【ビタミンB6の効果効能】多く含む食品・摂取量基準・研究情報について

炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトニュートリエント。これらは7大栄養素とよばれ、人の成長や健康維持には欠かせない栄養素です。

その中でもビタミンは身体の生理機能の重要な役割をになっていますが、人は体内で生成することができず食事から摂る必要があります。

今回はそんなビタミンB6について、ビタミンB6の役割、どれくらい毎日摂れば良いのかなどについて話していきたいと思います。

ビタミンB6とは

ビタミンB6は水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB6の活性を持つ6つの化合物の総称名でもあります。アルコール型のピリドキシン、アルデヒド型のピリドキサール、アミノ基をもつピリドキサミンと、それぞれに対応する5′-リン酸エステル型があります。

1934年にイギリスの学者であるGyoergyが、すでに発見されていたビタミンB1、B2を添加したビタミン欠乏食でラットを飼育するとペラグラ様皮膚炎を発症する事を発見し、この抗皮膚炎因子をビタミンB6(この時すでにB1からB5までが埋まっていました)と呼ぶようになりました。1938年には米ぬかや酵母からビタミンB6塩酸塩の結晶化が世界5カ国で同時に相次いで報告され、1939年には構造が明らかとなりピリドキシンと呼ぶように提唱されました。

ビタミンB6の誘導体であるピリドキサール5′-リン酸(PLP)は、主にタンパク質の代謝に関わる100を超える補酵素にとって不可欠な栄養素です。

ビタミンB6の効果効能・体内における作用や役割

そんなビタミンB6の体内での作用や役割をまとめてみました。
ビタミンB6は主にアミノ酸代謝における補酵素として働いています。

免疫機能

体内の免疫機能で重要な役割をになっている、リンパ球の細胞分裂時に、インターロイキン2という物質の生産時にビタミンB6が補酵素として働いています。

赤血球のヘモグロビンの合成

全身に酸素を届けるために赤血球の働き、特に赤血球中の血色素(ヘモグロビン)は非常に重要です。ヘモグロビンの主成分は鉄分と蛋白質です。

蛋白質の再合成する際にアミノ酸が不足している場合にはビタミンB6の補酵素として働きます。ビタミンB6が不足し、ヘモグロビンの生成が妨げられると貧血を引き起こしやすくなります。

神経伝達物質の合成

心を落ち着かせる働きがあると言われるセロトニン、ノルアドレナリン、ギャバ(GABA)などの体内での合成時にも補酵素として働いています。
ビタミンB6不足になるとこれらの物質が合成されず、イライラの原因になってしまうとも言われています。

ビタミンB6はどういった時、意識して摂取するべきか

ビタミンB6は水溶性ビタミンであり、体内で合成・蓄えることができません。毎日きちんと摂取し続けることを意識することが大切になります。
特にどういった時に意識すべきかをまとめてみました。

精神的に疲れが溜まっている方

ビタミンB6は神経伝達物質の合成において重要な役割をになっているため、ビタミンB6不足はそのまま心の状態にも影響するといわれています。

最近ではうつ病と葉酸やビタミンB群不足に関する研究も世界中で行われています。カナダの研究では、食物からのビタミンB6摂取量が多い女性と、ビタミンB12摂取量が多い男性は、うつ病の発症リスクが低いとの報告があります。

参考文献
L Gougeon, H Payette, J A Morais, P Gaudreau, B Shatenstein, K Gray-Donald.Intakes of folate, vitamin B6 and B12 and risk of depression in community-dwelling older adults: the Quebec Longitudinal Study on Nutrition and Aging.Eur J Clin Nutr
. 2016 Mar;70(3):380-5.

妊娠中の方

妊娠中は特に普段よりしっかり食事・栄養を摂る必要があります。ビタミンでは特に葉酸やビタミンD、ビタミンB6などを積極的に摂ることが重要になります。
赤ちゃんにも重要な栄養素ですが、つわりの軽減にもビタミンB6が効果的とも言われています。

サプリメントでの摂取

普段の食生活を気をつけていれば、サプリメント等で敢えてビタミンB6を摂取する必要はないと言われているため、ビタミンB6に特化したサプリメントを摂っている人は多くないかと思います。それよりも複数のビタミンがまとめて摂取できるミックスビタミンなどを摂るケースが多いと思います。

日本製の複合ビタミン剤の場合、ビタミンB6を含んでいるケースが多く、適正量で1日に必要な量を摂取できる物が多くなっています。
ビタミンB6は体に蓄積することができないため、食事などから定期的な摂取が必要となります。また、過剰に摂取した際、過剰症や中毒を引き起こしてしまう可能性もあるので、大量摂取には気をつけましょう。

ビタミンB6の欠乏症(症状/対策)

体にとってとても重要なビタミンB6ですが、不足してしまうとどうなってしまうのでしょうか。
そもそも、ビタミンB6は多くの食品に含まれているため、摂取不足による欠乏症が起こることは、重度の栄養障害の場合以外では稀だと言われています。しかし、長期にわたる過度なダイエットや食事制限によって、食事からビタミンB6が取り除かれてしまうと欠乏症が起こることがあります。

症状

成人の場合は、ビタミンB6欠乏症は皮膚炎や、赤く油っぽいうろこ状の発疹が起こることが報告されています。手足がしびれて、ピンや針で刺されるようなチクチクした感覚が生じることもあり、舌がヒリヒリして赤くなり、口の端にひび割れができることがあります。
また、錯乱、易怒性、抑うつが生じる場合やけいれん発作が起こることも報告されています。
乳児では稀にビタミンB6欠乏症によるけいれん発作が起こることがあります。こうした乳児のけいれん発作に対する治療では、抗てんかん薬が効かないことがあると言われています。

また、ビタミンB6は赤血球のヘモグロビンの形成に必要なため、欠乏症になると貧血を起こすこともあります。

原因

先ほども述べましたが、ビタミンB6は多くの食品に含まれているため、摂取不足による欠乏症が起こることは、重度の栄養障害の場合以外ではまれです。
食事制限以外では、ビタミンB6欠乏症の原因は以下があげられています。

  • 食物の吸収障害(胃や腸などで吸収不良を引き起こす病気)
  • アルコール依存症
  • 血液透析中に起こるビタミンB6の過度の喪失
  • 体内のビタミンB6を消費する薬剤の使用

このような作用をもつ薬には、抗てんかん薬、抗菌薬のイソニアジド、降圧薬のヒドララジン、コルチコステロイド、関節リウマチやウィルソン病などの治療に使用されるペニシラミンなどがあります。

また、ビタミンB6欠乏症は、重度のタンパク質とカロリー欠乏症の人によくみられると言われれています。そもそもそれら欠乏症がみられる人は、ビタミンB6の摂取が不足していることが多いと言われています。

治療

ビタミンB6欠乏症の治療では、基本的にビタミンB6のサプリメントでの投与が行われます。また、根本的に別の理由がある場合はそちらの治療を行いつつ、ビタミンB6の投与が行われます。

ビタミンB6の過剰症(症状/対策)

一方、食事や定期的なサプリメントでのビタミンB6摂取ではビタミンB6の過剰症は起こりにくいと言われています。
しかし、手根管症候群、月経前症候群といった病気に対して、非常に高用量のビタミンB6が処方されるなど、何かしらの理由でビタミンB6過剰症(中毒)になるケースが報告されています。

症状

ビタミンB6過剰症になると、神経障害が起こることや、足や脚に痛みやしびれが生じます。位置覚と言った自分の腕や脚がどこにあるかが分からなかったり、振動を感じられない場合もあり、歩行が困難になるケースもあります。

治療

ビタミンB6過剰症の治療としては、ビタミンB6サプリメントの使用を中止します。回復には時間がかかることがあり、ある程度の歩行困難が持続することがあるので、リハビリが必要になります。

ビタミンB6の研究情報

体に必要なビタミンB6ですが、現在でも多くの研究が行われていますので、その一部を紹介します。

心血管疾患

米国看護師健康調査に参加した80,082人の女性集団による大規模前向き研究で、マルチビタミン(ビタミンB6を含む)サプリメントの使用が、偶発的な冠動脈疾患リスクを24%低下させたと報告がありました。食物およびサプリメントからのビタミンB6摂取量が最も多い五分位(中央値で4.6mg/日)の女性は、最も少ない五分位(中央値で1.1mg/日)の女性に比べて、冠動脈疾患リスクが34%低くなったと報告されています。

罰の研究では、40,000人超の中年の日本人集団を11年半追跡した前向き研究で、サプリメントを使用しない者の中でビタミンB6摂取量が最も多い五分位(平均で1.6mg/日)は、最も少ない五分位(平均で1.3mg/日)に比べて心筋梗塞リスクが48%低かったことが報告されています。

参考文献
Rimm EB, Willett WC, Hu FB, et al. Folate and vitamin B6 from diet and supplements in relation to risk of coronary heart disease among women. JAMA. 1998;279(5):359-364. 

Ishihara J, Iso H, Inoue M, et al. Intake of folate, vitamin B6 and vitamin B12 and the risk of CHD: the Japan Public Health Center-Based Prospective Study Cohort I. J Am Coll Nutr. 2008;27(1):127-136.

ホモシステイン濃度との関係性

血中のホモシステイン濃度が少し高いだけでも、心不全、冠動脈疾患、心筋梗塞、および脳血管性の発作(脳卒中)を含む心血管疾患のリスク上昇と関連があると報告されています。
ホモシステインの代謝には、葉酸、ビタミンB12、およびビタミンB6という少なくとも3つのビタミンBの栄養状態が影響されるため、ビタミンB6摂取が重要となります。

高ホモシステイン血症や血管性障害のある被験者による多くの無作為化対照試験は、葉酸を単体もしくはビタミンB6やビタミンB12と一緒に補給すると、空腹時血漿ホモシステイン濃度を効果的に下げることができるかもしれないと多くの研究で報告されています。
あるメタ解析に最近含まれた19の介入研究では、ビタミンB補給の後の血中ホモシステイン濃度は、治験前の濃度に比べて7.6%~51.7%の範囲で低下したと報告されています。しかし、ビタミンB6のみを補給した研究では、空腹時ホモシステイン濃度に効果を示さなかったと報告されています。

参考文献
Huang T, Chen Y, Yang B, Yang J, Wahlqvist ML, Li D. Meta-analysis of B vitamin supplementation on plasma homocysteine, cardiovascular and all-cause mortality. Clin Nutr. 2012;31(4):448-454. 

Bosy-Westphal A, Holzapfel A, Czech N, Muller MJ. Plasma folate but not vitamin B(12) or homocysteine concentrations are reduced after short-term vitamin B(6) supplementation. Ann Nutr Metab. 2001;45(6):255-258. 

Lee BJ, Huang MC, Chung LJ, et al. Folic acid and vitamin B12 are more effective than vitamin B6 in lowering fasting plasma homocysteine concentration in patients with coronary artery disease. Eur J Clin Nutr. 2004;58(3):481-487.

炎症関係

上記、ホモシステイン濃度とは違うメカニズムで、ビタミンB6の栄養状態が悪いと心血管疾患のリスクが高くなるかもしれないことが、多くの研究結果から示唆されています。

米国における2003~2004年全国健康栄養調査へ参加した2,686人に対する炎症マーカーの解析で、血清CRP濃度がビタミンB6の食品およびサプリメントからの全摂取量に逆相関することが示されました。特に、血清CRP濃度が高炎症活性に相当する10mg/L超になるリスクは、ビタミンB6摂取が2mg/日に満たない者では摂取が5mg/日以上の者に比べて57%高かったと報告されています。

さらに、ビタミンB6摂取が5mg/日に満たないでビタミンB6の栄養状態が不適切な者の割合は、血清CRP濃度が高い(10mg/L超)者の方が低い(3mg/L以下)者に対して体系的に高く、このことは炎症がビタミンB6の代謝を損なう可能性があることを示唆していると言われています。

参考文献
Morris MS, Sakakeeny L, Jacques PF, Picciano MF, Selhub J. Vitamin B-6 intake is inversely related to, and the requirement is affected by, inflammation status. J Nutr. 2010;140(1):103-110. 

Sakakeeny L, Roubenoff R, Obin M, et al. Plasma pyridoxal-5-phosphate is inversely associated with systemic markers of inflammation in a population of US adults. J Nutr. 2012;142(7):1280-1285.

認知機能低下とアルツハイマー病

多くの研究で、葉酸、ビタミンB12、およびビタミンB6の栄養状態が不適切な場合、年配者の認知機能低下やアルツハイマー病になる確率が高いと示唆され続けています。しかし、年配者の間で高ホモシステイン血症の有病率が高いことや全身性炎症の徴候があることの両方のために、ビタミンBと加齢における認知機能の健全性との関係は複雑であり、現在も研究が進められています。

認知障害のあるまたはない2,695人の脳卒中経験者による最近の無作為化二重盲検プラセボ対照研究で、2mgの葉酸、0.5mgのビタミンB12、および25mgのビタミンB6を毎日3、4年間補給したら、プラセボに比べて平均ホモシステイン濃度が認知障害のない患者で28%、認知障害のある患者で43%大きく下がったと報告されています。しかしビタミンBによる介入は、新規に認知障害と診断される症例の発生率や認知行動能力の測定値に関して、プラセボに比べて何の効果もなかったとも報告され、追加での研究が必要とされています。

参考文献
Selhub J, Bagley LC, Miller J, Rosenberg IH. B vitamins, homocysteine, and neurocognitive function in the elderly. Am J Clin Nutr. 2000;71(2):614S-620S. 

Pawelec G, Goldeck D, Derhovanessian E. Inflammation, ageing and chronic disease. Curr Opin Immunol. 2014;29C:23-28. 

Hankey GJ, Ford AH, Yi Q, et al. Effect of B vitamins and lowering homocysteine on cognitive impairment in patients with previous stroke or transient ischemic attack: a prespecified secondary analysis of a randomized, placebo-controlled trial and meta-analysis. Stroke. 2013;44(8):2232-2239.

うつ病

うつ病の症状とビタミンB6の低栄養状態の関係性が、いくつかの横断的研究で報告されています。
シカゴ健康加齢プロジェクトに参加した自由生活を送る3,503人の65歳以上の人々の前向き研究では、ビタミンB6の食事およびサプリメントによる全摂取量は、平均7.2年の追跡期間のうつ病的症状の発生と逆相関があったと報告されています。
別の研究では、最近脳卒中を経験した563人による無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、毎日2mgの葉酸、0.5mgのビタミンB12、および25mgのビタミンB6を補給すると、平均7.1年間の追跡期間中に主なうつ病エピソードの発症リスクが半分になったと報告されています。このリスク低下は、対照群に比べて補給群の患者の血漿ホモシステイン濃度が25%低いことと関連していおり、うつ病リスクが高い年配者の日常的な管理にビタミンBも含めるかどうかを評価するさらなる研究が必要と言われています。

参考文献
Merete C, Falcon LM, Tucker KL. Vitamin B6 is associated with depressive symptomatology in Massachusetts elders. J Am Coll Nutr. 2008;27(3):421-427. 

Pan WH, Chang YP, Yeh WT, et al. Co-occurrence of anemia, marginal vitamin B6, and folate status and depressive symptoms in older adults. J Geriatr Psychiatry Neurol. 2012;25(3):170-178. 

Skarupski KA, Tangney C, Li H, Ouyang B, Evans DA, Morris MC. Longitudinal association of vitamin B-6, folate, and vitamin B-12 with depressive symptoms among older adults over time. Am J Clin Nutr. 2010;92(2):330-335. 

Almeida OP, Marsh K, Alfonso H, Flicker L, Davis TM, Hankey GJ. B-vitamins reduce the long-term risk of depression after stroke: The VITATOPS-DEP trial. Ann Neurol. 2010;68(4):503-510.

ビタミンB6を摂取に気をつけるべき人(薬の飲み合わせ等)

一部、薬との飲み合わせに注意が必要なケースがあるので紹介します。

抗てんかん薬

一部の抗てんかん薬(バルプロ酸、カルバマゼピン、フェニトイン)は、ビタミンB6の代謝過程において、異化代謝の割合を増大させるため、低血漿ピリドキサールリン酸濃度と高ホモシステイン血症を引き起こすことが報告されています。
また、ビタミンB6と一緒に摂取すると抗てんかん薬のフェニトイン・フェノバルビタールの代謝を促進することでそれら薬剤の効果自体を約45%減弱させるという報告があります。

参考文献
Bender DA. Non-nutritional uses of vitamin B6. Br J Nutr 1999;81:7-20.

Clayton PT. B6-responsive disorders: a model of vitamin dependency. J Inherit Metab Dis 2006;29:317-26. 

Apeland T, Froyland ES, Kristensen O, Strandjord RE, Mansoor MA. Drug-induced pertubation of the aminothiol redox-status in patients with epilepsy: improvement by B-vitamins. Epilepsy Res 2008;82:1-6. 

Hansson O, Sillanpaa M. Letter: Pyridoxine and serum concentration of phenytoin and phenobarbitone. Lancet 1976;1:256.

サイクロセリン

サイクロセリンは、結核の治療に用いる広域スペクトル抗生物質です。ビタミンB6(ピリドキサールリン酸)とサイクロセリンを併用すると、ビタミンB6(ピリドキシン)の尿中排泄が増加し、けいれんと神経毒性が増悪する可能性があると報告されています。

一部紹介しましたが、これら薬剤を服用中の方は注意が必要です。
気になることがあれば、かかりつけの医療機関にて相談をしてみましょう。

ビタミンB6の1日摂取量の目安(年齢別)

ビタミンB6の効果について説明しましたが、1日どれくらいのビタミンB6を摂ればいいのでしょうか。厚生労働省が発表しています「日本人の食事摂取基準」というものを見ていきましょう。

ビタミンB6の食事摂取基準(mg/日)

  男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 推定平均必要量 推奨量
1~2(歳) 0.4 0.5 0.4 0.5
3~5(歳) 0.5 0.6 0.5 0.6
6~7(歳) 0.7 0.8 0.6 0.7
8~9(歳) 0.8 0.9 0.8 0.9
10~11(歳) 1.0 1.1 1.0 1.1
12~14(歳) 1.2 1.4 1.0 1.3
15~17(歳) 1.2 1.5 1.0 1.3
18~29(歳)  1.1 1.4 1.0 1.1
30~49(歳)  1.1 1.4 1.0 1.1
50~64(歳)  1.1 1.4 1.0 1.1
65~74(歳)  1.1 1.4 1.0 1.1
75~(歳) 1.1 1.4 1.0 1.1

参照:厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンB6を多く含む食品上位20位

ビタミンB6の効果や1日の必要量がわかったところで、具体的にどのような食品にビタミンB6が多く含まれるかを紹介します。

順位食品名成分量(mg/100g)
1とうがらし 果実(乾)3.81
2米ぬか3.27
3にんにく ガーリックパウダー2.32
4にんにく りん茎 油いため1.80
5にんにく りん茎 生1.53
6小麦はいが1.24
7ピスタチオ いり 味付け1.22
8こんにゃく 精粉1.20
9ひまわり フライ 味付け1.18
10かぶ 漬物 塩漬 葉1.10
11みなみまぐろ 赤身(生)1.08
12バナナ(乾)1.04
13じゃがいも 乾燥マッシュポテト1.01
14とうがらし 果実(生)1.00
15みなみまぐろ 脂身(生)1.00
16抹茶0.96
17酒かす0.94
18びんなが(生)0.94
19牛肉 肝臓(生)0.89
20牛肉 ビーフジャーキー0.85

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB6を多く含む野菜上位10位

次に野菜類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(mg/100g)
1とうがらし 果実(乾)3.81
2にんにく りん茎 油いため1.80
3にんにく りん茎(生)1.53
4かぶ 漬物 塩漬 葉1.10
5とうがらし 果実(生)1.00
6菊のり0.69
7トマピー 果実(生)0.56
8かぶ 漬物 ぬかみそ漬 根 皮むき0.42
9ししとう 果実 油いため0.40
10赤ピーマン 果実 油いため0.39

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB6を多く含む魚類/肉類上位10位

魚類/肉類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(mg/100g)
1みなみまぐろ 赤身(生)1.08
2みなみまぐろ 脂身(生)1.00
3びんなが(生)0.94
4牛肉 肝臓(生)0.89
5牛肉 ビーフジャーキー0.85
6くろまぐろ 赤身(生)0.85
7くろまぐろ 脂身(生)0.82
8豚肉 ヒレ 赤肉(焼)0.76
9めじまぐろ(生)0.73
10七面鳥 肉 皮なし(生)0.72

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB6を多く含む穀類上位10位

最後に穀類に特化し紹介します。

順位食品名成分量(mg/100g)
1米ぬか3.27
2小麦はいが1.24
3そば粉 表層粉0.76
4アマランサス 玄穀0.58
5玄米0.45
6そば粉 中層粉0.44
7とうもろこし コーンミール0.43
8とうもろこし 玄穀0.39
9そば米0.35
10小麦0.35

参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンB6はサプリメントで意識的に摂取すべきか

これまでビタミンB6の必要量や、含まれている食材について紹介してきましたが、そもそも私たちはきちんと必要なビタミンB6を毎日摂ることができているのでしょうか。

厚生労働省が発表している「平成30年国民健康・栄養調査報告」によると、ビタミンB6の平均摂取量は1.15 mgであり、目安量に届いています。

ビタミンB6は他のビタミンと比較しても、多くの食材に含まれており、規則的な食生活を心がけるていれば特に心配ないと言われています。
ただ、欠乏症の際にも述べましたが、長期にわたる過度なダイエットや食事制限によって、食事からビタミンB6が取り除かれてしまうと欠乏症が起こることがあるため、どうしても食事制限をしないといけない時などは、サプリメント等で代用することで欠乏症は防げると言われています。

ビタミンB6と合わせて摂取すると効果的な栄養素

ビタミンB6は主にアミノ酸代謝に大きな影響を与えているので、タンパク質やアミノ酸を多く摂取するときは意識的にビタミンB6が含まれる食材を一緒に摂取すると良いでしょう。

また、ビタミンB群はお互いに吸収や体内での働きをサポートし合っているので、他のビタミンも一緒に摂取できるとより効果的にビタミンB6が働いてくれると言われています。

青汁でビタミンB6は効率的に摂取可能か

先ほど、どうしても食事制限をしないといけない時などは、サプリメント等で代用することを提案しましたが、サプリメントの代わりに青汁はどうでしょうか。

結論から話しますと、青汁はあまり効果的でありません。
青汁に使われている緑黄色野菜にはそこまで多くのビタミンB6は含まれておらず、ミックスビタミンのサプリメント等で他のビタミンと一緒に摂取した方が効果的にビタミンB6を摂取することが期待できます。


ビタミンB6は多くの食材に含まれているので、規則正しくバランスの取れた食生活を心がけていれば問題ないと言われています。

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