【初めての腸活6選】初心者が陥りがちな効果がないやり方から正しいやり方まで

今ではさまざまな種類の乳酸菌入りの食品や、サプリメントその他の健康食品が存在し、手軽に腸活が始められます。その結果、間違った方法のために効果が感じられないだけではなく、健康を害する危険性もあります。
腸活という言葉が広く知られるようになった今だからこそ、原点に戻って腸活とは何か、目的や方法をチェックしてみましょう。

腸活とは?

腸活を簡単にいうと、腸を良い状態にするための活動です。もう少し詳しく表現すると、腸内フローラを整える活動です。腸内フローラは腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)ともいい、腸内に棲む細菌群のことをいいます。フローラ(flora)は「お花畑」という意味があるのですが、腸内に棲む同じ種類の細菌同士が集合体を形成する様子が、お花畑に見えることからそのように呼ばれています。
「腸内フローラを整える」とは、腸内細菌のうち、私たちにとって有益な働きをしてくれる細菌群を元気にすること、または理想的なバランスを保つことを意味し、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合は、2:1:7が理想のバランスといわれています。*1

腸活の目的は2つ

では腸活をする目的についてはどうでしょうか。何をするにも目的をしっかり持つことは大切です。目的を定めていないと、計画を立てても実行する力が持てなかったり、継続する意思が続かなかったりします。ここでなぜ腸活をするのか、目的についてしっかり押さえておきましょう。目的は大きく分けると2つあります。

腸の消化・吸収の働きを正常に保つため

腸は食事から得られる栄養を吸収する場所です。体を健康に保つためには、必要な栄養素を摂らなければなりません。いくら食事をしても、肝心の栄養吸収が腸で正常に行われなければ、健康を害してしまいます。

悪玉菌は動物性タンパク質を好み、腸内にインドールや硫化水素などの毒素を産生します。肉食中心の生活が続くと、悪玉菌が優勢になり、悪玉菌が産生する毒素により、腸の活動が抑制されて便秘や下痢になり、栄養の吸収も悪くなります。

善玉菌を優勢にすることにより、善玉菌が産生する乳酸や酢酸により腸内が酸性に保たれるために病原菌や悪玉菌の異常増殖を防ぐことができます。腸の運動も活発になり、消化吸収力も正常に保たれます。善玉菌は消化を助け、ビタミンなど体の健康を維持するのに必要な栄養素も産生します。

腸管免疫機能を正常に保つため

病原菌の多くは口から侵入し、体に備わっているさまざまな防御機能が感染から守ってくれます。しかし腸は栄養分などを体内に吸収する器官であることから、腸まで到達した病原菌やアレルギーの原因になる物質なども、栄養分と同じように体内に取り込まれやすい場所でもあります。
そのため腸内には免疫細胞免疫グロブリンA(IgA)が多く存在しており、その量は体中に存在する免疫細胞などの約60%にもなるといわれています。*2

近年腸内細菌叢の解析技術が飛躍的に進歩し、腸内細菌叢を構成する菌種の解析のみならず、細菌が行う代謝や宿主である人間との関係性についての研究が進められています。
健康な人の腸内細菌叢の構成は、Firmicutes門、Bacteroidetes門、Proteobacteria門、Actinobacteria門の4つで全体の90%以上を占めています。このバランスの崩れと、炎症性腸疾患、肥満、糖尿病などとの関連性があるとの報告もあり、注目を集めています。*3

この腸内細菌叢のバランスを保つことは、腸内の免疫機能を維持するためにも非常に重要であることがわかっています。以前はどちらかというと悪玉菌と考えられていたBacteroidetes門の細菌に、腸管免疫の機能に良い働きかけをすることが明らかになりました。*4
このことから腸管免疫を機能させるためには、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)だけではなく、腸内細菌叢のバランス維持も大切であることがわかります。

なぜ腸活が良い?腸活のメリット

腸活は腸内フローラ(腸内細菌叢)を整えることでしたが、そのことで得られるメリットについて考えてみます。

腸内の善玉菌を優勢にすることで得られる3つのメリット

  • 便秘・下痢になりにくい

腸の働きが正常に保たれるので、栄養や水分の吸収がうまく行われるので、便秘や下痢になりにくいです。

  • 肌の調子がよくなる

腸の消化吸収機能が正常に働き、体内に栄養が行き渡ります。悪玉菌の増殖が防げるので、腸内で発生する有害物質も少なくなります。その結果、肌荒れの原因がへり、肌の調子がよくなります。

  • 代謝がスムーズに行われる

善玉菌は腸内での消化を助ける働きをするため、代謝がスムーズに行われ基礎代謝が上がり、ダイエットの効果が得られやすくなります。

*5、*6

腸内フローラのバランスを整えることで得られる2つのメリット

  • 感染症にかかりにくくなる

日和見菌は腸内細菌の7割を占める多数派で、その中に腸管免疫機能を高める働きをする種類の細菌がいます。善玉菌だけではなく、多数派を占める日和見菌のうちの有益に働く菌種を守ることも大切です。免疫力を正常に保つことで、ウイルスや細菌などの病原菌が体内に侵入しても免疫機能により体を守ります。

  • アレルギー発症のリスクが軽減される

アレルギーは遺伝的要因のほか、環境的要因もあるといわれており、近年腸内フローラとアレルギー発症の関連性が注目されています。*7

腸活はこうすれば上手くいく!正しく効果的な方法【基本から応用まで】

せっかく腸活するのなら、正しい方法を知って効果的に進めたいですね。そこでついやってしまいがちなNG行為についても触れながら、腸活の基本から応用までを紹介します。

腸活の方法【基本編】(その1~5)

腸活とは腸内フローラを整えることなので、理想の腸内フローラである「善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合は、2:1:7」のバランスを目標とします。
カギになるのは善玉菌と日和見菌の中でも善玉菌のように人にとって有益な働きをしてくれる菌の数を理想に近づけることです。方法は大きく分けると食事・運動・睡眠です。それぞれについて、詳しく説明します。

腸活をサポートする食事

腸活におすすめの食材などを紹介します。

  • ①食物繊維を含む食材を意識して摂る

食物繊維は善玉菌などの栄養になるので、腸内フローラを理想の比率に近づけるために有効です。食物繊維には水溶性食物繊維不溶性食物繊維があり、どちらの食物繊維も腸活には必須の食材です。
水溶性食物繊維は腸を元気にするために働く腸内細菌の栄養になります。水溶性食物繊維を栄養にする細菌は、分解物として乳酸や酪酸などを産生します。その結果腸内環境は酸性になり、病原菌や有毒物質を作る細菌の繁殖を防ぎます。
不溶性食物繊維は主に便のかさを増し、大腸を刺激して排便を促す働きがあります。また腸内の有害物質も不溶性食物繊維が吸着して、便と一緒に体外に排出するので腸内環境をよくしてくれます。

【食物繊維を多く含む食材のうち、水溶性食物繊維が多い食材】
ごぼう、干しイチジク、ひきわり納豆、インゲン豆(乾燥)、のり、昆布など

【食物繊維を多く含む食材のうち、不溶性食物繊維が多い食材】
キクラゲ、干ししいたけ、枝豆、モロヘイヤ、パセリ、あずき、栗など

【水溶性・不溶性どちらの食物繊維も多く含む食材】
切り干し大根、干しプルーン、ごまなど
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  • ②食物繊維でありがちな間違った行為

食物繊維は野菜など自然のものからの摂取が多いと思いますが、野菜以外にも食物繊維を含んだ食べ物があります。健康食品をはじめとする加工食品に、食物繊維として難消化性デキストリンポリデキストロースが使用されます。これらは人工的に作られた食物繊維で、安全な原材料といわれていますが、摂り過ぎるとお腹がゆるくなることがあります。
合成された食物繊維は適量をわきまえ、過剰摂取をしないように気をつけることが必要です。*9

  • ③乳酸菌入り食品を利用する

ヨーグルトやバターなどの乳製品をはじめ、ぬか漬け、キムチ、サラミ、しょうゆなどの発酵食品には、乳酸菌が含まれています。これらの食品を食べることで、乳酸菌を体内に取り込むことができます。
しかし乳酸菌を含んだ食品を食べても、全てが生きたまま腸まで到達するわけではありません。また生きて到達したとしても、腸に送り込んだ乳酸菌が腸内で定着して増えることはありません。*10
生きたまま腸まで届く種類の乳酸菌はありますが、数日間腸内にとどまり腸内環境を良好に保つ乳酸や酪酸などを産生するので腸活としては意味のあることです。

一方腸に届いた時点で死菌になってしまったとしても、腸内に存在する善玉菌の栄養になるので腸活に効果があります。乳酸菌を配合した健康食品やサプリメントには、生菌で腸まで届く種類の乳酸菌を使ったものや、死菌を配合したものも存在します。
乳酸菌は生きていても死んでいても、腸内の善玉菌にとってプラスに働きます。*11

  • ④乳酸菌摂取でありがちな間違った行為

乳酸菌は摂りすぎてもいずれ体外に排出されるものであり、害にはなりませんが、乳酸菌を含む食品を食べ過ぎると、その食品の塩分や砂糖などを摂りすぎてしまう可能性があるので注意しましょう。

適度な運動で腸の活動を正常化

腸活は食事だけではありません。腸は体の一部であり、脳や筋肉など体全体とつながり影響し合います。ストレスで下痢など腸の状態が悪くなることからもわかります。

  • ⑤軽い運動を継続する

汗を大量にかいたり、呼吸が乱れるほどの激しい運動ではなく、ストレッチやウォーキングなど、軽めの運動を継続的に行いましょう。腹筋を使ったり、ストレッチで腹部をねじったりすることで、腸を刺激してぜん動運動を促すことができます。
激しい運動や長時間運動したら、その分だけ効果があるというわけではなく、1日30分程度でも十分です。

腸活の方法【応用編】その6

腸活の基本編ができるようになったら、自分の体の状態を見ながら、足りないと感じることを補える、自分だけの腸活メニューを考えてみましょう。

  • 和食の頻度を増やす

和食は発酵食品が多く、味噌・しょうゆ・納豆・ぬか漬けをはじめとする漬物は、毎食使われているといっても過言ではありません。これらの発酵食品には乳酸菌が含まれているので、毎日少しずつ摂取することができます。
また大豆を使った食材・調味料や、漬物には食物繊維が含まれていることに加え、発酵過程で細菌によりビタミンなどが生産され、栄養価の高い食品になっています。*12

  • ストレス解消法を見つける

日常に感じるストレスは、腸の活動に影響することがあります。ストレスが強いと感じた時は、少しスローダウンして趣味を楽しんだり、外出したりして気分転換をしましょう。

  • 必要に応じて上手に健康食品を取り入れる

仕事が忙しく、疲労感や便秘などの不調があると感じた時や、食物繊維やビタミンなどが不足していると感じる時には、補助的に健康食品を取り入れることも選択肢の一つです。
健康食品に頼りすぎないよう、食事とのバランスに気をつけましょう。

オリジナルの方法で効果的な腸活を

腸活を正しく効果的に行うためには、一度にたくさんのことを始めようとせず、一つずつ実行して慣れたらレベルアップしていく方法をおすすめします。慣れてきたら応用編で紹介した方法も取り入れながら、自分に必要なものを組み合わせて、オリジナルの腸活を作ることも可能です。

<参考文献>

*1: 腸内細菌叢(腸内フローラ)とは | 健康長寿ネット 公益財団法人 長寿科学振興財団

*2: 腸管免疫(gut immunity) | 公益財団法人 腸内細菌学会/(旧)日本ビフィズス菌センター

*3: 腸内細菌叢と免疫の関わり(日本臨床免疫学会会誌 40(6): 408-415, 2017.)日本臨床免疫学会

*4: バクテロイデスと免疫(腸内細菌学雑誌 27 : 203-209,2013.)腸内細菌学会

*5: 腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット 厚生労働省

*6: vol.146 肥満や病気に深い関係のある「腸内フローラ」の秘密 | OMRON

*7: 食物アレルギーと腸内菌 | 公益財団法人 腸内細菌学会/(旧)日本ビフィズス菌センター

*8: 日本食品標準成分表 | 文部科学省

*9: 食物繊維はお腹の調子を整えるだけじゃないんだ? | 武田薬報Web(武田コンシューマーヘルスケア株式会社)

*10: 食べた乳酸菌は定着しない | Daiwa 大和薬品株式会社

*11: 乳酸菌のお話(ヨーグルトと菌)| 明治ヨーグルトライブラリー(株式会社明治)

*12: 2017年6月号 発酵食品について | 栄養管理部(トータルヘルスケアサービス ホロニクスグループ)

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