【鉄分摂取にオススメの青汁6選】青汁で摂取できる鉄分も徹底解説

鉄分が不足して貧血になっている人は意外に多く、2015年の厚生労働省の調査*1によると、日本人女性の2人に1人は貧血です。鉄分は赤血球にあるヘモグロビンを構成する大切な栄養素ですが、鉄分の吸収率の低さもあり必要量の摂取はそんなに簡単ではないようです。
鉄分不足に悩む人が多いことから、サプリメントなどで鉄分を補う人も増えています。そこで今回は鉄分を多く含んだ青汁の紹介と、鉄分摂取に関して知っておくと役に立つ情報をお伝えします。

鉄分が添加された青汁を摂るメリット

厚生労働省が定めている1日の鉄の食事摂取推奨量は、成人男性(20〜49歳)で7.5mg、月経のある女性で10.5mg、月経のない女性で6.5mgです。妊婦になると、1日の摂取推奨量は最大でプラス15.0mgにもなります*2、*3。女性は月経や妊娠により、特に鉄分が不足しやすくなるのです。現代人は野菜不足も指摘されているので、青汁に鉄分が添加されたタイプのものを利用することで、野菜不足による栄養素と鉄分を一度に補給することができます。

青汁に含まれる鉄分について

青汁に含まれる鉄分の話の前に、体内に取り込まれる鉄分の種類について説明します。鉄分にはヘム鉄非ヘム鉄があります。ヘム鉄は動物性食品に含まれており、非ヘム鉄は植物性食品に含まれています。

ヘム鉄と非ヘム鉄を摂取したときの違いは、吸収率です。ヘム鉄はポルフィリンという有機化合物がキレート結合した錯体です*4。ヘム鉄は、鉄がポルフィリンに包まれた状態になるため、鉄が直接触れないために胃腸に優しく、吸収がよくなります。

これに対し、非ヘム鉄は鉄化合物で非ヘム鉄に比べて胃腸に負担がかかり、吸収率が下がります。動物性たんぱく質やビタミンCを一緒に食べることで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます*5。

青汁に添加されている鉄分がヘム鉄・非ヘム鉄のどちらであるかは、原材料名を見ればわかります。次に紹介する青汁に添加されている鉄分で見てみましょう。
添加されている鉄分は、「クエン酸第一鉄ナトリウム」「ピロリン酸鉄」「鉄酵母」です。このうち「クエン酸第一鉄ナトリウム」と「ピロリン酸鉄」はヘム鉄です。「鉄酵母」も非ヘム鉄ですが、酵母で包んで吸収率を高めたものです*6。

鉄分摂取にオススメの青汁6選

それでは鉄分が添加された青汁商品を紹介します。数ある青汁商品の中でも鉄分を添加した青汁は、それほど多くありませんが、その分一つ一つの商品をじっくり検討して、鉄分の配合量だけにとらわれず、自分に一番適する青汁を選ぶようにしましょう。
鉄分は体内で再生して使われるものの、毎日少しずつ失われていく栄養素です。そのため食生活の改善を試みながら、鉄分を添加した青汁で足りない分を継続的に補給する必要があります。

VI-DA(ヴィーダ)

商品名VI-DA(ヴィーダ)
メーカー/販売者なにわサプリ
内容量120g
価格2,500円(税込)
主な原材料水溶性食物繊維、大麦若葉末、チアシード、グルコマンナン、大豆タンパク、デキストリン、白桃果汁パウダー、コラーゲンペプチド、キダチアロエ末、ヒアルロン酸、豚プラセンタエキス末、乳糖、イチゴ抽出物、ケール末、乳酸菌(殺菌)、キヌア末、クエン酸第一鉄ナトリウムなど
1回分あたりの鉄含有量7.3mg

VI-DAは青汁ではなく、スムージーに分類されています。青汁とスムージーの違いは、発祥地と当時の原材料です。青汁の発祥地は日本、スムージーはアメリカです。生まれた当時、青汁はケールが使われることが多く、健康に良いけれど苦い飲み物でした。これに対しスムージーは生まれた当初から緑の野菜に季節のフルーツを混ぜて作られており、健康に良く甘味のある美味しい飲み物でした。いずれも歴史があるため、今日までに様々な種類の青汁やスムージーができていて、両者の区別がつきにくくなっているのが現状でしょう。

VI-DAには14種の野菜と、アサイーやキヌアなど18種のスーパーフードが配合されています。スムージーの中には数百種類もの原材料を使って作られたものもありますが、VI-DAは原材料の種類の多さよりも栄養のバランスを考えています。厚生労働省が発表した食事摂取基準(2015)をもとに、不足しがちな葉酸を含む各種ビタミンと鉄分について、成人女性1日の目標量がVI-DA1杯で摂取できるような配合にしています。

飲み方は1日1回を目安に、本品1回分(8g)を100mlの水・牛乳・豆乳などに溶かします。炭酸水で溶かすと満腹感がアップします。溶かしてからしばらく置くと、しっかりしたとろみがついて飲みごたえが増します。フルーツの味でおいしく飲めるので、子どものいる家族にもおすすめです。1回分わずか22kcalというのも、ダイエット中の人には嬉しいですね。

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おいしいフルーツ青汁

商品名おいしいフルーツ青汁
メーカー/販売者ユーワ
内容量120g、3g×40包
価格1,922円(税込)
主な原材料マルトデキストリン、大麦若葉末、植物醗酵エキス末(黒砂糖、キャベツ、イチゴ、リンゴなど)、乳酸菌、カシス抽出物/ビタミンC、クエン酸、香料、クエン酸第一鉄ナトリウム、甘味料、葉酸
1回分あたりの鉄含有量6.8mg

おいしいフルーツ青汁は21種類の野菜、乳酸菌200億個と植物発酵エキスが75種入っています。青汁ですが、大麦若葉を使っているので苦味が少なく、巨峰グレープ味で甘くて飲みやすいです。

飲み方は1日に1包(3g)を80〜100mlの水や牛乳などに溶かします。シェーカーを使って混ぜると、溶かし
やすくなります。

植物発酵エキスとは、植物が持つ栄養素のうち人間が消化吸収できない栄養素を、微生物が持つ酵素の力を借りて得た栄養価の高い食品です。
植物の細胞は、セルロースを主成分とする細胞壁で覆われています。人間はセルロースを分解する酵素を持っていない*7ので、植物を摂取すると細胞壁の中にある栄養素までは消化吸収できません。一部は乳酸菌などの腸内細菌に分解されますが、細胞壁の内側にあるほとんどの栄養素が吸収されないまま排泄されることになります。そこで時間をかけて微生物が持つ酵素の力を借りて細胞壁を壊し、その中にあるビタミン・ミネラル・ポリフェノール等の栄養素を取り出したのが植物発酵エキスということになります。

乳酸菌のまろやか青汁 鉄分プラス

商品名乳酸菌のまろやか青汁 鉄分プラス
メーカー/販売者カイゲン
内容量90g、3g×30包
価格3,982円(税込)
主な原材料国産有機大麦若葉末、マルチトール、難消化性デキストリン、抹茶末、デンプン、乳酸菌EC-12、スピルリナ末/トレハロース、リン酸Ca、ピロリン酸鉄
1回分あたりの鉄含有量4.11mg

乳酸菌のまろやか青汁 鉄分プラスは栄養機能食品(鉄)で、製薬メーカーならではの品質・衛生管理のもとで生産されています。1日に必要な鉄分の半分以上を補えます。
1日に1包を100〜120mlの水またはお湯などで溶かします。1包11キロカロリー。  

はちみつレモン青汁 鉄分プラス

商品名はちみつレモン青汁 鉄分プラス
メーカー/販売者カイゲン
内容量90g、3g×30包
価格3,982円(税込)
主な原材料食物繊維(難消化性デキストリン)、蜂蜜粉末、ケール末、大和まな、大麦若葉末、レモン果汁末、スピルリナ末/リン酸カルシウム、トレハロース、香料、甘味料、ピロリン酸鉄
1回分あたりの鉄含有量3.81mg

はちみつレモン青汁 鉄分プラスのメーカーも製薬会社のカイゲンで、栄養機能食品(鉄)になります。国産の野菜にこだわって作られており、はちみつとレモンの味がする青汁の中でも少し変わった存在です。
1日に1包を120〜150mlの水またはお湯などに溶かします。1包8キロカロリー。

九州GreenFarm 骨&鉄青汁

商品名九州GreenFarm 骨&鉄青汁
メーカー/販売者新日配薬品
内容量45g、3g×15袋
価格550円(税込)
主な原材料還元麦芽糖水飴、脱脂粉乳加工品、大麦若葉末、難消化性デキストリン、ケール末、ほうれん草末、にんじん末、ブロッコリー末、かぼちゃ末、卵黄たんぱく加水分解物、DHA含有精製魚油加工食品/香料、卵殻カルシウム、ビタミンC、甘味料、ビタミンE、ピロリン酸第二鉄など
1回分あたりの鉄含有量1.13mg

大麦若葉、ケールとその他4種類の野菜が入っています。カルシウムと鉄が添加され、成長期の子どもやカルシウム・鉄不足の人向けの青汁です。飲みやすいヨーグルト味。
1日1-2袋を目安に、1袋に80mlの牛乳・豆乳・水などに溶かします。

毎日1杯の青汁 鉄分入り

商品名毎日1杯の青汁 鉄分入り
メーカー/販売者伊藤園
内容量100g、5g×20包
価格1,551円(税込)
主な原材料砂糖、野菜粉末(大麦若葉、ブロッコリー、ケール、ほうれん草、明日葉、ボタンボウフウ)、果糖、パイナップル果汁パウダー、デキストリン、りんごエキス、りんご果汁パウダー、でん粉、マルチデキストリン、鉄酵母、緑茶粉末、伊予柑オイルパウダー、ゆず皮粉末
1回分あたりの鉄含有量0.5〜1.20mg

国産の大麦若葉とケールを使った青汁に、鉄分をプラスしています。フルーツの味で飲みやすくなっています。
1日に1-2包を目安に、1包あたり100mlの水・お湯または牛乳に溶かします。

鉄分を添加していない青汁の鉄分はどれぐらい含まれている?

先に紹介した鉄分を添加している青汁商品の鉄分量を比べると、かなりの幅があることがわかると思います。一番多く配合されている青汁で「VI-DA」の7.3mg、一番少ない青汁で「毎日1杯の青汁」の0.5〜1.20mg(平均0.85mg)です。

鉄分を添加していない普通の青汁でも、原材料によって含まれる鉄分量に幅が出ます。調べた中では鉄分の配合量は1回分あたりの量で0.3 〜 0.6mgでした。やはり鉄を添加している青汁は、添加していない青汁よりも鉄分の量は多くなっています。

鉄分の多い食材を毎日の食事に取り入れよう

青汁もサプリメントと同様、足りない栄養素を補うための目的で使用するものなので、毎日の食事から鉄分を摂取することを心がけるようにしましょう。

そこで鉄分の多い食品を紹介しますので、献立を考えるときの参考にしてください。

ヘム鉄を多く含む食品

100gあたりに含まれるヘム鉄の量で表しています。

  • 豚レバー:13.0mg
  • 鶏レバー:9.0mg
  • 牛レバー:4.0mg
  • あさり(缶詰・水煮):29.7mg
  • 干しエビ;15.1mg
  • カツオ:2.0mg

非ヘム鉄を多く含む食品

100gあたりに含まれるヘム鉄の量で表しています。

  • カシューナッツ:4.8mg
  • がんもどき:3.6mg
  • 糸引き納豆:3.4mg
  • 小松菜:2.1mg
  • 大根葉(ゆで):2.2mg
  • 豆乳:1.2mg

*8

できるだけいろんな食材から鉄分を補おう

鉄は栄養素の中でも吸収されにくい栄養素です。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて吸収率が良いとはいえ、ヘム鉄は10〜30%、非ヘム鉄はさらに低く1〜8%です*9。吸収率が低いので、一つの食品から鉄分を摂ろうとすると、食べ切れないほどの分量になるし、一つの食材を大量に食べることで、過剰摂取してはいけない栄養素がその食材に存在すると健康を害することになりかねません。したがって鉄分は少しずついろんな食材から摂ることが望ましいと言われています。

鉄分が不足気味と感じる人は食生活を見直して、鉄分を多く含む食事を毎回の食事に取り入れてみてください。鉄分が添加された青汁は、鉄分補給のメインとしてではなく、サブとして使うようにしましょう。
また鉄分は摂り過ぎると、健康を害する恐れのある栄養素です。食事から補給するだけの場合には、過剰摂取になることはまずありませんが、鉄分を多く含んだサプリメントなどを過剰に摂取した場合、便秘や胃腸障害などが起こる危険性があります*10。むやみに鉄分を摂取せず、摂取推奨量を目安にしましょう。

<参考文献>
*1:厚生労働省
*2:厚生労働省
*3:厚生労働省
*4:公益社団法人日本生化学会
*5:厚生労働省
*6:株式会社ユニヴ
*7:厚生労働省
*8:文部科学省
*9:日本内科学会
*10:国立健康・栄養研究所

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