青汁で食物繊維不足を解消!1日あたりの摂取量とおすすめ青汁の選び方を紹介
食物繊維は「第6の栄養素」とも呼ばれますが、日本人は昔と比べて食物繊維の摂取量が減っています。食物繊維不足は便秘や腸内環境の悪化だけでなく、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化、肥満などさまざまな生活習慣病とも深い関係があることはあまり知られていません。
青汁は野菜由来の食物繊維が非常に豊富であるため、忙しい毎日の食生活でついつい不足しがちな食物繊維を簡単に取り入れることができます。そこでこの記事では、青汁に含まれる食物繊維の種類や効果、1日あたりの青汁の摂取量、おすすめの青汁までご紹介します。
スッキリと快適な毎日を送るためにも食物繊維を効率よく青汁から取り入れていきましょう!
日本人は食物繊維が不足しているって本当?
日本人は農耕民族ということもあり、古くから雑穀や玄米などの穀物、豆類や根菜類などの野菜などを中心とした食文化がありました。しかし、近年では食の欧米化によって、本来の和食を食べる機会が減り、それと同時に食物繊維も不足しがちになっています。
「平成29年国民健康・栄養調査」によると男女問わず全ての年代において食物繊維が不足しています。とくに20代を中心として若年層では食物繊維の不足が深刻な状態となっています。
食物繊維は栄養がないように思われがちですが、実は非常に多くのメリットを人間にもたらしてくれています。その第一はお腹の調子を整える作用です。食物繊維はお腹に住んでいる腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えます。腸は排泄器官であるとともに、免疫を司る大切な働きもあります。また、他にも食物繊維には多くのメリットがあり、現代人の健康維持に欠かせない栄養素として注目が集まっています。
食物繊維が不足するとどうなるの?
食物繊維そのものには栄養が無く、体にとって大事なものという実感がない方も多いかもしれません。しかし、食物繊維は実に多くの病気と関係しています。食物繊維が不足すると、例えば次のような病気にかかりやすくなります。
- 便秘
- 大腸がん
- 動脈硬化
- 高コレステロール血症(脂質異常症)
- 糖尿病
- 肥満
- コレステロール胆石症
- 虚血性心疾患
など
食物繊維が不足することで腸の病気だけではなく、全身の病気に罹りやすくなってしまうのです。健康のためだけでなく、美容面においても食物繊維は欠かせません。「肌は腸を写す鏡」といわれるように、腸が汚れていると肌の状態も悪くなります。内側からのキレイを目指すためにも、食物繊維は欠かせない栄養素であることを覚えておきましょう。
食物繊維の種類と効果
食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」と定義されています。さらに食物繊維には「不溶性」「水溶性」のタイプがありいずれも青汁に含まれていますが、それぞれに効果が異なるため特徴を知っておくと便利です。食物繊維の種類別の働きをここで確認しておきましょう。
- 不溶性食物繊維
水に溶けない食物繊維、ザラザラ・ボソボソとした触感がある。
作用:水分を吸収して便のかさを増やす。便のボリュームが増えることで腸を刺激するため、排便をスムーズにする働きもある。有害物質を吸着させることで、腸が病気にかかるリスクを減らす効果もある。
植物の細胞壁に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニン、カニなど甲殻類に含まれるキチン など
- 水溶性食物繊維
水に溶けやすい食物繊維、水に溶けてゼリー状になる。
作用:小腸での栄養素の吸収を穏やかにする。コレステロールを体外に排出する作用。食後の血糖値上昇を防ぐ作用。ナトリウム排泄を促して血圧の上昇を防ぐ作用などがある。
果物や野菜に含まれるペクチン、昆布やわかめなど海藻類のヌメリ成分であるアルギン酸、こんにゃく成分のグルコマンナン、デキストリンなど
さらに、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維には、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える効果があります。ヒトが消化できない代わりに腸内細菌が食物繊維を分解してくれているのです。食物繊維は善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌の増殖を促して腸内環境を整える働きがあります。
1日あたりの目安と青汁の摂取量
成人での目標摂取量は男性21g、女性18gとされています。平成28年度国民健康・栄養調査によると、一日に平均12.0gしか摂取できていないのが現実です。1日あたり6g以上の食物繊維が不足していることになります。
この食物繊維の不足を解消するのに一役買ってくれるのが青汁です。青汁は野菜や果物などの原料に含まれる食物繊維が豊富に含まれています。商品ごとに含まれる食物繊維の含有量には差がありますが、青汁1杯あたりだいたい1gから3g程度の食物繊維が含まれていることが多いようです。
つまり1日1杯から2杯程度の青汁を取り入れることで、不足分6gを補うことができるという計算になります。もちろん基本的な食事を十分に見直すことが欠かせませんが、忙しいときや食欲が無い時などには飲むだけで良い青汁は頼りになる食物繊維の補給源となってくれることでしょう。
食物繊維の補給に役立つ青汁の選び方
青汁の種類によって食物繊維の量も種類も異なります。食物繊維の摂取量は多い方が良いこともありますが、体質によっては合う合わないの相性もあります。次の選び方を参考に、上手に食物繊維を取り入れていきましょう。
パッケージの成分ラベルをチェックする
青汁を選ぶときに必ずチェックして頂きたいのが栄養成分表示です。原材料をチェックすることも大事ですが、食物繊維の含有量は原材料を見ただけでは判断できません。カロリーや塩分、糖質などの栄養成分と並んで食物繊維の量も書かれていることが多いので、必ず成分ラベルをチェックしましょう。
飲む量は食物繊維の含有量が少ないタイプであれば1日に2杯、多いタイプならば1日1杯など、含有量に応じて調整してください。
主原料が何かをチェックする
パッケージで成分ラベルで食物繊維の量を確認できない場合には、主原料が何かをチェックすると良いでしょう。主原料が例えば糖質やフルーツエキスなどであれば、野菜や果物に由来する食物繊維があまり多く無いと考えられます。とくに添加物が多いタイプでは主原料の割合が少なくなりがちです。
では、どう選べば良いかというと、主原料がケール、大麦若葉、明日葉など、青汁のベースとなる原料であるものを選ぶことがポイントです。これらの野菜が主原料として使われているタイプであれば、食物繊維の量だけでなく栄養バランスも優れていることが多いのでおすすめです。
食物繊維がプラスされているタイプを選ぶ
一般的な青汁に含まれている程度の食物繊維では足りないという場合や、特別な目的のために食物繊維を集中的に補いたいという場合には、食物繊維を強化したタイプの青汁がおすすめです。
野菜や果物など天然の素材に含まれる食物繊維だけでなく、添加物として別に食物繊維を加えている青汁も多くあります。とくに最近では、甲殻類由来のキトサンを加えたタイプでは「コレステロール対策に」、難消化性デキストリンを加えたタイプは「お腹の調子を整える」といった効果が認められたトクホも登場しています。目的に応じて食物繊維を強化したようなタイプの青汁を取り入れていきましょう。
食物繊維の補給におすすめの青汁
食物繊維を集中的に補給したい、もっと手軽に補給したいという時に役立つのは、どんな青汁なのでしょうか?具体的な商品をご紹介していきます。
DHC ケール青汁+食物繊維
食物繊維の難消化性デキストリン配合で、おなかの調子を整える効果が認められたトクホです。セロリ7本分にも相当する一日摂取目安量あたり7.2gもの食物繊維を補うことができます。(1日3袋摂取した場合)ケールを丸ごと乾燥・微粉砕して作られているので、ケールが持つ栄養をまるごと摂取できることも特徴です。
栄養特化型青汁スムージーVI-DA(ヴィーダ)
VI-DA(ヴィーダ)は青汁とスムージーの良いところ取りをしたハイブリット型の新しい青汁です。
野菜14種、スピルリナやカムカムなど高栄養価食材としても有名で希少なスーパーフード18種が配合されており、かなり贅沢な青汁です。
チアシード、グルコマンナンが配合されており、かなりのトロミがあり飲み応えのある食感が楽しめる「満たす青汁」としても話題になっている商品です。
食物繊維も4.5g配合されている他、厚生労働省が発表した食事摂取基準(2015)をもとに、不足しがちな栄養素がバランスよく摂取できる栄養配合設計で作られているため、1日の不足栄養素を綺麗に補ってくれる嬉しい特徴を持つ商品です。
忙しくて、外食が続く人、コンビニ食が続く人などは是非チェックしてみて下さい。
大正製薬 からだ環境青汁
食物繊維が豊富なことで知られる大麦若葉を主原料に、次に水溶性食物繊維が多く使用されている青汁です。「甘藷若葉」「ケール」「大麦若葉」の3つの青菜を使用し、しかも九州の土壌で育てられた無農薬素材を使用していることも特徴です。超微粉砕製法を採用することにより、栄養まるごと補給でき、のど越しもまろやかで飲みやすいよう工夫されています。
井藤漢方製薬 メタプロ青汁
「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収を抑える」「おなかの調子を整える」機能があることが報告されている、難消化性デキストリンを1日あたり5000mg配合した機能性表示食品です。とくに難消化性デキストリンの配合量が多いことが特徴で原材料ラベルでも一番先頭に書かれています。さらに、大麦若葉末・緑茶末・桑の葉末・明日葉末・クロレラ末・モロヘイヤ末の6種類を配合し、栄養バランスも優れた内容になっています。
小林製薬の栄養補助食品 キトサン明日葉青汁
コレステロールが気になっている方は、食物繊維の中でも「キトサン」を使った青汁を選ぶようにしましょう。キトサンはコレステロールの吸収を抑え、血中コレステロールを低下させる働きがあり、有用成分として注目されています。こちらのキトサン明日葉青汁は、主原料には独自成分カルコンが含まれる明日葉を、さらにキトサンを配合したトクホとして認められています。
ヤクルト 私の青汁
シンプルな原材料で食物繊維を補いたい方におすすめの商品です。1日2袋の目安摂取量でレタスの2倍に相当する食物繊維を摂取することができます。原材料は大麦若葉エキス、水溶性食物繊維、デキストリンの3つだけで、効率よく食物繊維を補うことができます。水溶性食物繊維が豊富なので、不溶性食物繊維でお腹が張りやすい方にもおすすめです。
青汁から食物繊維を摂取する際の注意点
青汁は食品であるため基本的には安全に取り入れられるものですが、飲み方を間違えると思わぬ健康トラブルを招くこともあります。とくに食物繊維を摂取する上では次のような注意点を知っておくと安心です。
飲み過ぎに注意する
お通じを良くしたい、お腹の調子を整えたいなど目的意識が強い人ほど、ついつい青汁を飲みすぎてしまいがちになります。食物繊維の不足分を補う分には良いですが、過剰に摂り過ぎて健康を損なっては元も子もありません。
食物繊維は腸を刺激する作用があることから、過剰に摂ると軟便、下痢や腹痛など思わぬ不調を引き起こすこともあります。ちょうど良い効果が得られる量には個人差があるので、目安摂取量を参考にしつつも自分に合った量を探していきましょう。
また、飲み過ぎによりビタミンやカリウムのバランスが偏り、腎臓などに負担を与えたり、胃腸に負担を与えたりすることもあります。飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
青汁の飲み方を賢く工夫する
青汁を飲む時は水で溶かして飲む方法が基本ですが、ときに牛乳や豆乳などに溶かして飲んだり、シロップなどで味を変えて飲むこともできます。例えば、整腸作用を期待するならば乳酸菌が豊富なヨーグルト、オリゴ糖などを使って飲むのもおすすめです。
また、食物繊維を強化したいということであれば、スムージーに混ぜて使う方法もあります。食物繊維の不足を補うには続けることが大切です。飽きずに飲み続けられる飲み方を見つけて取り入れていきましょう。
青汁だけで食物繊維を補おうとしない
青汁は食物繊維が豊富で栄養バランスも優れているので、青汁を飲んでいるからと安心して食事を適当に済ませてしまう人もいます。青汁はあくまでも栄養のサポートであり、不足分を補うために取り入れるべき食品です。青汁だけで全ての栄養や食物繊維の必要量を賄えるものではありません。
生のままや素材まるごとを頂くことで、ポリフェノール、酵素、生きた善玉菌など青汁では補いきれないような栄養や有用成分を補給することができます。基本的な食事はしっかりと食べるように意識しながら、青汁で足りない分を補っていくようにしましょう。
不足しがちな食物繊維を補給して健康を目指そう
青汁は豊富な食物繊維が含まれているため、現代人が不足しがちな食物繊維の補給に最適な食品です。食物繊維不足はじわじわと体に悪影響をもたらして生活習慣病や腸の疾患などを招くこともあるので早めの対策をおすすめします。青汁は食物繊維不足の解消のみならず栄養バランスを整える上でも役立つので、毎日の食生活のサポートとしてぜひ活用していきましょう。
ただし、食物繊維は摂り過ぎると下痢や軟便などの症状を引き起こすこともあります。個人差も大きいのでご自身の体に合った適量を取り入れることが大切です。ぜひ、青汁を毎日の生活に賢く取り入れて、食物繊維不足を解消していきましょう。