ビタミン全種類の体内における効果・働き・過不足による副作用について

炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトニュートリエント。これらは7大栄養素と言い、人の成長や健康維持には欠かせない栄養素である。

その中でもビタミンは身体の生理機能の重要な役割をになっていますが、ビタミンの多くは体内で生成することができず食事から摂る必要があります。
そんなビタミンについてそれぞれの種類や体内での役割などをまとめて紹介していきます。

ビタミンの種類

ビタミンは大きく、その性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2つに分けることができます。

脂溶性ビタミンは文字通り水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。体の機能を正常に保つ働きをしていますが、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどがこの脂溶性ビタミンに分類されています。

一方、水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。このため体内の量が多くなり過ぎることはあまりないと考えられています。体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンCなどがこの水溶性ビタミンに分類されています。

基本的にはどのビタミンも体内で生成することができないので、食事等から摂取する必要があると言われています。

<脂溶性ビタミン>

ビタミンA

ビタミンAは、レチノイドといい、その化学構造式の末端構造により大きくレチノール(アルコール)、レチナール(アルデヒド)、レチノイン酸(カルボン酸)に分類されます。それぞれ体内での役割も異なります。
主に視物質の構成成分、粘膜・皮脂の維持、抗がん作用があると言われています。また、視力に関わっているというイメージは強いかと思いますが、皮膚に関しては美容成分として注目され現在も多くの研究が行われています。

ビタミンD

天然ビタミンD活性を要する化合物としては、キノコ類に含まれるビタミン D2(エルゴカルシフェロール)と魚肉及び魚類肝臓に含まれるビタミン D3(コレカルシフェロール)に分類されます。主にビタミンDは、カルシウムとリンの吸収を手伝って骨を丈夫にしたり、遺伝子の働きを調節したりしています。

ビタミンE

ビタミンEには、構造式の違いから4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールの合計8種類の同族体が知られ、クロマノール環のメチル基の数により、α-、β-、γ-及びδ-体に区別されています。
最初は妊娠時に必要な栄養素として注目されていました。しかしその後、ビタミンEのもつ強力な体のサビ取り効果(抗酸化作用)が注目されるようになり、今では若返りビタミンなどと呼ばれるようになっています。

ビタミンK

ビタミンKにも種類があり、ビタミンK1やビタミンK2などがあります。また、ビタミンKは脂溶性ビタミンでありますが、他の脂溶性ビタミンとは異なり、体には非常に少量しか貯蔵されておらず、定期的な食事からの摂取がないと急速に枯渇してしまいます。
名前の由来の通り、血液凝固に関与する必要な栄養素で、骨の形成にも関与することが知られています。

<水溶性ビタミン>

ビタミンB群

1911年に、東京帝国大学農学部教授で日本農芸化学会創設者の鈴木梅太郎博士により、米ぬか中に脚気と呼ばれる病気を予防する新規成分が存在することを示した世界最初の論文が東京化学会誌に掲載されました。

この時点では成分の本体は解明できておらず、論文中には「該有効成分を仮にアベリ酸(Aberisaure)と命名し、化学的性質の判明したる後、さらにこれを改正せんと欲す。」という記述があります。15年後のオランダでその結晶が分離でき25年後のアメリカで構造が決定されました。命名に関し、この物質の発見を鈴木博士と競ったC. Funk(ポーランド)の提唱した「Vitamin(e)」が採用され、この成分がビタミンB1と呼ばれるようになりました。

その後、同様に多くのビタミンが発見されたところ、かつて「水溶性B」と呼ばれていたビタミンBが、単一の化合物ではなく、多くの含窒素化合物であることが分かってきました。そこで、そこでこれらを「ビタミンB群」と呼び、そしてこれに属するものを 、順番にビタミンB1、B2と番号を付けて命名していったと言われています。

ただし、 ビタミンB3、B4、B5などは、一応報告されたものの、ビタミンと呼ぶには適さない物質であることが判明したため、現在では脱落しています。

ビタミンB1

ビタミン B1 の化学名はチアミンで、正式な化学名は、2〔3-[(4–アミノ-2-メチル-ピリミジン-5-イル)メチル]-4-メチル-チアゾール-5-イル〕エタノールです。主に糖質の代謝、神経機能維持に必要な栄養素です。

ビタミンB2

ビタミン B1 の化学名はリボフラビンで、正式な化学名は7,8-ジメチル-10〔(2R,3R,4S)–2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル)ベンゾ[g]プテリジン-2,4(3H,10H)-ディオンです。また、ビタミンB2(リボフラビン)は黄色〜橙色であり、ビタミンB2を多く含む食材の色の原因となっています。例えば、ごはんに混ぜる強化米の黄色もビタミンB2の色です。
ビタミンB2を強化した栄養ドリンクや栄養補助食品をとった後、尿が濃い黄色になることがありますが、これはビタミンB2の色によるもので、体内に吸収しきれなかったビタミンB2が尿に漏れ出しているためです。
ビタミンB2は糖質、脂質、アミノ酸の代謝に必要な栄養素です。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンはビタミンB3と呼ばれていたビタミンB群の仲間でナイアシンアミド(ニコチンアミド)とナイアシン(ニコチン酸)の総称です。 ナイアシン活性を有する主要な化合物は、ニコチン酸、ニコチンアミド、トリプトファンです。エネルギー代謝において重要な栄養素です。

ビタミンB6

ビタミン B6 活性を有する化合物として、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)があります。これらが体内でリン酸活性型になることで、アミノ酸の代謝にて重要な役割をにないます。ビタミンB6の誘導体であるピリドキサール5′-リン酸(PLP)は、主にタンパク質の代謝に関わる100を超える補酵素にとって不可欠な栄養素です。

ビタミンB12

ビタミン B12 は、コバルトを含有する化合物(コバミド)であり、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミン、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミンがあります。血液の形成、神経細胞の機能維持に必要な栄養素です。他の大半のビタミンと違い、ビタミンB12の場合は体内で消費される時まで、十分な量が主に肝臓に蓄えられています。大抵の場合、ビタミンB12を摂取しなくなったとしても、通常は約3~5年で体内に蓄えられている量が使い切られると言われています。

葉酸

葉酸の化学名はプテロイルモノグルタミン酸であり、血液形成に必要な栄養素であり、妊婦・授乳婦への摂取が推奨されています。
葉酸は、DNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオチド及びデオキシピリミジンヌクレオチドの合成に関与しているため、細胞の増殖と深い関係にあります。
また、大量に葉酸を摂取してしまうとビタミンB12欠乏症の診断が行われにくくなり、発見が遅れてしまう原因にもなってしまいますので、注意が必要と言われています。

パントテン酸

パントテン酸とは、ビタミンB群に含まれる物質で、化学名はD-(+)-N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル 1)-β-アラニン)です。かつて、ビタミンB5とも呼ばれていました。
パントテン酸は、体内の細胞中では補酵素 A(コエンザイム A、CoA)、アシル CoA、アシルキャリアたんぱく質(ACP)、4─ホスホパンテテインとして存在し、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー産生に不可欠な酵素を補助する役割など正常な活動を行うために必要不可欠な栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCの正式な化学名は、(R)-3.4-ジヒドロキシ-5〔-(S)-1,2-ジヒドロキシエチル〕フラン-2(5H)-オンです。主に鉄分の吸収、コラーゲンの生成に必要な栄養素です。

各ビタミンの推奨摂取量

ビタミンの種類について説明しましたが、それでは、それぞれのビタミンは毎日どれくらい摂ればいいのでしょうか。
厚生労働省が定期的に「日本人の食事摂取基準」というものを発表しており、その数字を見ていきましょう。

  性別 18~29(歳) 30~49(歳) 50~64(歳) 65~74(歳) 75~(歳)
ビタミンA
(μgRAE/日)
※推奨量
男性 600 650 650 600 550
女性 450 500 500 500 450
ビタミンD
(μg/日)
※目安量
男性 8.5 8.5 8.5 8.5 8.5
女性 8.5 8.5 8.5 8.5 8.5
ビタミンE
(μg/日)
※目安量
男性 6.0 6.0 7.0 7.0 6.0
女性 5.0 5.5 6.0 6.5 5.5
ビタミンK
(μg/日)
※目安量
男性 150 150 150 150 150
女性 150 150 150 150 150
ビタミンB1
(mg/日)
※推奨量
男性 1.4 1.4 1.3 1.3 1.2
女性 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8
ビタミンB2
(mg/日)
※推奨量
男性 1.3 1.3 1.2 1.2 1.1
女性 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9
ナイアシン
(mgNE/日)
※推奨量
男性 15 15 14 14 13
女性 9 10 9 9 9
ビタミンB6
(mg/日)
※推奨量
男性 1.4 1.4 1.4 1.4 1.4
女性 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
ビタミンB12
(μg/日)
※推奨量
男性 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4
女性 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4
葉酸
(μg/日)
※推奨量
男性 240 240 240 240 240
女性 240 240 240 240 240
パントテン酸
(mg/日)
※目安量
男性 5 5 6 6 6
女性 5 5 5 5 5
ビタミンC
(mg/日)
※推奨量
男性 100 100 100 100 100
女性 100 100 100 100 100

参照:厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)

各ビタミンの過剰症/欠乏症

それぞれのビタミンの推奨摂取量をまとめましたが、これらが過剰・欠乏してしまうとどうなってしまうのでしょうか。

それぞれのビタミンの過剰症・欠乏症についてまとめてみました。

病名・症状治療法
ビタミンA過剰症皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛ビタミンA摂取の中止
欠乏症夜盲症・免疫能の低下、皮膚の角質化ビタミンAの摂取
ビタミンD過剰症高カルシウム血症、腎臓病、軟組織の石灰化現象ビタミンD摂取の中止
欠乏症くる病、骨軟化症ビタミンDの補充
しっかりと日光を浴びる
ビタミンE過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症神経機能低下、筋無力症、不妊症ビタミンEの摂取
ビタミンK過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症血液凝固遅延ビタミンKの摂取
ビタミンB1過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症倦怠感、食欲不振、蹴気ビタミンB1の摂取
ビタミンB2過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症口内炎、眼球炎、脂漏性皮、膚炎、成長障害ビタミンB2の摂取
ナイアシン過剰症皮膚発赤作用ナイアシン摂取の中止
欠乏症ペラグラ(皮膚炎、下痢、口内炎、神経障害)ナイアシンや他のビタミンB群の摂取
ビタミンB6過剰症神経障害ビタミンB6摂取の中止
欠乏症皮膚炎、動脈硬化性血管障害、食欲不振ビタミンB6の摂取
ビタミンB12過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症悪性貧血ビタミンB12の摂取
原因となった疾患の治療
葉酸過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症巨赤芽球性貧血、神経管閉鎖障害葉酸の摂取
パントテン酸過剰症過剰症の心配はないと言われています。
欠乏症皮膚炎、副腎障害、末梢神経障害パントテン酸の摂取
ビタミンC過剰症吐き気ビタミンC摂取の中止
欠乏症壊血病ビタミンCの摂取

各ビタミンを多く含む食品

それぞれのビタミンに必要量や過剰・欠乏症をまとめみました。

ビタミンは体内で生成することができず、食品から摂取する必要があり、どの食品に多く含まれているかまとめてみました。

含まれている主な食品
ビタミンAレバー、うなぎ、乳製品、緑黄色野菜、卵
ビタミンDあんきも、鮭、秋刀魚、きのこ
ビタミンEうなぎ、落花生、油脂類、緑黄色野菜
ビタミンK納豆、ほうれん草
ビタミンB1豚肉、ハム、うなぎ、種実類、豆類
ビタミンB2豚レバー、うなぎ、乳製品、納豆
ナイアシン豚ロース、カツオ、落花生
ビタミンB6カツオ、マグロ
ビタミンB12レバー、秋刀魚、ニシン、貝類
葉酸レバー、菜の花、納豆、うに、うなぎ
パントテン酸レバー、子持ちカレイ、ニジマス、タラコ、納豆、アボガド
ビタミンC果実類、野菜類

野菜からでないと摂取が難しいビタミン

ビタミンの働きやどんな食材に含まれているものがわかったところで、どのようにビタミンを摂取した方が良いのかを紹介します。

おそらく一番最初に頭に浮かぶのが、野菜だと思います。
厚生労働省が掲げている「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに「野菜類を1日350 g以上食べましょう」との記載があります。
その理由に野菜は、ビタミンやミネラル・食物繊維を多く含んでいるからです。

食物繊維に関しては、野菜以外からの摂取が難しいと言われている栄養素です。
では、ビタミンはどうでしょうか。

上記の表を見ていただいてもわかるように、多くのビタミンは野菜以外からも摂取することが可能です。
細かく見ていくと、野菜以外の食材ですと特定のビタミンを多く含んでいることがあるため、バランスよくビタミンを摂取したいときは野菜から摂取すると良いでしょう。

肉類からでないと摂取が難しいビタミン

では、逆に野菜以外、特に肉類からをメインにビタミンを摂取しようと思ったらどうでしょうか。

そもそも肉類を食べる=タンパク質を摂取する。というイメージが強いと思いますが、部位にもよりますが、タンパク質以外の栄養素も豊富に含まれています。
肉や内臓は、水溶性のビタミンB群や脂溶性のビタミンAなど、野菜・果物だけでは不足しがちなビタミンを多く含んでいます。
特に、ご飯を主食とする日本人には、糖質の代謝にかかわるビタミンB1がとくに不足しがちと言われています。ビタミンB群はエネルギーをつくるために不可欠なビタミンです。ビタミンB1は魚眼、米糠、酵母などに含まれますが身近な食品ではありません。手近にある豚肉にはビタミンB1が抜群に多く、豚肉120 gで1日の所要量が満たされると言われています。

野菜だけでは不足しがちな栄養素を摂取するのに肉類を活用してみると良いでしょう。

各ビタミンの主な働き

ここで改めてそれぞれのビタミンの主な役割・効果をまとめていきます。

ビタミンA

ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする効果があります。また、レチノールは、視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物資の合成に必要なため、薄暗いところで視力を保つ効果もあります。
近年の研究ではレチノールが上皮細胞で発癌物質の効果を軽減するといわれており、様々な研究が進められています。

ビタミンD

ビタミンDの生理作用の主なものに、骨の石灰化(カルシウム沈着)を起こし、骨の成長や再構築を繰り返すことで、正常な骨格と歯を発育促進させる効果があります。
また、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う効果があります。

ビタミンE

ビタミンEは、脂質とともに腸管からリンパ管を経由して体内に吸収されます。
抗酸化作用が非常に強く、過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つ効果があります。血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防ぐ作用もあることが知られています。また、細胞の酸化を防ぐため、老化防止にも効果があり、様々な美容健康の分野で注目されています。

ビタミンK

ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子(血液凝固因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)を活性化する効果があります。
また、骨の健康維持にも不可欠で、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成を促します。このため、医薬品としてビタミンKは骨粗しょう症の治療薬としても使われています。
さらに、動脈が石灰化しないようにしていたりと、全身様々な健康に役立っています。

ビタミンB1

ビタミンB1は主に食事から摂取した糖質を分解しエネルギーへ変換する、解糖系、クエン酸回路と呼ばれる体内での反応の際に、補酵素として働き、エネルギー生産重要な役割をになっています。特に糖代謝のみに関わるピルビン酸脱水素酵素と呼ばれる補酵素はビタミンB1が活性を制御していることから、ビタミンB1の摂取が不足すると、糖質がエネルギーに変換されにくくなると言われています。

また、アルコールの分解にも関与しています。アルコールが分解され、アセトアルデヒドと呼ばれる二日酔いの原因となる成分に分解されます。その後、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)と呼ばれる酵素がアセトアルデヒドを分解し、酢酸へと変換することで、アルコールを最終的に分解しています。

しかし、大量のアルコールの摂取や体質などで、ALDH2が処理できる量以上のアルコールを摂取した際には、アセトアルデヒドをアセトインという物質に変換する反応が行われます。その際にビタミンB1が大量に消費されるので、ビタミンB1不足になるとアルコールの分解が追いつかず、二日酔いなどの原因になると言われています。

ビタミンB2

ビタミンB2もビタミンB1と同様にエネルギー生産に関与し、食事から摂取した糖質を分解しエネルギーへ変換する、TCA 回路、電子伝達系、脂肪酸のβ酸化等のエネルギー代謝において、ビタミンB2はFAD、FMNとして補酵素として働き、エネルギー生産重要な役割をになっています。

また、ビタミンB2はタンパク質の合成過程でも補酵素として働き、細胞の再生や皮膚、毛髪や爪の生成に関与し、全身の成長・維持で重要な役割をになっています。また、粘膜を保護する作用があり、目や舌、唇などの粘膜性の部位の健康維持でも重要な役割をになっています。
特に成長期の子どもには、非常に重要なビタミンであると言え、ビタミンB2が不足してしまうと成長障害が起こり得るとも言われています。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンは全身で500種もの酵素の補酵素として働き、様々な化学反応の手助けを行っています。
ナイアシンはまず栄養素(グルコース、脂肪酸、アミノ酸などに由来)に存在する水素を奪いNADH2(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)となり、奪った水素をミトコンドリアに存在する電子伝達系と呼ばれるエネルギー生産の流れに送り込み、そこで水素が受け渡される過程でエネルギーが生成され、最終的に水素は酸素と結合して水となります。

また、近年、美容業界でも注目され、肌への様々な効果が認められています。
肌の細胞は日々新陳代謝が繰り返され、新しく生まれ変わっています。表皮は4つの層から作られていますが、その一番奥にある基底層という場所で細胞は生まれ、徐々に上に押し上げられていきます。一定期間活動したのち、細胞はやがて垢となって自然に剥がれ落ちていきます。このサイクルを肌のターンオーバーと言い、健康で美しい肌は28日周期で新しい細胞に生まれ変わっています。ナイアシンは、このサイクルがスムーズになるための代謝をサポートする効果があると言われています。ターンオーバーが正常な肌は、常に新しい生まれたての細胞で構成され、潤いのある状態がキープできています。

また、ナイアシンにはメラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを防ぐ美白作用や、肌を老けさせない抗酸化作用、さらにニキビなどの肌荒れを予防・改善する効果もあり、様々な美容効果が期待されています。

ビタミンB6

ビタミンB6は主にアミノ酸代謝における補酵素として働いています。
また、体内の免疫機能で重要な役割をになっており、リンパ球の細胞分裂時に、インターロイキン2という物質の生産時にビタミンB6が補酵素として働いています。

ビタミンB12

ビタミンB12は、神経および血液細胞を健康に保ち、全細胞の遺伝物質であるDNAの生成を補助する効果があります。
また、赤血球の生成を助ける効果もあり、疲労や体力低下を引き起こす貧血の一種である巨赤芽球性貧血を予防します。

葉酸

葉酸は、DNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオチド及びデオキシピリミジンヌクレオチドの合成に関与しているため、細胞の増殖と深い関係にあります。
また、ビタミンB12と同様に赤血球の元である赤血球細胞の形成に必要な栄養素でもあります。葉酸が不足してしまうと、未熟な赤血球ができてしまい、貧血の原因になるとも言われています。

パントテン酸

パントテン酸、特に補酵素Aが重要な役割をになっています。

補酵素Aは体内でアシル基と反応し、アセチルCoA、スクシニルCoA、マロニルCoA、および3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル(HMG-CoA)などのチオエステル誘導体を生じます。
補酵素Aとそのアシル誘導体は、食事性の脂肪、炭水化物、およびタンパク質の分解によってエネルギーを作り出す反応に必要不可欠な存在です。

また、アセチルCoAとスクシニルCoAの形態の補酵素Aはクエン酸回路や、必須脂肪、コレステロール、ステロイドホルモン、ビタミンAとD、および神経伝達物質のアセチルコリンの合成、さらに脂肪酸β酸化経路に関わっています。

ビタミンC

ビタミンCは皮膚やコラーゲンの合成に関わっていますが、抗酸化作用が一番有名だと思います。
人は毎日酸素(空気)を吸い、その酸素が体内で様々な生命活動に重要な役割をになっていますが、そのうちの約2%が体内で「活性酸素」と呼ばれるものになるといわれています。

活性酸素とは、「ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素」のことです。活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしています。しかし、活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃(酸化)してしまいます。

このように体にとって良い面も悪い面がある増え過ぎた活性酸素を酸素に戻す力を抗酸化作用と良い、ビタミンCにはその抗酸化作用があります。

実際、機能性食品としてビタミンCには抗酸化作用が認められ、それらを目的に摂取している人も多いのではないでしょうか。

マルチビタミンのサプリは意味があるのか

ビタミンそれぞれの役割や野菜・肉類からの摂取について紹介してきましたが、マルチビタミンなどのサプリメントは意味があるのでしょうか。

今では、コンビニでもマルチビタミンのサプリメントを購入することができるようになっています。逆に言えば、それだけ需要があるということになります。

ビタミンの特性として、お互いのビタミンの役割を助け合いながら相乗効果で体内で作用している点です。

そのため、特定のビタミンに特化したビタミン剤よりもマルチビタミンなどでバランスよく摂取した方が効果的とも言われています。

特にダイエットなどで食事制限をしている、野菜などの好き嫌いが多い方は、多くのビタミンが不足しているケースが多いため、マルチビタミンを用いてバランスよく栄養素を摂取すると良いでしょう。

しかし、特定の疾患や薬剤を服用中の場合、このビタミンは摂取しない方が良い。という場合があります。その場合は、マルチビタミンを選んでしまうと知らず知らずにそのビタミンを摂取してしまっている可能性があるので、何かしら治療中や気になることがある場合、かかりつけの医療機関に相談してみましょう。

ビタミン剤はどれも同じではない

先ほどもコンビニでもビタミン剤のサプリメントを購入することができる時代です。そのため、多くのビタミン剤がメーカーから様々な特徴で販売されています。
正直どれを選んだ方がいいのか、何が違うのか悩まれている方も多いかと思います。

ビタミン剤にはどれも同じではありません。
例えば、錠剤タイプとドリンクタイプではビタミンが吸収される割合も異なります。また、ビタミンの種類よってはドリンクタイプにするのが難しく、ドリンクタイプでは摂取できないものもあります。
なので、どのビタミンを摂取したいのかをしっかり考えて選ぶと良いでしょう。

また、正直同じ量のビタミンを含んでいたとしても品質にばらつきがあります。高ければ良いというわけではないのですが、企業のHPなどで品質に関する項目を確認しておくと良いでしょう。
ビタミン剤は健康食品に分類され、医薬品ほどではありませんが、副作用や予期しない健康被害が起こることがあります。自分の健康に関係することなので、しっかりと確認するのが良いでしょう。

食品からとるビタミンと合成添加されたビタミンの違い

食品でビタミンを摂取すること、マルチビタミンなどのサプリメントからビタミンを摂取することを紹介しましたが、そもそも食品からとるビタミンと合成添加されたビタミンの違いはあるのでしょうか。

日本では、もともと錠剤やカプセルの形をしたビタミンは医薬品として取り扱われていましたが、1990年代に規制緩和により、食品としての取り扱いができるようなり、サプリメントとしてビタミン剤が世の広まっていきました。

そんなビタミン剤ですが、サプリメントや医薬品の方が効果の高い成分が含まれているのではないか、と考える人が多いかもしれませんが、医薬品と食品では成分が同じ場合が多いと言われています。
ビタミンには天然から抽出された天然物、天然に存在する化合物と同じ成分を化学合成した合成品、天然に存在する化合物に側鎖などがついた誘導体などの種類があります。

天然物と化学合成品は、構造が同じなので、ほとんどの場合、体内での働きや強さは同じと言われています。一部、ビタミンEは例外です。誘導体は、吸収を良くしたり、安全性をより高くするなどの目的で医薬品として開発された製品です。食品由来のビタミンと比べて、使用経験が浅く、副作用についての情報が限られている事もあり医薬品としてのみ添加が許可されています。誘導体を使用した製品では、ラベルに○○誘導体と記載されている場合が多いです。誘導体は医薬品としてのみの取り扱いになりますが、一般に、天然物の化学合成品は、一部のビタミンを除き、医薬品としても食品としても取り扱うことができます。つまり、天然物と化学合成品の場合は、医薬品と食品で成分の違いはないということになると言われています。

ビタミンEに関しては、多くの研究により天然と合成では生体内の利用率が約2倍違うということが報告されていますので、ビタミンEについては天然のd-α-トコフェロール(合成はdl-トコフェロールと表示されています)の方が、生体内での利用率が高くなると言われています。

医療の分野で活躍するビタミンの話

栄養補助の役割が多い、ビタミンのサプリメントですが、医薬品となると実際の治療に用いられいます。それらの一部を紹介します。

ビタミンA

・エトレチナート(ビタミンA誘導体):角化症・乾癬治療薬などの皮膚疾患の治療に用いられています。

参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「チガソンカプセル10/ チガソンカプセル25」

ビタミンK

・フィトナジオン(ビタミンK誘導体):血液凝固促進剤として用いられています。
・メナテトレノン(ビタミンK誘導体):骨粗鬆症における骨量・疼痛の改善に用いられています。

参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「「チガソンカプセル10/ チガソンカプセル25」
参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「カチーフN錠5mg/ カチーフN錠10mg/ カチーフN散10mg/g」

ビタミンB2

・リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2誘導体):高コレステロール血症改善剤として用いられています。

参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「ハイボン錠40mg」

葉酸

・葉酸:葉酸の補充、悪性貧血の補助療法として用いられています。

参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「フォリアミン錠 / フォリアミン散100mg/g」

ビタミンC

・アスコルビン酸:ビタミンC不足に伴う様々な症状治療に用いられています。

参考:独立行政法人 医療品医療機器総合機構「ビタシミン注射液100mg/ビタシミン注射液500mg」

青汁で摂取できるビタミンについて

ここまで食品、サプリメント、医薬品でのビタミン摂取に関し紹介してきましたが、最後に青汁ではビタミンの摂取はどうでしょうか。

サプリメントの時と同様になりますが、一概に青汁と言っても使われている野菜や量、品質もバラバラになりますので、詳細はそれぞれの商品を確認いただけたらと思います。

それでも、青汁には主に大麦若葉、ケールなどの緑黄色野菜はレモン、オレンジなどのフルーツが使われていることが多いかと思います。

そのため、青汁にはビタミンAやビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸が多く含まれていることが多いと言われています。また、食物繊維なども豊富でマルチビタミンのようにビタミンに特化しているわけではなく、よりバランスよく栄養を摂取できるとも言われています。

それらの栄養素を特に摂取したい時は青汁を選んでみても良いかもしれません。

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