【保存版】コンブチャの効果4つ!摂取方法・摂取量・副作用も徹底解説
「コンブチャ」と聞くと日本人は「昆布茶」が頭に浮かぶでしょう。しかしコンブチャは昆布とは無関係で、紅茶を発酵させたものです。発酵というと、体に良さそうな響きですね。実はコンブチャはアメリカで大流行しました。有名な女優や歌手などがコンブチャで痩せたという情報が瞬く間に広がり、日本にも上陸しました。コンブチャは正しくは昆布茶ではなくKOMBUCHAで、名前の由来はわかりません。この記事ではアメリカ発のKOMBUCHAの原材料や栄養素とその働きから、正しい摂取の仕方や飲むときの注意点まで、詳しく解説します。
コンブチャとは
コンブチャは元々、東モンゴル発祥の発酵ドリンクで、砂糖を加えた紅茶や緑茶にスコビーと呼ばれる菌株を入れて作ります。スコビーはSymbiotic Culture Of Bacteria and Yeast(SCOBY 共生細菌と酵母菌)の頭文字をとったものです。共生細菌として乳酸菌・酢酸菌が入っていて、それらの微生物が乳酸や酢酸などの酸性物質を作るため、コンブチャは酸性を示します。
実はこのコンブチャ、1970年代に日本で「紅茶キノコ」という名前で一過性のブームがありました。すぐに下火になったのは、自家製紅茶キノコで深刻な健康被害があったからです。このことは後で詳しく説明します。
コンブチャは日本で流行った紅茶キノコとは味が違って、美味しくてとても飲みやすいと評判です。アメリカではコンブチャの専門店ができたり、スーパーで手軽に買えるそうです。
ところでコンブチャのネーミングについて調べてみました。コンブチャは、日本の紅茶キノコが韓国経由でアメリカに渡ったそうです。韓国では菌のことを「KOM」と発音することから、KOMBUCHA(コンブチャ)という名前になったようです。
コンブチャの魅力
アメリカでコンブチャが流行した理由として考えられることは、まずお茶そのものにヘルシーなイメージがあることです。次に低カロリーで自然の原材料で作られていることが、健康志向の人々の注目を集めたと思われます。さらにセレブたちがダイエット目的でコンブチャを飲用し、その効果がメディアを通じて広まったことで認知度と評価が高まりました。
プロバイオティクスやプレバイオティクスなどの機能性を持つ発酵食品は、日本食を代表する味噌や韓国のキムチなど、世界からヘルシーな食べ物であると認識されています。そのイメージ効果も相まって、コンブチャを飲んで美しくダイエットに成功したという情報が多くの人の心をつかみました。
コンブチャが手軽にスーパーなどで手に入り、味も飲みやすく調整されていることも、アメリカで支持されている要因になっていると思われます。
また近年の研究から、腸内環境を整えることでコレステロール値や肝機能の正常化、免疫機能維持、代謝のサポートなど健康効果への期待も高まりました。腸をきれいにすることは、美容と健康に良い結果をもたらすことが知られているため、アメリカで広まったコンブチャが日本でも広く受け入れられたと考えられます。
コンブチャに含まれる成分
気になるコンブチャに含まれる成分ですが、発酵にかける時間や、使用する原材料によって含有量などが異なりますので、ここでは代表的な成分について紹介します。
コンブチャには、細菌と酵母が作り出す酸である酢酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸が含まれています。この他、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンCなどビタミン類や銅、鉄、亜鉛などのミネラルも含まれています。*1
コンブチャは美味しく飲めるように、フルーツエキスやコラーゲン、ヒアルロン酸なども配合されている商品もあるので、購入の際にはラベルに記載されている原材料を確認してみましょう。
効果がある?コンブチャに期待が集まるわけ
コンブチャは発酵食品であるため、発酵食品に共通する「腸内環境を整える効果」が期待されます。腸内環境が良い状態に整うことで、期待されている健康効果について紹介します。
腸管機能の正常化
コンブチャには微生物の働きにより生成された、酢酸や乳酸などの酸性物質が含まれています。腸内が酸性になると、善玉菌が増えて悪玉菌の増殖が抑制されます。善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは20%、10%、70%といわれており、このバランスを保つことで腸管機能が正常に働きます。*2
さらに酢酸には、脂肪を体脂肪として蓄えようとする流れを抑制する働きもあり、ダイエットをサポートする物質として近年注目されています。*3
オリゴ糖でダイエットサポート
イソマルトオリゴ糖は発酵食品に天然成分として含まれています。イソマルトオリゴ糖の他、難消化性デキストリンなど、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を元気にすることから、整腸作用があることで知られています。
コンブチャメーカーがダイエット効果を検証する目的で、成人10名に対してコンブチャの効果を検証する試験を行いました。コンブチャを4週間飲用した成人10名に対し、排便量の増加と体重・BMI・体脂肪率を測定した結果、対照群と比較して有意に減少したことが発表されました。*4
現在のところはまだ被験者の人数が少ないので結論づけるのは早いと思われますが、今後の更なる調査研究の行方を見守りたいところです。
デトックス(解毒)をスムーズに
コンブチャの製造過程でさまざまな有機酸が生成されますが、その一つに解毒に利用されるグルクロン酸があります。体内に入った毒物のうち、水溶性のものは尿として排泄されますが、水に溶けない毒物はそのままでは排泄されません。肝細胞内に存在するグルクロニルトランスフェラーゼという酵素の働きで、水に溶けない毒物がグルクロン酸と抱合体を作ります。グルクロン酸は水に溶けやすいため、グルクロン酸と化合した毒物はグルクロン酸と一体になって体外へ排泄されます。*5
免疫機能の維持
腸は栄養の吸収と排泄に関係する臓器であるばかりではなく、近年は腸管免疫が注目されています。免疫細胞や抗体が腸に集中していることから、腸内を良い状態に保つことで免疫機能を正常に維持することができるといわれています。*6
コンブチャの飲み方
コンブチャは発酵によって酢などの有機酸が含まれているため、酸っぱい味がします。コンブチャには大きく2種類あって、原液で薄めて飲むタイプとそのまま飲めるタイプがあります。そのまま飲めるタイプはコンブチャに炭酸入りのものやさまざまなフレーバーが存在します。
原液タイプの飲み方と1日の目安量
原液タイプのコンブチャは、工夫次第でいろんなレシピが楽しめます。原液をヨーグルトに加えたり、好きなお茶や飲み物に少し加えたりするのが簡単で一般的です。スムージーを飲む習慣がある人は、そこに少し加えてもよいです。
1日の目安量は商品にもよりますが、20〜30ml程度です。飲む前にコンブチャのラベルや説明書きをよく見て目安量を確認しておきましょう。
コンブチャの摂取方法
コンブチャは基本的にいつ飲んでも構いません。いつ飲むかよりは、毎日忘れずに飲む方が効果的です。忘れないように、食事時など決まった時間に飲むのがおすすめです。
飲むタイミング以外に、ファスティングや置き換えという使い方も可能です。置き換える場合には、コンブチャだけにならないよう、スムージーやヨーグルトとフルーツなど、栄養面を考えて行いましょう。
ファスティングは体に負担がかかりますので、長期間行うことはおすすめできません。半日から長くても2〜3日までに留めておきましょう。
コンブチャを飲むときの注意事項
日本で一時期流行った「紅茶キノコ」が下火になった理由は、自家製の紅茶キノコで腹痛など健康を害する例がいくつもあったからという情報があります。
一方で自家製紅茶キノコに病原菌が繁殖する可能性があるかについての調査が、東京都立衛生研究所で行われました。結果は紅茶キノコに病原菌を接種したところ、48時間以内に病原菌は死滅することを確認しました。このことから、病原菌が自家製の紅茶キノコで繁殖する可能性はないと結論づけています。*7
では自家製コンブチャには問題がないかというと、いくつか注意しなくてはならないことがあります。市販のコンブチャを飲むときにも注意事項がありますので、合わせて紹介します。
自家製は発酵度により含まれる成分に注意が必要
カフェイン量・酸の強度・アルコール度は発酵の進み具合で変わります。季節によっては気づかないうちに発酵が進んでいたり、逆に発酵が進んでいなかったりして、成分濃度が思っていたものと異なることもあります。この点に注意が必要です。
できるだけ自家製は避けて、市販のコンブチャの中から好みのものを見つける方が安全です。
市販品のコンブチャは糖質が多いものがある
糖質の摂取を控えたい人は、市販のコンブチャを飲む際に原材料を確認するようにしましょう。糖質が入っていると、甘くて美味しいのでつい飲みすぎてしまいがちです。
市販品でもアルコールやカフェインが含まれているか確認する
アルコールやカフェインが含まれているコンブチャもあるので、注意書きがないかをしっかり確認するようにしましょう。
コンブチャに似た成分を含む他の食品
コンブチャに似た成分を含む食品をいくつか紹介します。コンブチャの味がどうしても苦手という人は、コンブチャに似た食品を利用する方法もあります。
ケフィア
ケフィアとはコーカサス地方で生まれた発酵乳飲料で、ケフィアグレインという種菌をヤギ、羊、牛の乳に植えて作ります。乳に入っているラクトースが発行して、酸とわずかなアルコールと炭酸が含まれます。酸味があるため甘味料を加え飲まれています。
ぬか漬
飲み物ではありませんが、ぬか漬けも発酵食品です。ぬか床には複数の種類の乳酸菌と酵母による発酵で、ビタミン群、ミネラル、食物繊維、タンパク質、脂質などが含まれます。それらが野菜に染み込んで、野菜の栄養素とともに摂取できます。
納豆
納豆は大豆に納豆菌を植え付けて、発酵させることで作られます。大豆に含まれる栄養素に加えて、納豆菌が作り出す栄養素があります。動脈硬化・心臓病や骨粗鬆症の予防効果が期待されているビタミンK2や脂質の代謝に必要なビタミンB2が含まれています。
乳酸菌・麹入りの青汁やスムージー
青汁やスムージーは野菜やフルーツが原材料で、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。近年の腸活ブームで青汁やスムージーにも乳酸菌や麹などが配合されるようになりました。植物発酵エキスも配合されている商品もあり、腸内の善玉菌の好む環境づくりに役立つ栄養素が豊富に含まれています。
発酵食品で腸内を健康に
コンブチャは乳酸菌などの細菌と酵母が、お茶を発酵する過程で有機酸やビタミン類を作ります。有機酸の存在で腸内は酸性を保ち、善玉菌が増えやすい環境が整います。コンブチャの効果は、腸内環境が整うことで得られるともいえます。コンブチャ以外にも発酵食品・飲料は存在するので、コンブチャの味が合わない時にはこの記事で紹介した発酵食品・飲料を試してみるのもおすすめです。
(参考文献)
*1: Understanding Kombucha Tea Fermentation:A Review (Journal of Food Science Vol. 83, 06 March 2018 580-588)
*2: 腸内細菌叢(腸内フローラ)とは(健康長寿ネット 公益財団法人 長寿科学振興財団)
*3: No.95 短鎖脂肪酸の働き(田中消化器科クリニック)
*4: コンブチャクレンズによる便通改善効果,および体構造の変化の検証(診療と新薬 2019;56[4]:295-301 株式会社 医事出版社)
*5: 第2節 肝臓と腎臓の働き(高校生物Ⅰ改訂版 ユーザーの広場 啓林舘)
*6: 腸管免疫 (公益財団法人 腸内細菌学会/(旧)日本ビフィズス菌センター
*7: いわゆる「紅茶キノコ」の微生物と有機酸(食品衛生学雑誌 1978 年 19 巻 3 号 p. 273-281 社団法人 日本食品衛生学会)