沖縄のスタミナ野菜ゴーヤと青汁の相性は?ゴーヤの効能と副作用とは

5月8日は何の日かご存知でしょうか。

世界赤十字デー、ヨーロッパ戦勝記念日など色々ありますが、有名なのは「ゴーヤーの日」ではないでしょうか。
由来はゴー(5)ヤー(8)のゴロから来ているものであり、また5月からゴーヤーの出荷が増えることから制定されております。実際日本一の生産量を誇る沖縄県では5月のゴールデンウイークあたりから旬の時期を迎えます。

夏が旬であり、夏野菜を代表するゴーヤ。
季節の野菜を摂取することは大切であり、今では沖縄料理を扱うお店も多く、手軽に食べることができます。しかし、あの苦味が好きという人もいれば、苦手でどうしても食べれないという人もいるかと思います。

栄養があることは知ってるので、そんなゴーヤを青汁で手軽に摂取できないか考える人も多いはず。ゴーヤ青汁としていくつか商品が発売されていますが、青汁とゴーヤの相性やそもそもゴーヤとはどういう野菜なのかについて触れていきたいと思います。

沖縄のスタミナ野菜「ゴーヤ」とは

ゴーヤーは沖縄の方言での呼び名であり、和名は「苦瓜」です。地域によって「ゴーヤ」、「レイシ」、「つるれいし」など様々な呼び名があり、沖縄人の言葉では、語尾を延ばすことが多いので、苦瓜は「ゴーヤー」と発音されます。沖縄料理ブームの影響もあり、今では「苦瓜」でも「つるれいし」でもなく、「ゴーヤー」または「ゴーヤ」が広く流通しています。

ブームのお陰もあり、沖縄原産のイメージが強いかもしれませんが、原産国はインドなどの熱帯アジアになります。15世紀ごろにアジアから中国へ渡り、16世紀末ごろ中国から琉球王国(現在の沖縄県)へ、そして17世紀ごろ琉球から日本に伝わったと言われています。

琉球王国時代の書物「琉球国由来記」(1713年)に、「苦瓜」の名称が記されていることから、その頃にはすでに琉球国に存在していたと考えられております。沖縄県や九州の南の地域で食べられていましたが、1993年に沖縄県の果物や野菜が県外に出荷されるようになり、沖縄料理ブームもあって「ゴーヤー」の名称と共に全国に普及していきました。

「ゴーヤ」の由来は、中国語の「苦瓜(クーグア)」からという説、あるいは英語で「ヒョウタン」を意味する「Gourd(ゴード)」からという説もあります。

夏野菜として有名なゴーヤですが、旬である食べ頃は5月から8月にかけてになります。残暑が長引くと、9月初旬まで旬の味を楽しむことができます。5月頃に出回るのは、一足先に梅雨明けした沖縄産のゴーヤーが中心になります。7月頃は関東圏の農家が栽培したゴーヤーも流通しています。沖縄意外にも九州や関東でもゴーヤは栽培されています。

食べるなら栄養が豊富で新鮮なゴーヤを食べたいと思います。スーパー等で選ぶ際ですが、持った時にずしりと重みを感じるものを選ぶと良いでしょう。色は濃く鮮やかなものが良く、イボの大きさが統一で、傷などがついておらず、ハリのあるしっかりしているものがベストになります。新鮮なゴーヤは栄養満点だが、その分苦味も増しますが、その苦味が栄養が豊富な証拠になります。

ゴーヤの特徴と栄養成分とは

夏野菜としてスタミナ料理に使われることが多いゴーヤですが、実際の栄養はどれくらい含まれているか見ていきましょう。

(ゴーヤ100gに含まれる成分、生で通年の平均)

エネルギー:17 kcal
たんぱく質:1.0 g
ナトリウム:1 mg
カリウム:260 mg
カルシウム:14 mg
鉄:0.4 mg(1日に必要な栄養素の約10%)
ビタミンC:76 mg(1日に必要な栄養素の約70%)
食物繊維:2.6 g(1日に必要な栄養素の約15%)

参考文献:文部科学省 食品成分データベース

様々な栄養が含まれていますが、特に注目したいのがビタミンCです。約レモン4個分のビタミンCを含んでいることになり、野菜の中ではトップクラスの含有量になります。

またカリウムや食物繊維も豊富に含んでおり、全体的にもバランスのとれた野菜と言えるでしょう。

青汁にも含まれるゴーヤに期待できる効果・効能

栄養バランスの取れたゴーヤに含まれる成分を詳しくみていきましょう。

ビタミンC

ビタミンC(L-アスコルビン酸)は1753年に英国海軍医師リンドによって、壊血病予防因子として発見され、医学的にもとても重要な栄養素になります。
また、犬や牛は自分でビタミンCをつくれますが、人やサル、モルモットなどはビタミンCをつくれないので、健康のために必ず食事から摂る必要があります。

体の中で様々な働きをするビタミンC、主なものをあげますと「コラーゲンをつくる」「免疫力を高める」「ステロイドホルモンをつくる」「鉄の吸収を促進する」「メラニン色素の生成を抑制する」などがあります。

特に有名な作用は「抗酸化作用」と呼ばれる、体のサビ取りがあります。
呼吸で摂り入れた酸素は一部体内で活性酸素という物質に変わり、その強い酸化力で体内のウィルスを撃退する役割を果たすのですが、活性酸素がたくさん増えると、DNAやタンパク質を傷つけ、細胞の機能を低下させ、癌や動脈硬化、脳卒中、糖尿病などの原因となることがわかっております。ビタミンCの抗酸化作用はこの活性酸素を除去する役割があります。

また、美容にもビタミンCは必須な栄養素です。
美肌のもとである、コラーゲンを作るのにビタミンCは必須であり、ビタミンCが不足してしまうと正常なコラーゲンを作ることができなくなり、肌荒れの原因となります。また、紫外線など日焼けで肌が刺激されると、メラニンが肌に溜まってしまいシミの原因となります。ビタミンCはこのメラニンの生成を抑制する働きがあるので、シミの防止として重要な役割を果たしております。

カリウム

カリウムとナトリウムはともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持しているほか、栄養素の吸収・輸送、筋肉の収縮、神経の情報伝達など身体の状態を正常に保つために様々なことに関与しています。

また、体内の水分バランスを維持し、血圧を調節しています。ナトリウムやカリウムを過剰に摂ったり不足すると、このバラ数が崩れ血圧が上がったり、むくみを生じたりします。

身体のむくみが気になる方は水分を控えるだけではなく、体内の水分バランスを見直し、余分な水分を体外に出すことを意識してみるといいでしょう。

食物繊維

食物繊維は便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの身体への作用が明らかになっています。
現在ではほとんどの日本人に不足している栄養素で、積極的に摂取することが厚生労働省からも勧められます。

特に整腸効果はとても重要で、食べ物から得られる栄養素のほどんは小腸・大腸から吸収されるので、腸の状態が良いことは他の栄養素の吸収に大きな影響を与えます。
いかに栄養豊富な食材やサプリメントを摂ったとしても、腸がそれらを吸収できる状況でないと意味がありません。しっかり栄養を摂っているはずなのに、身体の調子が良くないなと思う方は一度腸の調子を整えてみてはいかがでしょうか。

ゴーヤには食物繊維、とくに不溶性食物繊維が豊富に含まれているので、気になる方はゴーヤを積極的に摂ってみると良いかもしれません。

モモルデシン

ゴーヤの苦みの正体は「モモルデシン」という成分が含まれているためです。モモルデシンは数種類のサポニンと20種類のアミノ酸で構成されている栄養成分です。

働きとしては主に「胃腸の状態を整え、食が進むようになる」「傷ついた胃腸の粘膜を守る」「血糖値・血圧を下げる」などと言った効果があると言われています。

特に夏場など、食欲が低下する時期に胃腸を刺激し食欲や体調を整えるのにぴったりな夏バテ防止の野菜と言えるでしょう。

ゴーヤの副作用や注意すべき点とは

ゴーヤに含まれる栄養素について紹介しましたが、ゴーヤを食べた時の副作用や体に悪い食べ合わせなどあるのでしょうか。

結論から申し上げますと、ゴーヤに含まれている栄養素や食べ合わせで特に気をつける必要があるものはありません。
ただ、食べ過ぎには注意が必要になります。

胃腸が弱い方

苦味や酸味が美味しいゴーヤですが、これらは体にとって刺激です。
刺激物を食べると体調が悪くなる人や、そもそも胃腸が弱いと感じている人は食べ過ぎには注意しましょう。人によっては腹痛、胃痛、下痢等の症状が発生するといわれています。

冷え性の方

沖縄などの暖かい気候で暮らす人には最高な野菜なのですが、冷え性の方など冷えの悩みがある方は食べ過ぎに注意が必要です。ゴーヤには体を冷やす働きがあるので、冷え性の方はねぎ、生姜、唐辛子などの体を温めるといわれている食材と併せて食べるといいでしょう。

ゴーヤのよくある質問

夏バテ対策に最高なゴーヤですが、調理方法やより効果的な食べ合わせなどよくある質問をまとめてみました。

ゴーヤって効果ありますか。

他の野菜と比較してもビタミンCや食物繊維が豊富に含まれているゴーヤは、野菜からしっかり栄養を摂りたい!という方にオススメな食材です。
特に夏など食欲が低下しがちな時期には積極的に旬のゴーヤが出回わるのでぜひ、手にとってみてください。

おすすめの調理方法や食べ合わせは

ゴーヤの豊富な効能や効果をもっと効果的に摂取したい人が多いと思います。ゴーヤは熱に強いビタミンCなども豊富ですので、色々な料理にアレンジすることで、健康や美肌効果にもっと栄養を多く摂取することが期待できます。

ゴーヤ+豚肉

沖縄料理でもゴーヤと豚肉の組み合わせは多く、ゴーヤと相性抜群の食材として挙げられるのが豚肉です。豚肉にはビタミンB2やビタミンB6といった成分が多く含まれており、ゴーヤに含まれているビタミンCと一緒に摂ることで特に美容効果が期待できます。
また、豚肉には疲労回復効果も高いですので夏場の疲れた体をしっかりと、回復させてくれます。夏バテ防止のゴーヤと一緒に夏場一緒に食べておきたい組み合わせです。

ゴーヤ+緑黄色野菜

栄養は豊富なのが特徴なゴーヤや淡色野菜になります。しかし、やはり緑黄色野菜と比べてしまうと栄養バランスでは劣ってしまいます。そこで、緑黄色野菜と一緒にゴーヤを食べることで、栄養バランスがより高まり、さらに効果を高めることが期待できます。

ゴーヤ+豆腐

豆腐に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのバランスをしっかりとコントロールして整えてくれますので、ニキビや肌荒れといった肌トラブルに効果があります。ゴーヤと一緒に食べることで、ビタミンCと一緒に摂取でき美肌効果も期待できます。
沖縄料理を代表するゴーヤチャンプルもこの組み合わせになりますので、沖縄料理を食べる際は積極的に頼んでみてはいかがでしょうか。

結局、ゴーヤが含まれる青汁をあえて選ぶメリットはあるのか

結論から申し上げますと、あえて選ぶ必要はないと思います。
ゴーヤが含まれている青汁は少なく、他にも様々な機能に特化した素晴らしい青汁があるためです。また、ゴーヤが含まれているものではないとダメということは一切ありません。
ただ、どうしても季節の野菜を摂取したい、ゴーヤのあの苦味が苦手という人は、夏のシーズンだけゴーヤの配合量の多い青汁を摂取してみてはいかがでしょうか。

青汁にすることで、ゴーヤ独特の苦味がないもく飲みやすくなっているものが多くなっています。

また、熱を加え調理してしまうと他の野菜と比べると栄養価は下がりにくいのですが、どうしてもビタミンCやビタミンB群の栄養価が下がってしまいます。なので、青汁としてあえて選択する場合、非加熱処理の青汁を選ばないとゴーヤの本来の栄養素が得られない可能性があるので注意が必要になります。

まとめ

沖縄料理を代表する栄養満点な夏バテ防止のゴーヤ。
栄養バランスを考え、目的に合わせてゴーヤを摂ってみてはいかがでしょうか。

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