ですが、青汁でも葉酸を摂れることがわかります。

葉酸=妊活だけじゃない!葉酸の効果とは?

葉酸と聞くと妊婦に欠かせない栄養素というイメージが強いと思います。たしかに「第6次改定日本人の栄養所要量」にも、妊婦さんは、その他の成人にくらべて2倍もの葉酸を摂るように記載されているように、葉酸は妊婦さんにとって大事な栄養素ですが、妊婦でない方にとっても大事な栄養素なのです。

葉酸が妊活に必要な理由

受精した後、赤ちゃんは日々成長していきます。その過程で、のちのち脳や脊椎などになっていく神経管という器官ができてきます。神経管がうまくできないことを神経管閉鎖障害と呼び、無脳症や二分脊椎といった異常につながります。赤ちゃんを授かる前後に葉酸のサプリメントを摂っておくと神経管閉鎖障害のリスクが抑えられることが報告されています(2)。これが、妊婦さんは葉酸を摂るようにすすめられる理由です。

神経管は受精してから28日までに行われるので、検査薬などで妊娠を知る以前のできごとです。そのため、葉酸の摂取は、妊娠が判明してからではなく、妊娠を計画している、妊娠の可能性がある時期から始めるほうがよいでしょう。

DNAやRNAの合成に必須

私たちの体はタンパク質でできています。数えきれない数のタンパク質が体の中で機能することで生命活動を続けています。このタンパク質の設計図になるのがDNAです。また、DNAを元にタンパク質を作る過程にRNAが関わっています。そのため、DNAやRNAが適切に作られないと細胞がうまく機能しないことになります。

葉酸はこれらDNAやRNAの合成に欠かせないのです。葉酸が欠乏すると、DNAやRNAの合成が抑えられることが原因で、前述したように赤ちゃんの成長が妨げられたり、この後述べるように貧血を引き起こしたり、動脈硬化の原因になります。このように葉酸は私たちにとって大事な栄養素です。

葉酸が不足したときの身体への影響

葉酸が私たちの生命活動に必須のDNAやRNAの合成に関わっていることをご紹介しました。では次に、葉酸が欠乏すると実際にどのような症状が出るのかご紹介します。

神経管閉鎖障害

繰り返しになりますが、葉酸の欠乏は赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを高めます。これは、神経管ができ、しっかり閉鎖されるまで、細胞の増殖がとても活発だからです。細胞が増殖するためにDNAやRNAがたくさん必要ですが、葉酸が欠乏するとDNAやRNAが不足してしまいます。神経管閉鎖障害のリスクを抑えるために葉酸を摂ることが必要です。

巨赤芽球性貧血

血液の中には白血球や赤血球、血小板といった色々な種類の細胞が存在しています。これらの細胞は、造血幹細胞という1種類の細胞から派生したものです。赤血球は、造血幹細胞→前赤芽球→赤芽球→赤血球という順番で成長(正しくは“分化”という)していきます。

葉酸は「前赤芽球→赤芽球」の過程にて関わっており、葉酸が不足すると赤芽球が成熟できなくなります。うまく成熟できなかった赤芽球は巨赤芽球と呼ばれる細胞となり、赤血球ができなくなるため、貧血になります。そのため、葉酸の欠乏が継続した時に現れる貧血は巨赤芽球貧血と呼ばれています。このように葉酸は巨赤芽球貧血を予防するために必要な栄養素です。

ちなみに、ビタミンB12も「前赤芽球→赤芽球」の過程に必須の栄養素のため、ビタミンB12の欠乏も巨赤芽球貧血を引き起こします。

動脈硬化

アミノ酸のメチオニンと呼ばれる物資は、体の中でホモシステインという物質になり、その後リサイクルされて再びメチオニンとして存在しています。その際、ホモシステインからメチオニンに戻す過程に葉酸が関わっています。

葉酸の欠乏によりホモシステインからメチオニンへの代謝が悪くなるため、体内でホモシステインが増加します。実際に、男性142名を対象とした試験で、血液中のホモシステイン濃度が多い方は、血液中の葉酸濃度が低いことが報告されています(5)。

このホモシステインという物質は、動脈硬化と関係があります。ホモシステインは、血液中の悪玉コレステロールと結合します。これを免疫細胞の一種であるマクロファージという細胞が食べると、血管壁にベタベタくっつきはじめます。

この反応が雪だるま式にどんどん進むと、血管が分厚くなると、動脈硬化を起こします。実際に、心臓の周囲を取り囲んでいる血管に動脈硬化が見つかった患者さんは、ホモシステイン濃度が高かったと報告されています(6)。

これらのことから、葉酸は動脈硬化を予防するために重要な栄養素であることが分かります。

また、葉酸が欠乏した高ホモシステイン血症の方に葉酸を3か月間投与すると血液中のホモシステイン濃度だけでなく炎症の指標となるCRPや悪玉コレステロール値も下がったことから、血中ホモシステイン値が高い方に葉酸を補充すると炎症を抑える効果と脂質改善効果が期待できるとした報告もあります(7)。

葉酸が含まれる食材って何?

葉酸は1941年、乳酸菌の増殖を活発にする因子として、ホウレンソウの葉から発見されたので、葉酸を含む食材としてはホウレンソウが代表的です。その後、多くの食材に葉酸が含まれることが分かってきています。どんな食材が葉酸を多く含むのか、野菜・きのこ類、海藻類、豆類、果物類に分けて、見ていきましょう。表示した値は食材100gあたりに含まれる葉酸の量です。(参考資料:日本食品標準成分表2015年版(七訂)(1))

野菜・きのこ類

  • えだまめ:320 μg(茹でると260 μg)
  • モロヘイヤ:250 μg(茹でると67 μg)
  • 干し椎茸:240 μg(茹でると44 μg)
  • パセリ:220 μg
  • ほうれん草:210 μg(茹でると110 μg)
  • アスパラガス:190 μg(茹でると180 μg)

海藻類

  • 焼きのり:1,900 μg
  • 味付けのり:1,600 μg
  • わかめ(乾燥):440 μg
  • 青のり(乾燥):260 μg
  • 昆布(乾燥):170 μg
  • ひじき(乾燥):84 μg

豆類

  • きなこ:250 μg
  • 大豆(乾燥):230 μg
  • 小豆(乾燥):130 μg
  • 納豆:120 μg
  • そら豆:120 μg
  • 豆乳:28 μg

果物類

  • ライチ:100 μg
  • イチゴ:90 μg
  • アボカド:84 μg
  • マンゴ:84 μg
  • パパイヤ:44 μg
  • サクランボ:38 μg

この集計表から、色々な食材が葉酸を含んでおり、海藻類、特に焼きのりや味付けのりは葉酸を豊富に含んでいることがわかります。これらの食材をうまく組み合わせて食事に取り入れることで葉酸を摂取することができます。ところが、食材からの葉酸の吸収率は100%ではない点には注意が必要です。

葉酸には、いくつかタイプがあります。食材に含まれているのはポリグルタミン型というタイプです。ポリグルタミン型葉酸は胃や腸で代謝されてモノグルタミン型葉酸という別のタイプの葉酸になります。このモノグルタミン型葉酸が腸から吸収されて、体内で利用されます。これまでの研究から、食事から摂取した葉酸の利用率は21~85%と報告されています(8-10)。

一方、サプリメントに含まれる葉酸はモノグルタミン型のため、表示されている量のすべてを利用できます。青汁はケールや大麦若葉などの天然の食材を使って作られるので、ポリグルタミン型とモノグルタミン型の両方が含まれています。そのため、すべての葉酸を利用できるわけではありません。葉酸と様々な栄養素を同時に摂るために葉酸を含有しているが添加された青汁を活用するのもよいでしょう。

葉酸を効率よく取り入れる青汁の飲み方

葉酸は水に溶けやすく熱に弱いという性質を持っています。先ほど紹介した、葉酸を多く含む食材リストで野菜・きのこ類を見るとわかるように、茹でると葉酸の含量が大きく減ることがわかります。特に、モロヘイヤや干ししいたけの葉酸含有量は著しく減ります。

葉酸を摂る目的で食材を選ぶのであれば、お湯で茹でるのではなく、電子レンジで調理するなど工夫が必要です。とは言え、干ししいたけを電子レンジで調理して頂くというのは難しいかもしれません。干ししいたけで出汁をとってそれを全部頂くことで、干ししいたけの葉酸を効率よく摂ることができます。ただし、熱のかけすぎには注意しましょう。

毎日の食事に取り入れやすい食材としては、焼きのり・味付けのりや、きなこ、フルーツでしょうか。ごはんが主食という方は、焼きのりをプラスしてみましょう。食後のデザートとして、きなこやフルーツをトッピングしたヨーグルトなども、葉酸を摂取する手軽な方法でしょう。

このように、葉酸を摂るための食材や食事は多くの組み合わせが考えられますが、忙しい毎日の中で葉酸の量を気にしながら食材を選んだり食事を作ったりすることが難しいという方もいらっしゃるのはないでしょうか。そのような方は、青汁を飲むことをオススメします。

この記事の冒頭で紹介したように、青汁にも葉酸が含まれています。ケールを材料とした青汁の場合、1回分で80μgを摂取できる商品もあります。成人の葉酸摂取推奨量は240μgなので、1日3回の食事に青汁をプラスするだけで目標の値をクリアできます。

まとめ

葉酸は体内の様々な反応に関わっています。葉酸が不足すると、赤ちゃんの生育が妨げられたり、巨赤芽球貧血、動脈硬化などの症状を引き起こす場合があります。葉酸を多く含む食品としては、焼きのりや味付けのり、きなこなどが挙げられます。これらの食品を毎日の食事に取り入れることで葉酸の摂取量を増やすことができますが、水に溶けやすかったり、熱に弱いなど効率よく摂取するには注意が必要です。

もっと手軽に葉酸を摂りたいという方は青汁がオススメです。葉酸の減量であるケールや大麦若葉は葉酸が含まれており、最近は吸収率の高いモノグルタミン型の葉酸を配合した青汁も登場してきています。こういった青汁を毎度の食事にプラスして葉酸を効率よく摂取してみてはいかがでしょうか。

参考文献

(1)日本食品標準成分表2015年版(七訂):文部科学省
(2)第6次改定日本人の栄養所要量:厚生労働省
(3)粉末青汁をリニューアル(2018年10月18日発表):株式会社ファンケル
(4)大麦若葉の栄養成分表 :山本漢方製薬株式会社
(5)荒木 理沙, 丸山 千寿子, 山口 玲奈, 木村 正儀, 若年成人男性における血漿ホモシステイン濃度と血清葉酸,ビタミンB12濃度および食品群別食物摂取頻度の関連, 日本栄養・食糧学会誌, 2012, 65 巻, 4 号, p. 145-153
(6)小堀 裕一, 田中 信大, 松 岡  治, 相 川  大, 進藤 直久, 小林 秀行, 寺本 智彦, 高沢 謙二, 山 科  章, 田中 信夫, 日本人における血清ホモシステイン値の冠動脈硬化に及ぼす影響, J Cardiol 2004 May; 43(5): 223 – 229
(7)松村 憲太郎, 澳本 定一, 井下 謙司, 高ホモシステイン血症に対する葉酸・ビタミンB12補充療法の血管内皮機能改善効果, 心臓, 2017, 49 巻, 9 号, p. 912-922
(8)Tamura T, Stokstad EL. The availability of food folate in man. Br J Haematol. 1973 Oct;25(4):513-32.
(9)Konings EJ, Troost FJ, Castenmiller JJ, Roomans HH, Van Den Brandt PA, Saris WH. Intestinal absorption of different types of folate in healthy subjects with an ileostomy. Br J Nutr. 2002 Sep;88(3):235-42.(10)Sauberlich HE, Kretsch MJ, Skala JH, Johnson HL, Taylor PC. Folate requirement and metabolism in nonpregnant women. Am J Clin Nutr. 1987 Dec;46(6):1016-28.

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