青汁とブルーベリーは相性がいい?ブルーベリーが青汁に合う理由とは

紫色で目玉のキャラクターがブルーベリーの歌と共に目に良いことを伝えているCMをご覧になったことがある人も多いのではないでしょうか。
ブルーベリーは目に良い!これは多くの人が知っている事実でしょう。しかし、目以外にも身体が喜ぶ成分がたくさん含まれているのをご存知でしょうか。

また、ケーキやお菓子、ジャムとして手にすることが多いブルーベリーですが、青汁とも相性がいいことはあまり知られておりません。
そんなブルーベリーの栄養や青汁とブルーベリーの相性について触れていきたいと思います。

ブルーベリーの歴史

ブルーベリーの原産国はアメリカで、野生種として存在していたものを1908年米国農務省のコビル博士によってブルーベリーの野生種の栽培化が始められました。

野生種のブルーベリーと言われ、アメリカでは古くからネイティブアメリカンによって生果あるいは乾燥果実として食べられていました。特に乾燥果実は、冬のビタミン類の摂取源でした。17世紀初めヨーロッパからアメリカへ移住した人々が、ネイティブアメリカンから分けてもらった乾燥果実で命を助けてもらったとも言われ、これにより「ブルーベリーは米国人の命の故郷」とも呼ばれているそうです。

日本での栽培は1951年に、当時の農林省北海道農試が、米国マサチューセッツ農試からブルーベリーを導入して適応試験を行なったのが始まりです。
東京農工大学農学部で講師を行っていた「日本のブルーベリーの父」といわれる岩垣駛夫(いわがきはやお)先生が基礎研究を行い、岩垣先生の教えを受け継いだ卒業生「島村速雄」氏がブルーベリーの栽培を自宅農園でスタートしました。これが民間でのブルーベリー経済栽培のはじまりとなり、様々な品種改良を経て、全国で栽培されるようになりました。
現在も東京農工大学農学部構内には、日本で最も古い大株のブルーベリーが育っているようです。

海外から輸入しているイメージの強いブルーベリーですが、日本国内でも栽培しており、東京、茨城、長野の順で生産量が多くなっています。やはり日本のブルーベリーの父が所属していた東京農工大学農学部近郊ではブルーベリーを栽培している農家が多いようです。

ブルーベリーは目にいいだけじゃない

ブルーベリーが目にいいと世界中に広く知れ渡るようになったのは、第2次世界大戦中のある出来事がきっかけと言われております。

ブルーベリージャムが大好物のイギリス空軍のパイロットが、毎日、パンにブルーベリージャムをたっぷりとつけて食べていました。そのパイロットが、夜間飛行の最中に、「薄明かりの中でもはっきりと周りの景色が見えた」と証言したことがきっかけで、イタリア、フランスの学者が研究を開始。その結果、ブルーベリーのアントシアニンと呼ばれる成分が人の眼の働きを助ける効果がある事が研究の結果判明し、ブルーベリーは「健康果実」として認知されるようになったと言われております。

そんな目にいいと有名なブルーベリーですが、具体的にどのような栄養が含まれているか紹介していきます。

ビタミンC

ブルーベリー100gあたり、9mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCは犬や牛は自分でビタミンCをつくれますが、人やサル、モルモットなどはビタミンCをつくれないので、健康のために必ず食事から摂る必要があります。

体の中で様々な働きをするビタミンC、主なものをあげますと「コラーゲンをつくる」「免疫力を高める」「ステロイドホルモンをつくる」「鉄の吸収を促進する」「メラニン色素の生成を抑制する」などがあります。

特に有名な作用は「抗酸化作用」と呼ばれる、体のサビ取りがあります。
呼吸で摂り入れた酸素は一部体内で活性酸素という物質に変わり、その強い酸化力で体内のウィルスを撃退する役割を果たすのですが、活性酸素がたくさん増えると、DNAやタンパク質を傷つけ、細胞の機能を低下させ、癌や動脈硬化、脳卒中、糖尿病などの原因となることがわかっております。ビタミンCの抗酸化作用はこの活性酸素を除去する役割があります。

また、美容にもビタミンCは必須な栄養素です。
美肌のもとである、コラーゲンを作るのにビタミンCは必須であり、ビタミンCが不足してしまうと正常なコラーゲンを作ることができなくなり、肌荒れの原因となります。また、紫外線など日焼けで肌が刺激されると、メラニンが肌に溜まってしまいシミの原因となります。ビタミンCはこのメラニンの生成を抑制する働きがあるので、シミの防止として重要な役割を果たしております。

ビタミンE

ブルーベリー100gあたり、1.7mgのビタミンEが含まれています。
ビタミンEは、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。血管の健康を保ったり、老化対策のために働いたりする栄養素です。抗酸化力が低下すると、紫外線から肌を守りにくくなるため、シミやシワができやすくなります。

カリウム

ブルーベリー100gあたり、70mgのカリウムが含まれています。
カリウムはナトリウムともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持しているほか、栄養素の吸収・輸送、筋肉の収縮、神経の情報伝達など身体の状態を正常に保つために様々なことに関与しています。

また、体内の水分バランスを維持し、血圧を調節しています。ナトリウムやカリウムを過剰に摂ったり不足すると、このバラ数が崩れ血圧が上がったり、むくみを生じたりします。
身体のむくみが気になる方は水分を控える等ではなく、体内の水分バランスを見直し、余分な水分を体外に出すことを意識してみるといいでしょう。

鉄分

ブルーベリー100gあたり、0.2mgの鉄分が含まれています。
鉄分は、赤血球の成分として、血液中で酸素を全身の送り届ける働きがあります。酸素が不足すると身体の機能低下、肌のハリなどを失うことにも繋がっていきます。

また、栄養素として鉄が不足すると、貧血の要因になるだけでなく、月経前後の体調悪化を引き起こしたり、疲れやすくなったりすることもあります。鉄は吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCを含む食品や、肉類と一緒に食べることで、吸収率がアップします。ほうれん草にはビタミンCも含まれているので、他の食材と比べるとより鉄の吸収率も高いと言われています。
普段から貧血気味や月経前後で体調を崩しやすい人は鉄を意識して摂ってみるといいでしょう。

食物繊維

ブルーベリー100gあたり、3.3gの食物繊維が含まれています。
食物繊維は便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの身体への作用が明らかになっています。
現在ではほとんどの日本人に不足している栄養素で、積極的に摂取することが厚生労働省からも勧められます。

特に整腸効果はとても重要で、食べ物から得られる栄養素のほどんは小腸・大腸から吸収されるので、腸の状態が良いことは他の栄養素の吸収に大きな影響を与えます。
いかに栄養豊富な食材やサプリメントを摂ったとしても、腸がそれらを吸収できる状況でないと意味がありません。しっかり栄養を摂っているはずなのに、身体の調子が良くないなと思う方は一度腸の調子を整えてみてはいかがでしょうか。

アントシアニン

ブルーベリー100gあたり、約0.5〜6.5gのアントシアニンが含まれています。
アントシアニンは、ロドプシンの再合成を助ける効能があります。ロドプシンとは、目の網膜にある紫色の色素で、分解と再合成を繰り返すことで、光を信号に変換し、脳へ『目が見える』と信号を送ります。

アントシアニンはロドプシンの再合成を促進し、眼精疲労を回復し、視力を改善する働きがあるとされています。この色素のアントシアニンの作用こそが、ブルーベリーは目によいとされる一番の理由なのです。

生よりも栄養価が高い?ブルーベリーの保存方法

今ではコンビニでも冷凍されたブルーベリーが売っており、手軽に手にすることができるようになりました。そんなブルーベリーですが、生で売られているブルーベリーより、冷凍されたブルーベリーの方が栄養価が高いことがあると言われております。

ブルーベリーは収穫後、生のままだと時間が経つにつれて徐々に栄養価が落ちていってしまいます。スーパー等で売られている生のブルーベリーは収穫後時間が経っていることが多く、その分栄養価が落ちてしまっています。

一方で、収穫後すぐに冷凍したブルーベリーは収穫後の栄養価がそのまま閉じ込められているため、その結果生のブルーベリーより冷凍ブルーベリーの方が、栄養価が高くなることがあるとのことです。

実際にイギリスのチェスター大学とレザーヘッド食品研究所が行った調査でも、冷凍した野菜やフルーツが生のままより栄養価が高いことが証明されました。調査によると、冷凍フルーツと生のフルーツの栄養価を比較した結果、3分の2の品種において冷凍の方がビタミンCや抗酸化物質の含有量が高いことが分かったそうです。

参考文献:Medical Daily

ブルーベリー以外でもフルーツによっては冷凍すると新鮮な時の栄養価を維持できるだけでなく、冷凍する前より栄養価が高くなるものがあるとのことです。
特にブルーベリーに含まれるアントシアニンは生より冷凍した方が含有量が高くなるという結果が出ています。

野菜やフルーツでは、やはり生の方が栄養が高くていい。と考えているひとも多いかと思いますが、ブルーベリーに関しては冷凍したとしても栄養価は下がらず、むしろ栄養によっては増えます。
また、冷凍することで基本的には賞味期限を気にせず保存することができます。ただし冷凍することで少しずつ乾燥してしまうので、少なくとも1年を目安に摂ることをオススメします。

栄養的にも相性がいい青汁とブルーベリー

たくさん身体が喜ぶ栄養素が豊富に含まれているブルーベリーについて紹介しましたが、ここで青汁との相性について紹介します。
生の野菜をサラダとして摂ることが多い海外でもブルベリー系のドリンクと一緒に摂ることが多いそうです。それほど良い組み合わせであるとのことです。

青汁に使われている野菜で有名なものといえば、大麦若葉・ケール・明日葉などがあります。それぞれとても栄養価が高く、様々な栄養素が含まれそれぞれ特徴があります。
大麦若葉・ケール・明日葉などの緑黄色野菜を主に作られた青汁はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれております。ブルーベリーにはビタミン、食物繊維やアントシアニンなど多くの栄養素が含まれており、単体で摂るよりも効果が相乗効果が期待できます。

特にビタミン類を摂取することを目的に青汁を選ぶ場合、使われている野菜の種類や含量によって含まれている量に差がでてしまいます。しかし、美容・健康に重要なビタミンCやビタミンEが豊富に含まれているブルーベリーを一緒に摂ることでその点を補うことができます。

ブルーベリーが青汁をおいしくする

栄養面での話をさせていただきましたが、どうせ摂るなら美味しく摂りたいですよね。

昔とある青汁メーカーのCMで、「まずい!もう一杯!」という一言から青汁は体にいいがまずい!というイメージがあるかもしれません。確かに野菜から作られている青汁にはそれぞれの野菜独特の風味や苦味があります。
そんな時にブルーベリーを一緒に摂ることで、ブルーベリーの甘酸っぱさが青汁独特の苦味や風味を緩和してくれるので、より青汁が飲みやすくなると思います。

特にオススメしたいレシピはスムージです。
レシピのまとめサイトに色々な種類のレシピが載っておりますので、参考にしてもらえたらと思いますが、ここでは簡単なメニューを紹介します。

<2杯分>

  • 青汁:(100g)
  • ブルーベリー:20~30粒程度
  • 牛乳:50cc
  • ギリシャヨーグルト:1個

各材料をミキサーに入れて混ぜるだけです。これだけで簡単に普段の青汁よりもより栄養価の高い青汁を摂ることができます。

ぜひ、一度試してみてください。
他にもバナナやパイナップルを加えたり、牛乳を豆乳に変えたりとアレンジの仕方は無限大です。自分好みの青汁を見つけてみてください。

ブルーベリー が含まれる青汁をあえて選ぶメリットはあるのか

これだけ組み合わせの良い青汁とブルーベリー。では、最初からブルーベリーが含まれている青汁を選べば良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、結論を申し上げますとあえて選ぶ必要はないと思います。

そもそもブルーベリーが含まれている青汁はあまり種類が多くなく、選択肢が狭まってしまします。今ではコンビニでも冷凍のブルーベリーを購入することができますし、青汁とブルーベリーを組み合わせた様々なレシピが公開されておりますので、自分に合ったものを自分で作ることができます。

まとめ

ブルーベリーと青汁の相性は良く、一緒に摂ることで単独で摂取するよりも高い美容・健康の効果が期待されます。

今まで青汁単体で飲んでいた方、青汁は摂りたいけど味がちょっと苦手でという方はぜひ、ブルーベリーと一緒に摂ってみてはいかがでしょうか。

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