クマザサってなに?青汁の主役、クマザサの効能と副作用とは

医薬品の原料としても使われる「クマザサ」とは

パンダの主食としてのイメージが強い笹。パンダは肉食動物であり、実際は笹以外のものも食べており、上野動物園にいるパンダは笹や竹を主食としつつ、トウモロコシの粉を蒸かして作ったお団子や、ミルクがゆ、リンゴや柿などの果物、サツマイモ、ニンジンなどを食べているそうです。

そんな笹の一種であるクマザサ(隈笹)。中国最古の薬物書「神農本草経」にも漢方薬として紹介されているほど、遠い昔から健康を支えてきたと言われており、不老長寿の「仙人」は、実は霞を食べていたのではなく、クマザサを食べていたと伝えられてもいます。

クマザサは京都が原産地だと言われていますが、現在は日本のありとあらゆる地域で、自生のクマザサを見ることができます。ただ、クマザサの栄養価が高くなるポイントに「厳しい冬を超えたかどうか」という点があり、健康食品等で使用されているクマザサは、「北海道産」のものが多くなっております。厳しい冬の寒さに耐えようと繊維が太くなり、その繊維の中に有効成分が多く蓄えられるためです。

クマザサは古くから国内外問わず、民間薬として、病気や怪我の治療には欠かせない薬草でしたやけどや切り傷、湿疹にあせも、虫さされ、口臭や体臭を消すのに用いられ、胃腸病、高血圧、ぜんそく、風邪の時にクマザサの煎じ薬を飲んでいたと言われています。

また、民間薬だけではなく、クマザサは生活の中で広く活用されていました。クマザサの葉には防腐作用や殺菌効果が高いとされ、山仕事や旅の途中で食べるおにぎりや餅を包むのに重宝されていました。
笹団子、笹あめ、笹寿司、笹酒、チマキなど、クマザサを使った食べ物が、昔からたくさんあります。クマザサの葉に含まれた葉緑素による防腐効果や抗菌効果を認識し、生活に活用していたようです。

ほかの青汁とクマザサ青汁はどうちがうの?

古くから様々な用途で使用されてきたクマザサには多くの栄養素が含まれています。

葉緑素や各種ビタミンやミネラル類、カルシウムなどが含まれています。特にビタミンは、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれており、体のバランスを正常に保つ役割を果たします。

クマザサ青汁に期待できる効果・効能

豊富な栄養素がぎっしりつまったクマザサですが、その中でも特徴的な3大栄養素といわれるのが葉緑素、アミノ酸、クマザサ多糖体です。
それぞれの特徴を紹介していきます。

葉緑素

クマザサの葉の約80%は葉緑素で構成されているほど豊富に含まれています。
葉緑素とはクロロフィルとも呼ばれ、植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素のことで、植物では細胞内の葉緑体に存在し、光と水と空気中の二酸化炭素から糖などの有機物を合成する光合成に不可欠な成分です。

葉緑素自体は植物に含まれている成分なのですが、人間の血液の色素であるヘモグロビン中に含まれているヘムという成分と似た構造をしております。そのため、葉緑素を「緑の血液」とも呼ぶことがあります。
食物などから摂取された葉緑素は、体内に取り込まれると血液中で鉄と結合し、赤血球や筋肉のヘモグロビンなどの色素に変わり、新しくきれいな血液を作る働きを助ける力があります。

また、葉緑素には血管内のコレステロールを吸着する働きがあり、血液中のコレステロールを抑えて、血液の流れを良くする働きもあります。さらに、細胞を活性化させる働きがあり、筋肉を維持したり、怪我や傷の治りを早くすることなどが知られております。このように葉緑素の効果は幅広く、医学界でも注目されている成分のひとつで、コレステロール値が気になる方や貧血を改善させたい方にオススメの成分となります。

アミノ酸

私たちの体はタンパク質で作られております。そのタンパク質はアミノ酸によって作られており、アミノ酸は体にとって必須の栄養素となります。

また、私たちは脂肪を体に貯えることができますが、アミノ酸は貯えることができません。
アミノ酸がつながってできるタンパク質は新しいアミノ酸と毎日毎日入れ替わって体を維持しています。したがって、毎日質のいいアミノ酸を摂ることが毎日の健康の秘訣になってきます。

クマザサ多糖体

人間の体を構成している細胞。その細胞の一番外側にある膜を形成しているものを「多糖体」と呼び、大切な内容物をしっかり守る役目を果たしています。この多糖体が不足してしまうと、正常な細胞の活動を維持できなくなってしまいます。そうすると、栄養分の吸収、老廃物の排出が上手くいかず、さまざまな病原体に侵されてしまう危険性が高まってしまいます。

一口に多糖体と言っても種類があり、人間の体にとって効果的なものもあれば効果的ではないものなど様々な種類が存在します。クマザサ多糖体は、人間の細胞膜と非情に馴染みがよく、弱ってしまった、傷つきかけた細胞膜と結合して、元通りの細胞膜に修復する力を持っていると言われています。細胞がきちんと形を保てることができれば、病原体への生体防御機能が働き、健康に近づくことになります。

季節の変わり目や流行りのウイルス等に対しての免疫機能向上が期待されています。

クマザサの副作用や注意すべき点とは

栄養抜群のクマザサですが、一部の方は注意が必要になりますのでまとめてみました。

米アレルギー

クマザサはイネ科の植物なので、米アレルギーを持っている方がクマザサを摂ってしまうと発疹や発疹等のアレルギー反応が出てしまうこともあります。

自分がアレルギーを持っていることを知っていましたら摂るのを控えてみてください。

ビタミンK

クマザサにはビタミンKが含まれています。ビタミンK自体の摂り過ぎで何かあるということは報告されていないのですが、ビタミンKは血を固める物質をつくるときに働くビタミンなので、血液をさらさらにする成分を含んだワーファリンなどを飲んでいる方はビタミンKを多く含む食品は控えましょう。

血圧が高め、動脈硬化を過去経験して、薬を飲んでいる人は一度医者・薬剤師に相談してみましょう。クマザサを食べてないから大丈夫というわけではなく、青汁などにも明日葉が使われていることも多いので、注意しましょう。

URL:北海道薬剤師会 薬の飲み合わせ

クマザサのよくある質問

(効果なしという口コミがありますが、摂るのにベストなタイミングがありますか、など)
栄養抜群のクマザサですが、調理方法や摂るのにベストなタイミングなどよくある質問をまとめてみました。

クマザサって効果ありますか。

多くの栄養素が含まれ、クマザサ多糖体などの貴重な成分も含まれているので、野菜からしっかり栄養を摂りたい!という方にオススメな食材です。

おすすめの調理方法は。

現在は日本のありとあらゆる地域で、自生のクマザサを見ることができますが、道端のクマザサがすぐ食べられるかというと、残念ながらそうではありません。
クマザサには、「ケイ酸」と呼ばれる成分が含まれており、人体に有害というわけではないのですが、ケイ酸に含まれる食物繊維が非常に硬い為、人間にはこれらを分解することができません。

そのまま食べてしまうと、胃腸を傷つけてしまう上、貴重な成分を十分に摂ることができないので、メリットがあまりないです。なので、クマザサを食べる際には、乾燥させて細かく刻んだ葉にお湯を加えてお茶にしたり、健康食品やサプリメント等で摂取したりするのが一般的となります。

結局、クマザサが含まれる青汁をあえて選ぶメリットはあるのか

結論から申し上げますと、あえて選ぶ必要はないと思います。そもそもクマザサが含まれている青汁は少なく、他にも様々な機能に特化した素晴らしい青汁があるので、クマザサが含まれているものに限定してしまうと選択肢が狭まってしまいます。

青汁を摂取する目的にもよりますが、一般的には野菜不足を補うためという方が多いかと思います。そのような目的な場合、クマザサが必ずしも含まれている必要はなく、他にも素晴らしい野菜がたくさんあるので、色々確認してみるといいでしょう。もちろんクマザサが入っている青汁を否定しているわけではありません。

どうしてもクマザサを摂取したい場合ですが、そこまで数は多くないのですが、青汁だけではなくサプリメントも存在するので、そちらを選んでみてはいかがでしょうか。
青汁とサプリメントを併用するのも選択肢の一つかもしれません。

まとめ

特徴的な栄養を含み、栄養豊富なクマザサ。

これから体調を崩しやすくなってくる季節にぴったりです。
栄養バランスを考え、目的に合わせてクマザサを摂ってみてはいかがでしょうか。

関連記事