摂りすぎには注意が必要!青汁に含まれるほうれん草の特徴と副作用とは

栄養満点!ほうれん草とは

「ほうれん草を食べるとポパイのように強くなれるよ!」
1960年代に人気だったアニメ、『不二家の時間』に登場したキャラクターである『ポパイ』の大好物がほうれん草でした。当時の親や大人の合い言葉になるくらい、ほうれん草は身体にいい、という概念がポパイによって日本中に浸透していました。

そのイメージが浸透したお陰で、今ではどのスーパーでもほうれん草を売っており、飲食店ではほうれん草のお浸し、ほうれん草のベーコン炒めなど人気メニューが並んでいます。

そもそも、ほうれん草の原産地はペルシャ地方とされ、日本には江戸時代の初め頃に伝わったと言われています。漢字だと「菠薐草」、「法蓮草」、「鳳蓮草」などいくつもの表記があります。「菠薐(ほうれん)」は昔のペルシャ(現在のイラン)の地域を指す言葉になります。「報連相」ではないんですね。

また、普段見慣れているほうれん草ですが、実は品種によって味が異なります。
・東洋種:シルクロードを通じ、中国へ伝わったもの。葉の切れ込みが深くとがった形をしています。アクが少なく、お浸しにしてもおいしいのが特徴です。
・西洋種:ヨーロッパへ伝わったもの。葉は切れ込みがなく丸みを帯びていて、少し厚みがある。アクが強くソテーなどして、魚肉料理の付け合せに向いています。
現在市場に出回っているほうれん草は上記の交雑種で、両方の良いところを残しています。

国内では、都心に近い千葉県、埼玉県、群馬県で多く栽培されています。3県に神奈川県を加えた4県では全国生産量の約3分の1を占めています。関東地方以外でもほうれん草は栽培され、一年中市場に出回っていますが、ほうれん草の旬は11〜1月の冬であり、この時期は色も濃く、栄養価も高く甘味があるのが特徴になります。

URL:野菜情報サイト 野菜ナビ

ほうれん草の栄養成分とは

ポパイの強さの秘訣でもあり、一年中食べることができるほうれん草にはどんな栄養成分が含まれているのでしょうか。

実はほうれん草は、野菜の中で鉄分が最も多く、鉄分の吸収を助けるビタミンCも豊富に含まれています。その他にも、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2などビタミン類も多く、さらに葉酸、食物繊維も豊富なので、非常に栄養価の高い野菜と言われています。

(ほうれん草100gに含まれる成分、生で通年の平均)
エネルギー:20 kcal
たんぱく質:2.2 g
ナトリウム:16 mg
カリウム:690 mg
カルシウム:49 mg(1日に必要な栄養素の約10%)
鉄:2.0 mg(1日に必要な栄養素の約30%)
β-カロテン:4,200 μg(1日に必要な栄養素の約40%)
ビタミンK:270μg
ビタミンB1:0.11 mg(1日に必要な栄養素の約10%)
ビタミンB2:0.20 mg(1日に必要な栄養素の約20%)
ビタミンC:35 mg(1日に必要な栄養素の約40%)
ナイアシン:0.6 mg(1日に必要な栄養素の約5%)
葉酸:210 μg(1日に必要な栄養素の約100%)

URL:文部科学省 食品成分データベース

ほうれん草にも旬があるとお伝えしましたが、収穫時期により味だけではなく栄養素の量も異なります。
例えば、旬の12月に採れたほうれん草だとビタミンCは60 mg、旬でない9月などに採れたものは20mgと、含有量が約3倍も異なります。
また、茹でたほうれん草にはビタミンCが69 mg含まれていますが、ビタミンCは熱に弱いので長時間茹でることは避けましょう。

ほうれん草に期待できる効果・効能って?

ほうれん草には多くの栄養素が含まれていることが分かったかと思いますので、それぞれの栄養素が私たちの身体にどう良いのか説明していきます。

鉄は、赤血球の成分として、血液中で酸素を全身の送り届ける働きがあります。酸素が不足すると身体の機能低下、肌のハリなどを失うことにも繋がっていきます。

また、栄養素として鉄が不足すると、貧血の要因になるだけでなく、月経前後の体調悪化を引き起こしたり、疲れやすくなったりすることもあります。鉄は吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCを含む食品や、肉類と一緒に食べることで、吸収率がアップします。ほうれん草にはビタミンCも含まれているので、他の食材と比べるとより鉄の吸収率も高いと言われています。

普段から貧血気味や月経前後で体調を崩しやすい人は鉄を意識して摂ってみるといいでしょう。

ビタミンK

ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子(血液凝固因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)を活性化する働きがあります。
また、骨の健康維持にも不可欠で、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成を促します。このため、医薬品としてビタミンKは骨粗しょう症の治療薬としても使われています。
さらに、動脈が石灰化しないようにしていたりと、全身様々な健康に役立っています。

ビタミンC

ビタミンCの働きは、先ほどお伝えした鉄の吸収率アップだけでなく、コラーゲンの合成をサポートしたり、メラニンの沈着を防いで、しみを防いだりと幅広く、美肌効果も期待できます。
抗酸化作用があることも知られており、老化予防にも期待がされています。

ストレスを多く感じる環境下では普段よりもビタミンCを消費することが知られているので、ストレスを感じやすい、感じる環境にいる人は積極的にビタミンCを摂ることを意識してみるといいでしょう。

また、冬の旬に収穫されたものは、夏に比べて、栄養価や糖度が上がることが知られ、ビタミンCの含有量は約3倍になります。

βーカロテン

βーカロテンは、プロビタミンAともいわれ、体内でビタミンAに変わります。皮膚や粘膜の形成に関わるので、肌の乾燥を防ぐためにも不足しないようにしたい栄養素です。ビタミンCと同じく抗酸化作用があるほか、免疫を整える働きもあります。

また、目の健康に必要な物質を構成する成分になるので、視力の維持など目の健康を維持するためにも必要な栄養素です。

冬のほうれん草に含まれるβーカロテンは、夏に比べて約2倍多いという報告もされているので、旬の時期には積極的に摂りましょう。

葉酸

葉酸は、ビタミンB群の一種です。細胞が新しく生まれるのをサポートする働きがあります。妊娠のごく初期に不足すると、胎児の神経管への障害のリスクが高まることが知られています。妊娠の可能性がある方は、日頃から意識して摂取するといいでしょう。

葉酸は、正常な赤血球をつくる働きもあるので、貧血の予防にも重要な栄養素です。最近の研究では、動脈硬化の予防にも重要な役割を果たすことがわかってきました。

飲みすぎには注意が必要!摂り過ぎで逆効果!

身体に良い栄養素がたくさん含まれているほうれん草ですが、摂り過ぎや飲み合わせにも注意が必要になりますのでご注意ください。

鉄、ビタミンC

鉄分やビタミンCを多く摂り過ぎると胃や腸が刺激され、便秘や胃腸障害などを起こすことがあります。

普段からお腹が弱いと感じている人は一度に大量の摂取は控えましょう。また、コーヒーや緑茶に含まれているカフェインは鉄分の吸収率を低下させる働きを持っています。鉄分の摂取を目的としてほうれん草を食べる際にはコーヒーや緑茶は食べ合わせが悪いので注意が必要です。

URL:小林製薬 「ファイチ」 に関するQ&A

ビタミンK

ビタミンK自体の摂り過ぎで何かあるということは報告されていないのですが、ビタミンKは血を固める物質をつくるときに働くビタミンなので、血液をさらさらにする成分を含んだワーファリンなどを飲んでいる方はビタミンKを多く含む食品は控えましょう。

血圧が高め、動脈硬化を過去経験して、薬を飲んでいる人は一度医者・薬剤師に相談してみましょう。ほうれん草は食べてないから大丈夫というわけではなく、青汁などにもほうれん草が使われていることも多いので、注意しましょう。

URL:北海道薬剤師会 薬の飲み合わせ

シュウ酸

ほうれん草に含まれる成分で、シュウ酸は水に溶けやすいので茹でることでアクに溶け出し、その後水で洗うことでほうれん草からシュウ酸を取り除くことができます。

シュウ酸の摂り過ぎで起きるもので有名なものは「尿路結石」という尿道に石が詰まり、激痛に襲われるという病気があります。男性に起きるイメージの強い尿路結石ですが、女性でもなる可能性もあり、注意が必要になります。
尿路結石の原因であるシュウ酸カルシウムという成分の約70%が食事由来と言われており、予防のためにはシュウ酸を多く含む食品の過剰摂取を控えること、調理方法を工夫することがとても大事になります。

また、以前はカルシウムと一緒に摂ると良くないと言われておりましたが、最近の研究でカルシウムも合わせて摂ることで、シュウ酸の対外への排出を促すと言われており、食べ合わせも工夫してみるといいでしょう。

URL:公益財団法人 日本医療機能評価機構 Mindsガイドラインライブラリ

ほうれん草のよくある質問

栄養抜群のほうれん草ですが、調理用法や摂るのにベストなタイミングなどよくある質問をまとめてみました。

ほうれん草って効果ありますか

多くの栄養素がバランスよくしっかりと含まれているので、野菜からしっかり栄養を摂りたい!という方にオススメな食材です。
特にほうれん草は旬や調理方法により、栄養素の量が数倍も異なるので、時期を考え、適切な調理方法を選ぶといいでしょう。

ほうれん草を摂るのにベストなタイミングとは

時期としては旬の11月〜1月に収穫されたほうれん草を積極的に摂ることをオススメします。また1日の中でいつ食べたら良いかといいますと、いつでも大丈夫です。
栄養バランス等優れているほうれん草なので、食事の副菜として活躍してくれるでしょう。

おすすめの調理方法は

ほうれん草や茹でたり、炒めたりとどの調理方法でも美味しく食べれる食材ですが、それぞれメリット・デメリットがあるので紹介していきます。それぞれの特徴を理解して自分にあった調理方法を選んでみるといいと思います。

炒める

炒めることにより、油と一緒に摂ることで、β-カロテンなのでの脂溶性ビタミンの吸収率がアップします。ゆでる調理に比べて、水溶性のビタミンの損失は少なくなるのも特徴です。
デメリットとしてシュウ酸が残ってしまうということ。シュウ酸は「尿路結石」の原因にもなり、えぐみや酸味のもとにもなります。

茹でる

茹でることにより、アクとしてシュウ酸を取り除くことができます。また、茹でることで茎よりもミネラルなどの栄養が多く含まれている根の部分も食べやすくなります。
デメリットとして水溶性のビタミンが溶け出してしまいます。茹でる時間、水にさらす時間を最小限に手早くすることを意識してみましょう。

結局、青汁にほうれん草が含まれているものを選ぶべきなのか

ほうれん草に含まれている栄養素や、食べ方など紹介していきましたが、生で食べるとなると調理の手間や量を気にされている方もいらっしゃるかと思います。そんな方にオススメなのが青汁になります。

昔とある青汁メーカーのCMで、「まずい!もう一杯!」という一言から青汁は体にいいがまずい!というイメージがあるかもしれません。
最近の青汁は野菜にもこだわり、果物なども含まれているものもあり、とても飲みやすくなっています。

また、生の野菜じゃないのに栄養をしっかり取ることができるのか。どの野菜が含まれているものを選べば良いのか。などと疑問があるかと思います。

今までお話したように様々な栄養素をバランスよく求める方、栄養素を手軽に摂取したい場合、ほうれん草の入った青汁の選択はオススメです。

ただ、配合量によって、ほうれん草の栄養素がどのくらい貢献するか選ぶ青汁によります。しっかりパッケージなどを確認して、それぞれの野菜がどれだけの量が配合されているかが明記された青汁を選択しましょう。

ほうれん草には他の野菜では摂取しづらい鉄分やビタミンKが豊富に含まれており、青汁で手軽に摂取できるならば、入ってないより入ってるものの方が期待できる相乗効果は高いと言えるでしょう。

まとめ

これから冬に向けて旬となる栄養満点なほうれん草。
食べ方をひと工夫するだけで、より効率的に栄養を摂ることができます。
季節柄体調を崩しやすくなってきますので、積極的にほうれん草を摂ってみてはいかがでしょうか。

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