【花粉症が数時間で治る?】フラクトオリゴ糖の優れた健康効果

鼻づまりで眠れない、かみすぎた真っ赤な鼻・・・
本来であれば心地の良い季節であるはずの春も、花粉症の人にとっては地獄でしかありません。
今回はそんな辛い花粉症が数時間で治ると噂のフラクトオリゴ糖について検証してみました。
花粉症以外でも、さまざまな健康効果があり必見です!ぜひ参考にしてみてください。

花粉症のメカニズム

実は花粉症の原因は、人間の体に備わった免疫システムの誤作動によるもの。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが鼻腔内に付着し、それらを排除しようと免疫システムが過剰に反応し鼻水やくしゃみなどの症状が引き起こされます。

通常であれば細菌やウイルスなど体に害を与える物質だけを免疫システムが見分けるのですが、何らかの理由で免疫システムが正常に作動していなければ誤作動を起こします。

すると本来であれば無害なはずのスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉も不審物とみなしてしまうのです。人によっては花粉以外の穀類や卵、牛乳、大豆、ペットの毛などにも過剰にアレルギー反応を起こすことも。

鼻水や涙に有害物質をくるんで出そうとするため、アレルギー反応は基本的に目のかゆみやくしゃみ、鼻水、蕁麻疹などが多くなります。
重症なケースになると「アナフィラキシー反応」を起こし生命に危険を及ぼすこともあるので注意しましょう。

花粉症はうつ病と同じ?

私たち人間の体は免疫システムが誤作動を起こし暴走すると、体の中で免疫細胞が炎症を起こします。
花粉症はこの炎症が鼻や目、喉に起こった状態のことです。

実は花粉症と全く関係のないように思えるうつ病も、おなじ炎症によるものでメンタル系の疾患は脳に慢性的に炎症が生じている状態のこと。

わかりやすく説明すると花粉症は花粉がアレルゲン物質となりますが、うつ病の場合はストレスや病気がアレルゲン物質となり脳に炎症を起こすのです。

うつ病に限らず、すべての病気は体の中の炎症によるもので、炎症を引き起こす原因と場所によって病名が変わってくるのです。

腸内環境の乱れで免疫力が低下

体全体の免疫細胞のうち7割が腸内に生息しているのはご存じでしょうか?
このことからわかるように、免疫細胞を正常に働かせるには腸内環境を整えることが必要不可欠なのです。
以下では、さらに詳しく腸内環境について解説します。

腸は第2の脳

腸には免疫細胞の他に数億個にも及ぶ神経細胞が存在し、脳からの指令がなくても単独で働くことができます。

そのため腸は「第二の脳」と呼ばれ、末梢神経系に分類されます。
末梢神経は内臓の働きや体温、代謝などをコントロールする自律神経の一部。

腸内環境が悪くなると自律神経にも影響し、脳で不安感を増すことがあります。
また逆にストレスや緊張によってお腹が痛くなったり、便意を催すことがあります。

この関係を「腸脳相関」と呼び、最近の研究ではウイルスや病原菌だけでなく腸内に常在する菌も脳に影響を及ぼすことがわかっています。

腸内環境が乱れる要因

腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類の腸内細菌が存在し、健康なひとであれば善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%の割合で成り立っています。

日和見菌は中性的な菌で善玉菌が優位であれば良い働きをしますが、悪玉菌が優位になってしまうと悪さをしてしまうので、常に善玉菌を優位にしておくことが大切です。

腸内環境が乱れる要因はいくつかありますが、なかでも代表的な要因について以下でまとめてみました。

・食生活の乱れ

栄養素が少なく添加物が多い食事や、肉類中心の食生活を続けていると脂質や動物性タンパク質を好む悪玉菌が増えてしまいます。

ビタミンやミネラル、食物繊維の多い野菜や穀物を規則正しい時間にしっかりと摂取することが理想的といえるでしょう。

・ストレス

ストレスで脳に不快感を感じると腸脳相関によって、腸内環境も乱れやすくなります。
さらにストレスが長期間続くと、過敏性腸症候群(IBS)など慢性的な下痢や便秘になることがあります。
定期的な運動はストレス軽減効果のある「セロトニン」や気分を向上してくれる「エンドルフィン」を分泌してくれます。

また睡眠が5時間をきってしまうと、自律神経の交感神経が優位になり常に体が緊張状態となってしまいます。このような状態が続くと、腸の蠕動運動が低下し腸内環境が悪化してしまうことがあります。

適度な運動と質の良い睡眠でリラックスできる習慣を癖付けましょう。

・加齢

赤ちゃんのうちは、母乳によりビフィズス菌などの善玉菌が沢山ありますが大人になるにつれて腸内環境も変化します。

老年期に入ると腸内のビフィズス菌はさらに減少し、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増え腸内環境が乱れやすくなります。
体外から積極的に、善玉菌を増やす食品を摂ることが望ましいといえるでしょう。

・抗生物質などの薬

意外と知られていないのが、抗生物質などの薬による影響。
病原菌を排除し、感染症などから守ってくれる抗生物質ですが他の有益菌までも排除してしまうことがあります。
すると腸内細菌のバランスが乱れてしまい、下痢や腹痛を起こすことがあります。
病院で抗生物質を処方してもらう祭に、副作用でお腹を下すことがあるといわれる理由はこのことなのですね。

 

花粉症対策は腸内環境を整えることから始まる

これまでの内容からわかるように、免疫細胞を正常に働かせ花粉症など体の中の炎症を抑えるには腸内環境を整えることが重要です。

食生活と規則正しい生活で腸内環境が整ってくると便通などが改善し、体に有害な物質が溜まりにくくなります。

すると肌荒れやむくみ解消など、健康面だけでなく美容にも嬉しい効果が期待できるようになります。
体の不調を感じる方は、まず腸内環境を整えることを意識するようにしましょう。

フラクトオリゴ糖で腸内の善玉菌を増やそう

それでは今回の本題、フラクトオリゴ糖についてご紹介します。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、フラクトオリゴ糖は花粉症に効果てきめん。
なぜフラクトオリゴ糖が花粉症に効くのかについては、以下で解説していきます。

フラクトオリゴ糖とは

フラクトオリゴ糖は糖類のなかでも少糖類に分類されます。
ブドウ糖や果糖が最小単位の「単糖」にあたり、ひとつの分子で構成されていますが、少糖類はこの単糖が3個〜10個程度連なったもの。

難消化性になるため胃や小腸では消化されにくく、大腸まで行き届き善玉菌のエサとなってくれるのが特徴といえるでしょう。

また糖としても吸収されないので血糖値上昇への影響もほとんどなく、生活習慣病予防やダイエットの強い味方となってくれます。

酪酸菌とアッカーマンシア菌を増やしてくれるフラクトオリゴ糖

一般的に腸内環境を整えるには乳酸菌やビフィズス菌がもっとも有名ではないでしょうか。
実際に赤ちゃんのころは母乳に含まれるオリゴ糖でビフィズス菌が増え、腸内は守られている状態です。

しかし離乳すると、腸内のビフィズス菌が徐々に減りその他の細菌が必要になります。

そこで必要になってくるのが「酪酸菌」と「アッカーマンシア菌」
酪酸菌は酢酸と「酪酸」を作り出し、悪玉菌の発生を抑制してくれます。また酪酸菌は大腸のエネルギー源となるため、ビフィズス菌や乳酸菌など他の善玉菌が棲みやすい環境にしてくれます。

一方、腸内細菌の数パーセントを占めるアッカーマンシア菌は、大腸の保護膜にあたるムチンを食べてさらに増殖し、保護膜を守ってくれます。

フラクトオリゴ糖は酪酸菌とアッカーマンシア菌を同時に増やしてくれるので、相乗効果で腸内環境が整いやすくなるのです。

プロバイオティクスの中でも酪酸菌が注目されている理由

乳酸菌とビフィズス菌も酪酸菌と同じ、生きて大腸まで届くプロバイオティクス原料ですが「芽胞」と呼ばれる外殻をもっていないため、大半の有益菌が胃酸により死滅してしまいます。

対して酪酸菌は唯一強い「芽胞」をもっているので胃酸をバリアしながら大腸まで行き届き、しっかり活動できるのです。

フラクトオリゴ糖の健康効果

フラクトオリゴ糖によって腸内環境が改善すると花粉症改善だけでなく、さまざまな健康効果も期待できるのはご存じでしょうか。

フラクトオリゴ糖を摂取すると酪酸菌が作られ、さらに酪酸菌が免疫力の調整をしてくれる「Tレグ」細胞を増やしてくれます。
また幸せホルモンとして有名な「セロトニン」も継続的に増やすことができます。

Tレグ細胞が増えれば全身の炎症が起こりにくくなるため、うつやアトピー、アルツハイマーの予防にもつながるのです。

もちろん抗生物質を服用している方もフラクトオリゴ糖をしっかり摂り、Tレグ細胞を増やしておけば、花粉症などアレルギーの発症リスクが軽減すると言われています。

フラクトオリゴ糖が含まれる食材とは

フラクトオリゴ糖が含まれる食材はゴボウや、ニンニク、タマネギ、アスパラガス、バナナなどがあります。
理想としては1日あたりゴボウ2分の1本、タマネギ半分くらいを毎日継続して食べると花粉症に嬉しい効果が期待できるようです。

ここでひとつ注意したいのが、スーパーで売られている一般的なオリゴ糖。
オリゴ糖のなかでもさまざまな種類があり、スーパーで安価で売られているものはブドウ糖や果糖などの甘味成分が追加されているものがほとんどです。

購入する際はイソマルトオリゴ糖や乳化オリゴ糖などではなく、成分表にフラクトオリゴ糖と記載されているか、甘味料は追加されていないかなど確認しておきましょう。

プラスで行いたい食生活

さらに健康効果を高めたい場合、以下のような食事法や栄養素を積極的に取り入れると良いでしょう。

糖質制限・グルテンフリー

小麦粉に含まれるグルテンは粘性が強く腸壁にはりつくと、穴をあけてしまうことがあります。腸壁に穴が空いてしまうと、腸内の有害物質や老廃物が流れ出し肌荒れや炎症の原因となることも。(リーキーガット症候群と呼びます)

また糖質は血糖値を急上昇させ体を糖化させるため、さまざまな生活習慣病を促進させます。

糖質から吸収されたブドウ糖は適量であればいち早くエネルギー源として活躍してくれますが、持続力はありません。

その代わりに糖質制限を行い、良質な脂質を摂取すると体内の脂肪細胞からケトン体が作られるようになります。

このケトン体を代用すれば持続力のあるエネルギー源となり、体の中性脂肪も燃えやすくなります。より健康的な生活を目指したい方は、グルテンフリーと糖質制限はおすすめですよ。

ビタミンDとビタミンKを意識して摂取する

女性に多い骨粗しょう症を予防するために、カルシウムを意識して摂取する方がいます。
しかしカルシウムの血中濃度は一定に保たれるため、腸ではほとんど吸収されません。

それよりも骨に刺激を与える運動をする方が、新しい骨芽細胞が産出され骨密度が高くなるため、食品から摂ったカルシウムが腸管から吸収されやすくなります。

そこでフラクトオリゴ糖を摂取しておくと、酪酸菌により腸内が酸性に戻ります。
腸内が酸性に戻ると、カルシウムが溶けやすくなり吸収しやすくなります。

またカルシウムの吸収や輸送に欠かせないビタミンDやビタミンKを多く摂取しておくと、さらにカルシウムの吸収率を高めることができます。

まとめ

人生100年時代といわれる現代で、1番の資本となるのは健康な体といえるのではないでしょうか。
花粉症はいちど発症すると、通院や薬に労力と費用がかかる上に日常生活にも支障をきたします。
私たち一人ひとりが確かな情報を把握しておくことで、花粉症のような病気は避けることができます。
そのためにもフラクトオリゴ糖で腸内環境を整え、免疫力を底上げしておきましょう。

参考文献小柳津 広志.花粉症は1日で治る!:株式会社自由国民社,2020年,195p.9784426126193

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