【無知は危険?】血糖値が気になる場合、青汁を飲んで大丈夫なのか

健康診断で血糖値が高いと言われて、食事や運動を意識するも続かないという方は多くいるのではないでしょうか?日々の生活習慣が血糖値に影響することは分かっていても、長年の習慣を変えることは大変ですよね。そのような中、健康を意識して手軽に飲める健康飲料の青汁を飲んでみようという方もいると思います。青汁が血糖値に良いと聞いたことはあるけれど本当に良いのか?飲んでみようかなと迷っていらっしゃる方や血糖値を抑えたいという方に、青汁と血糖値についてご紹介したいと思います。

青汁と血糖値の関係について

健康飲料の青汁ですが、不足しがちなビタミンやミネラルを手軽に取れるイメージが強いですよね。その他にも、食物繊維を取れ、栄養バランスを整えるのに青汁は重宝します。そのようなイメージのある青汁ですが、青汁と血糖値に関係はあるのでしょうか?関係があれば、青汁が血糖値にどういった影響を及ぼすのでしょうか?まずは、青汁と血糖値について、どのような関係があるのか見ていきましょう。

青汁と血糖値の関係

青汁を飲むことで、野菜不足の解消に繋ります。また、他にも血糖値に影響があると言われています。なぜなら、青汁には食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は食後の血糖値の急上昇を抑える役割があると言われています。

青汁は食物繊維が豊富!

青汁は、ミネラル・ビタミンが豊富で食事で摂取しにくい栄養素を容易に取ることができます。また、食事で摂取しにくい栄養素の中に、食物繊維があります。文部科学省の食品成分データベース(*2)より、食物繊維の多いと言われるこんにゃくで、100gのしらたきに対して食物繊維は2.9gです。それに対し、同様に文部科学省食品成分データベース(*3)によると、青汁の原料によく利用されるケールは100g当たり、28gであり、青汁の原料には多くの食物繊維が含まれています。このように、青汁を飲むことで、食物繊維を容易に取れます。

不足しがちな食物繊維

ご存知の通り、食物繊維は便通を良くするために重要であり、整腸作用があります。厚生労働省e-ヘルスネット(*1)より、日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には一人あたり一日20gを超えていましたが、穀類・いも類・豆類の摂取量の減少に伴い、低下している現状です。最近の報告によれば平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。このように、日本人は食物繊維が不足しており、健康の維持に食物繊維は重要です。

食物繊維と血糖値

食物繊維の身体への影響は整腸作用のみではありません。様々な役割がありますが、その中でも、食物繊維には食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。食物繊維には、食物繊維には、水に溶けて粘り気のあるゲル状態になる水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維に食後血糖値の急激な上昇を抑えます。

食後の血糖値はピークの状態!

血糖値は一日の中で変動していますが、どういう時に血糖値がピークに達するがご存知でしょうか?血糖値が一日の中でどのように変化するかを知ることは、食後の血糖値を抑える対策を立てる上でも重要になります。まずは、血糖値の意味や高血糖の状態はどういう状態なのか?血糖値のピークはどういう時になるのか?食後の血糖値を抑えることの大切さについてご紹介したいと思います。

血糖値とは?高血糖の状態とは?

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことを言います。食事から摂取した炭水化物などは、消化酵素によって分解・吸収されてブドウ糖となり、ブドウ糖は血液中に入ります。血液内のブドウ糖の濃度が上昇すると、通常インスリンと呼ばれる物質が血液内に存在するブドウ糖を身体の細胞に移動させて、血液内のブドウ糖濃度を低下させます。高血糖の状態とは、何らかの理由により血液中に存在するブドウ糖の量が多いということです。

血糖値のピーク

血糖値が上昇するのは食事を取った後というイメージをみなさんお持ちでしょうか?イメージの通りで、食後、血糖値はピークに達します。食後ピークに達した血糖値はインスリンが分泌されることで、食後2時間で血糖値は低下していきます。ですが、インスリンの分泌が不足していたり、インスリンの働きが十分ではなかったりすると、食後2時間でも高血糖の状態が続きます。食後2時間の血糖値の状態は重要であり、糖尿病の診断の際にも参考にされます。

食後の血糖値を抑えることの大切さ

なぜ、食後の血糖値を抑える必要があるのでしょうか?食後、血糖値が高い状態を放置していると、糖尿病になりやすいと言われています。また、急激に血糖値が上昇したり、高血糖の状態が続くと、血管壁が傷みやすいことがわかっています。その結果、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの重大な病気になるリスクが大きくなると言われています。

気になる血糖値をどう対策すればいいの?

では、1日の中でピークに達しやすい食後の血糖値を抑えるためにはどうすればよいのでしょうか?また、普段から血糖値を抑えるためにできることはあるのでしょうか?血糖値が気になる方に向けて、気になる血糖値の対策についてご紹介したいと思います。ご自身のできることから、一つずつ始めてみて、継続できそうなところを継続していきましょう。

食習慣を気を付ける

食事の中で無理なく血糖コントロールを取り入れてみましょう。食べていけないものはなく、必要な栄養をバランスよく食べることが大事です。主食、主菜、副菜のように定食をイメージして、献立を考えると良いです。主食は炭水化物、主菜は主にタンパク質がメイン、副菜は野菜やきのこ類などにして決めると良いと言われています。仕事が忙しがったり、料理をする時間がなかったりすると食習慣を気を付けることは難しいかもしれません。そういう時に、手軽に栄養をバランスよく取れる青汁を食事の前に飲んでみると良いと思います。

食べ方を工夫する

食べ方を工夫することで、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。規則正しく、3食摂取したり、よく噛んで食べることで満腹中枢を満たして、満腹感を得ることも大事です。そうすることで、腹8分目程度の食事量に抑えることができ、食事量が多いことによる糖質の取りすぎを防ぐことができます。摂取する糖質の量を抑えることで、食後血糖値の上昇を抑えます。また、早食いはインスリンの働きが追いつかず、食後高血糖になりやすいので注意しましょう。

食べる順番を工夫する

食べる順番も食後の血糖値に大きく影響します。食事の最初に炭水化物などの糖質から摂取すると、食後血糖値が上がりやすいことが分かっています。食べる順番は、副菜→主菜→主食にすると食後血糖値が上がりにくいと言われています。食習慣を変えることは難しくても、日頃から少しの工夫で食後の血糖値を抑えることができるので、ぜひやってみて下さい。

食後に運動する

血糖値の低下により、運動が重要であることはご存知かと思いますが、食後の血糖値を下げるために、大切なのは運動をするタイミングになります。血糖値が最も上がりやすい食後30分~1時間程度から運動を始めると食後の血糖値を抑える効果があると言われています。食後少し休憩した後、15分程度の軽いウォーキングを習慣化することで食後高血糖の予防を行うことも大切です。

青汁を飲んで健康効果を得よう!

上記より、食後の血糖値を抑えることが大切であり、抑えるために食習慣や運動が大切なのも分かりました。ですが、なかなか習慣を変えることは難しいですよね。仕事が忙しいと余計に生活習慣を整える気力を出すことも難しいと思います。そんな方に、手軽に野菜不足や食物繊維を補える青汁を飲むことをお勧めします。健康飲料とされる青汁を飲んでいるという意識が更に健康への意識を高めてくれるでしょう。

青汁の良いところ

青汁は日本人に不足しがちなミネラル・ビタミン・食物繊維を容易に摂取できます。ミネラル・ビタミンは野菜や果物に多く含まれ、食物繊維は海藻・きのこ類・芋類に多く含まれています。食事で取ることが難しい栄養素も毎日の青汁習慣で難なく取り入れられます。また、最近では、苦くない青汁も豊富で、飲料だけでなく、粉末をパンケーキなどに入れることもでき、料理を工夫して様々な方法で青汁を楽しむことができます。

青汁の健康効果

上記に記載した通り、食物繊維を多く含む青汁は食後の血糖値を抑える効果があります。実は、食後の血糖値を抑えるだけでなく、青汁には他にも様々な健康効果があります。運動や食習慣を気をつけることに加え、青汁を飲むことで無理なく生活習慣病の予防を行えます。ぜひ、この機会に青汁の健康効果を知って、青汁を生活に取り入れてみましょう。

腸の調子を整える

腸内には多くの菌が存在しており、主に善玉菌と悪玉菌に分類されます。腸内環境を整えるためには善玉菌の存在が重要で、善玉菌を増やすことが大事です。青汁の原料には食物繊維が多く含まれていると今までお伝えしてきましたが、青汁に含まれる食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。水溶性食物繊維は善玉菌の餌になりやすく、善玉菌を増やすことに繋がるため、青汁は腸の調子を整えられると言われています。不溶性食物繊維は水分を吸収して便の体積を増やし、腸を刺激して便通をスムーズにします。これにより、体内の不要な物質を体外に排出して腸を綺麗にします。

満腹感を大きくして過剰に食事を取ることを予防する

食物繊維は食事の満腹感を得るためにも重要です。食物繊維は水分を吸収して膨らむため、満腹感を得やすいと言われています。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015)(*7)によると、1日あたりの目標量は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上とされています。満腹感を得るためにも、基準値程度の食物繊維を取ることが大切です。そして、十分な満腹感は自身を満たすことができ、間食や過剰に食事を摂取することを防ぐことができます。その結果、糖質を取ることを控えられ、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の改善に繋がります。

コレステロール上昇を抑える

青汁には食物繊維やビタミン類だけでなく、ポリフェノールやアミノ酸も豊富に含まれてます。これらの栄養素は、体内でコレステロールから作られる胆汁酸の体外への排泄を促して血中コレステロール値を下げたり、コレステロールの酸化を防いだりします。コレステロールが酸化すると酸化したコレステロールは血管壁に蓄積します。その結果、動脈硬化のリスクが大きくなり、心臓病や脳卒中などの重大な病気に繋がる可能性があります。

食後の血糖値が気になる方へ青汁選びのポイント

青汁の原料は緑葉野菜ですが、様々な種類の野菜が原料として使用されています。多く利用されているのは、大麦若葉やケールですが、その他にも種類があり、特に血糖値に効果がある原料も存在します。そのような原料を使用している青汁を選ぶことで、食後の血糖値を抑えることが期待できます。食後の血糖値を抑える効果のある青汁の原料についてご紹介します。

どのような原料から作られた青汁が血糖値に効くの?

食後の血糖値を抑える作用のある青汁の原料は桑の葉であると言われています。桑の葉はクワ科の植物の一種で、漢方薬としても古くから利用されていた植物です。桑の葉を原料とした青汁は血糖値に作用すると言われています。

なぜ桑の葉が血糖値にいいのか

桑の葉に含まれている1-デオキシノジリマイシン(DNJ)という成分により、糖の吸収を抑制して血糖値を低下させる働きがあることが報告されました。(参照:日本末病システム学会雑誌(*5))糖尿病は、何らかの原因によってインスリンの働きが十分でなくなり、血液中のブドウ糖の濃度が上がる病気ですが、この桑の葉は糖尿病の予防になるとされています。なので、桑の葉を原料とした青汁を飲むことで、血糖値の上昇を抑えることができます。

まとめ

血糖値は特に上昇しやすい食後の血糖値を抑えることが重要です。食後の血糖値を抑える方法は、食習慣を変えたり、生活習慣を変えたりすることもできます。しかし、日々の努力が必要であり、なかなか続けるのが難しいです。食物繊維を多く含む青汁の力を借りることで、手軽に食後の血糖値の上昇を抑えることができます。食物繊維は食後の血糖値を抑える役割を担っているため、青汁を飲んで食後の血糖値の上昇を抑えて健康を維持しましょう。

参考資料

(*1)厚生労働省 e-ヘルスネット
(*2)文部科学省 食品成分データベース こんにゃく/しらたき
(*3)文部科学省 食品成分データベース 青汁/ケール
(*4)矢崎謙三.関西電力病院のおいしい糖尿病レシピ,主婦の友社,2014
(*5)小野寺敏,八並一寿,福田栄.桑葉エキス入りプロポリス(桑ポリスTM)の肥満・糖尿病予防効果.日末病システム学会雑誌.2002,8(1),33-38
(*6)糖尿病診療ガイドライン,2019
(*7)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015)

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