青汁と野菜ジュース、違いはある?毎日続けるならどちらがいいか調べてみた!

青汁は毎日の食事に足りない栄養素を補給する飲み物として人気の健康食品です。
青汁の原料になる野菜は栄養豊富で食物繊維、ミネラル、ビタミンがたくさん含まれています。
野菜ジュースはスーパーでもコンビニでもよく見かけます。
種類も甘いものからトマトジュースなどさまざまです。

では、野菜から作られている野菜ジュースは青汁と比べると違いがあるのでしょうか?
栄養面やカロリーも気になるところです。
そこで、今回は青汁と野菜ジュースを比較してみました。

青汁と野菜ジュースの基礎知識

まず、青汁と野菜ジュースの基本をご紹介します。

青汁とは何?

青汁とは、「生の緑黄色野菜をしぼった汁」のことを言います。
青汁は加熱処理ではなく、【生】であることがポイントです。
加熱処理すると元からある栄養素が失われてしまいます。
そこで、収穫した野菜をそのままの状態でしぼって液体にして身体に取り入れてもらおうとしたのが青汁誕生のきっかけです。

1982年にキューサイになる前の長谷川製菓株式会社が青汁の製造を始めて、1980年から1990年代前半は健康に意識する一部の人やキューサイのCMが流れる九州地方だけに知られるものでした。
それから全国区のCMが流れて「まずい!もう一杯!」というキーワードから全国各地でキューサイの青汁が知られるようになりました。

青汁は、ケール、大麦若葉、明日葉が主な原料です。
それらの原料を粉末、液体、錠剤、ゼリーなどの状態にして販売されています。

以前は飲みにくいものとされていましたが、現在では各メーカーが飲みやすいようにクセを抑えたものや甘みを加えたものを作っていて、青汁=苦くて飲みにくいものから青汁=健康的で飲みやすいものに進化しています。

野菜ジュースとは何?

野菜ジュースの定義として「野菜をすりつぶすなどしてジュースにしたもの」とされています。
青汁とは違って、緑黄色野菜という断定した野菜ではなく、さまざまな野菜をすりつぶしてジュースにすることができるのが野菜ジュースです。

日本の野菜ジュースは、トマト不足からトマトジュースが製造されたのがきっかけです。
1957年頃、明治製菓から明治野菜ジュースV7が販売されました。

野菜ジュースの野菜に決まりがなく、複数の野菜や果物が入っているものが多く販売されています。
味も果物や甘味料で甘さのある野菜ジュースから甘さのないトマトジュースや野菜ジュースがあります。

日本での野菜ジュースはトマトジュースに他の野菜を合わせたトマトミックスジュース、人参ジュース、人参と他の野菜を合わせた人参ミックスジュースが一般的で、それらの名称を使用するために農林水産省の規格で定められています。

ちなみに、農林水産省の規格では、果汁50%以上で野菜の汁と果物のみのジュースのことを「果実・野菜ミックスジュース」としています。

青汁と野菜ジュースの違いは何?

青汁と野菜ジュースの違いは何か、比較してみました。

青汁について

青汁は、ケール、大麦若葉、明日葉、小松菜などの野菜をベースとして作られています。
成分はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、βカロテンや葉緑素などその野菜でしか摂れない成分が多く含まれていて、摂りたい栄養に合わせて青汁の原料を見て購入しているファンもいます。

カロリーは1袋あたり10㎉ほどです。
はちみつや黒糖などの天然の甘味料が含まれている場合は10㎉よりも上回ります。

青汁は、生の野菜を収穫してからそのままの状態で製造するため、加熱処理を行うことなく栄養成分をそのまま摂ることができます。
低温乾燥やフリーズドライや活性保存製法など成分が壊れにくい方法で製造するメーカーもあります。
そのため、食物繊維やビタミン類など壊れることなく摂取可能です。

野菜ジュースについて

野菜ジュースはトマトや人参をベースとして作られています。

共通点として、緑黄色野菜であり、ビタミンC、ビタミンA、食物繊維の補給として野菜ジュースを販売しているのが特徴です。
ビタミンCを補うために、リンゴ、ブドウ、オレンジなどの果物を混ぜ合わせています。

カロリーは果物が入っている場合と野菜のみの場合とではカロリーの差がありますが、平均20~30Kcalです。
青汁と比べると10~20Kcalの差のため、あまり気にならない程度ではありますが、その分、果物が入ることで糖分が多く含まれている場合があります。

野菜ジュースは飲み心地にこだわって食物繊維を取り除くことや加熱殺菌を行っているため熱に弱いビタミンCなどの栄養素が失われていて、実際の生の野菜や果物の量と比較すると栄養素は少ない状態です。
ただし、栄養素をカバーするためにビタミンCなどの栄養素を添加しているメーカーもあります。

よく販売されている野菜ジュースは「濃縮還元」という製造方法で作られています。
濃縮還元とは、野菜や果物をしぼった液体を加熱などの方法を用いて水分を蒸発させて、4倍~6倍くらいまで濃縮後に冷凍し、封入する際に水を加えて元の濃度に戻す方法のことです。

濃縮還元をすることなく、野菜や果物だけで作られている野菜ジュースは「ストレート」と呼ばれていますが、殺菌するために加熱処理は行われています。
青汁の場合は、ほとんどが非加熱処理で製造されている場合がほとんどのため、ビタミンCなどの成分が壊れることなく、食物繊維も豊富な状態で飲むことができます。

ちなみに、野菜ジュースのパッケージに1日分の野菜を使用と表記されていても、厚生労働省が推奨している1日の野菜摂取量350gには満たされておらず、栄養素は下回っています。
野菜ジュースを作るために350g分の原料を含んでいますが、栄養素は含んでいないということ
です。

野菜ジュースは商品によって入っている栄養成分の量が異なっていますが、ビタミン、ミネラル、鉄分、葉酸など青汁と比較すると少ない傾向にあります。
理由は野菜ジュースは野菜や果物がもつ水分や濃縮還元の製造工程で水を加えるなどを行っているため栄養成分が濃縮していません。

青汁と野菜ジュースの違いのまとめ

青汁

  • 原料が緑黄色野菜と限定される
  • 見た目は葉野菜をメインに作られているため緑色
  • 食物繊維の量は、野菜そのままで製造されているため、豊富
  • 栄養成分はビタミン、ミネラル、食物繊維がメインで種類によってはβカロテンや葉酸、鉄分などが含まれている
  • 製造工程でなるべく熱を加えないように低温乾燥フリーズドライ、スプレードライ、活性保存製法などの手法を使うメーカーがあるため栄養成分が壊れないように作られている
  • 添加物の違いは、添加物が含まれている青汁もあるが、有機JAS規格マークを選ぶと無農薬有機製法で作られた原料から青汁を作っているメーカーがある。
  • また、添加物無添加の青汁の製品は多く存在する。

野菜ジュース

  • 野菜の種類はさまざまで果物も含まれる場合がある
  • 見た目は野菜の種類によって異なる
  • 栄養成分として、食物繊維は飲みやすさにこだわっているメーカーがあり、食物繊維を取り除いている場合がある
  • 濃縮還元や加熱処理を行っているため、ビタミンやミネラルが生の状態よりも少なくなっている。
  • 添加物の違いは香料が使われている場合がある、また、添加物無添加、国産野菜使用、無農薬で探すと難しい

青汁と野菜ジュースのメリットデメリット

青汁と野菜ジュースにはそれぞれメリットデメリットがあります。
それぞれをご紹介します。

青汁のメリット

低コストで続けやすい

青汁は1杯あたり50から高くても100円程度で飲めるので野菜ジュースよりも安く済ませることができます。
コストがかからないということはお財布に負担がかかりにくいことに繋がるので結果的に長く続けることができます。

低カロリーで高栄養

青汁は10㎉ほどということでカロリーが低く、栄養成分が豊富に含まれているので、ダイエットの方や健康を意識している人には向いています。

栄養成分は失われにくくそのまま補給できる

低温乾燥やフリーズドライ製法を行うことで、高熱を加えずに製造するので野菜の栄養をなるべくそのままの状態で摂ることができます。

飽きてもアレンジしやすい

野菜ジュースも青汁も長く続けていると飽きてくるのが現状です。
水で割って飲むのも飽きてくるので、ジュースで割ったり、ヨーグルトに混ぜたり、料理の具に入れたり、お菓子作りにと色々アレンジして楽しむことができます。

青汁のデメリット

苦みのクセやニオイがあり飲みにくい

ケールを主体とした青汁は苦みのクセやニオイが気になって飲みにくいと言われています。
大麦若葉は大麦になる前の状態を収穫していてイネ科の植物のため草っぽい味がして苦手意識を持たれる場合があります。

ただし、飲みにくいというデメリットは牛乳や豆乳で割ったり、はちみつや黒糖などで甘みを加えて味を変えることで飲みやすさがグッと上がります。

野菜ジュースのメリット

果物入りの野菜ジュースは飲みやすいので野菜嫌いには始めやすい

普段、清涼飲料水を多く飲んでいる場合であれば、普通のジュースを野菜ジュースにするだけで足りない栄養素を少しでも多く取り入れることができます。
普段ジュースばかりを飲んでいる人は急に青汁にシフトチェンジするのは難しいですが、果物が入った野菜ジュースから飲み始めて慣れるというのも良いはずです。

加熱処理でリコピンの栄養成分が吸収されやすくなる

野菜ジュースは加熱処理を行っているので、トマトジュースなどはトマトに含まれているリコピンが加熱処理を行うことで体内に吸収されやすくなるメリットがあります。

野菜ジュースのデメリット

一日350gの野菜でも栄養成分が失われている場合がある

野菜ジュースは加熱処理を行うので、350g分の野菜を使ったとしても栄養成分が失われている場合があります。
その点、加熱処理を行ったことでトマトに含まれているリコピンなどは熱処理でリコピンが吸収しやすくなるメリットもあるのです。

ダイエット目的ならどちらがいい?

ダイエット中はカロリーを制限した上で運動を行っていくのがセオリーです。

運動をすると体内でビタミンCが失われてしまうので、食事のカロリーを抑えて運動を続けていくとコラーゲンの生成に必要なビタミンCが不足しお肌や髪などのツヤが失われていきます。

カロリーを抑えつつもダイエットを意識するのであれば、栄養面をしっかり考えなくてはなりません。
青汁は低カロリーで、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なためダイエットには最適な健康食品となっています。
青汁とプロテインを混ぜて運動後に摂取するのがおすすめです。

海外では、朝食に果物がたくさん入ったスムージー(野菜ジュース)を飲むことで知られていますが、果物は糖分が多く含まれているため、ダイエット中であればなるべく控える成分でもあります。

カロリーや糖分を抑えたいのであれば、朝ごはんの代わりに野菜ジュースではなく青汁を取り入れてみるといいでしょう。
夜寝ている間に胃の中がからっぽの状態で目が覚めた時に青汁を飲むことで胃や腸が目覚めて動き始めます。
また、胃の中がからっぽの状態なので青汁の吸収力も上がるので朝に飲んでみてください。

そこで、朝ごはんの代わりに青汁を飲むことで1食10Kcalに抑えることができます。
もし、青汁だけでは足りないという場合であれば、ヨーグルトと青汁を混ぜたものを朝食代わりにしてみてください。
青汁の食物繊維とヨーグルトでかなりお腹が膨れてきます。

食物繊維とヨーグルトは腸内をサポートする働きがあるのでダイエット中にお腹のケアも出来て一石二鳥と言えます。

普段から野菜不足を感じていて毎日続けるなら青汁がおすすめ

青汁と野菜ジュースの違いをご紹介しました。
野菜ジュースは果物が入っているので野菜嫌いな人にとっては最初は飲みやすく健康意識を高めることはできます。
青汁も最近では飲みやすく作られている商品が多く出そろっているので、野菜ジュース同様に飲み始めることができます。

大きな違いとして、長く続けていくならなるべくコストを抑えて安い価格だとお財布の負担は軽減されるはずです。
青汁は1袋当たり50円から高くても100円前後なのでお財布に優しく価格設定されています。
それに、栄養面においても加熱処理をしている野菜ジュースは栄養素が加熱により壊れてしまっている可能性があります。
青汁はその点、フリーズドライや高温での熱処理を避けているため、野菜本来の栄養成分を摂ることができます。
その点を踏まえると、健康面を考えたうえで長く続けるとなると青汁をおすすめします。

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