【解説】青汁でどの程度ビタミン補給できるか

健康食品として不動の地位を維持している青汁ですが、一方で「青汁には栄養がない」「青汁のビタミンは壊れているから効果がない」などの疑問を持っている方も少なくないようです。青汁で本当にビタミンを補給することはできるのでしょうか?

そこでこの記事では青汁に含まれるビタミンとその働き、また効果的にビタミン補給する飲み方とおすすめの青汁までご紹介します。記事を参考に、ぜひ青汁をビタミン不足の解消に取り入れてみてください。

青汁に含まれるビタミンの種類と働き

青汁には野菜や果物などに含まれるビタミンが豊富に含まれています。ただ、ビタミンといっても非常に多くの種類があります。青汁にはどんなビタミンが含まれているのでしょうか?

ビタミンC

青汁に使われる葉野菜や果物にはビタミンCが含まれているものが多くあります。ビタミンCはとくにケールやモロヘイヤなど緑の濃い野菜、パプリカやかぼちゃなど色の鮮やかな緑黄色野菜にとくに豊富です。ビタミンCは健康に美容に欠かせない栄養素で、しかも不足しがちです。

ビタミンCのはらたき:

  • 抗酸化作用
  • メラニンの生成を防ぎ、日焼けによるシミ・そばかすを予防
  • 粘膜や皮膚を強くする
  • コラーゲンの生成を助ける
  • 血管を強くする

ビタミンCは光や熱によって壊れやすい性質があり、人間は体内で合成する能力がなく蓄えることもできないため毎日繰り返し補給することが必要です。とくに紫外線、ストレスや感染症(風邪など)により消耗するため、ストレスが多い人、風邪をひきやすい人は意識的に取り入れることをおすすめします。

ビタミンB群

ビタミンB群には、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類が含まれます。ビタミンB群は代謝ビタミンと呼ばれ、体に必要なエネルギーを作り出すためにも欠かせない栄養素です。

ビタミンB群のはたらき:

  • 糖質、脂質を代謝してエネルギーを生み出す
  • 脳や神経の働きを高める
  • 皮膚や粘膜の炎症を防ぐ
  • ホルモンを正常に保つ
  • タンパク質や増血など体の構成成分を作り出す
  • 毛髪の健康に関わる

ビタミンB1などは肉類に多いですが、葉酸は青汁の原材料でもある葉野菜に多く含まれています。葉酸は妊娠を考えている女性、妊娠中の女性には大切な栄養素です。青汁を葉酸補給のサポートとして取り入れている方も多くいます。

ビタミンE

ビタミンB、Cと異なりビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。青汁にはビタミンEも含まれています。別名「トコフェロール」とも呼ばれ、細胞膜を作る原料として欠かせない栄養素です。

ビタミンEのはたらき:

  • 抗酸化作用
  • 血行促進
  • 細胞膜を守る作用
  • ホルモンバランス・自律神経の安定

ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果を発揮する栄養素です。ビタミンCは体内のサビ(活性酸素)を還元して疲弊してしまったビタミンEを回復させる効果があります。ビタミンEは肌ツヤを良くするなど、美容面においても欠かせない栄養素です。

ビタミンA(β-カロテン)

青汁に含まれる栄養素の代表とも言えるのが、β-カロテンです。ビタミンAの一種でもあり、β-カロテンはビタミンAに変換されてから作用します。モロヘイヤ、にんじん、ホウレンソウなどに多く含まれています。

ビタミンA(β-カロテン)のはたらき:

  • 皮膚や粘膜の健康を維持する
  • 目の健康を守る作用
  • 光刺激反応に対応する
  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ

β-カロテンは色の濃い野菜を油を炒めて食べることで効率よく補うことができます。欠乏症は報告されてはいませんが、食生活が偏っていると不足することもあるので注意しましょう。

ビタミンK

あまり耳慣れない名前かもしれませんが、ビタミンKも脂溶性ビタミンの1つです。ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、トマトなどの緑黄色野菜や、海藻類にも含まれています。

ビタミンKのはたらき:

  • 血液を固める作用
  • 骨を丈夫にする作用
  • 動脈の石灰化を防ぐ

青汁にはビタミンKが豊富に含まれているため、抗血液凝固剤のワーファリンを服用している人は飲み合わせに注意が必要です。ワーファリンの血液サラサラ作用をビタミンKが邪魔してしまうため薬の効果に影響してしまうためです。抗血液凝固薬を服用中の場合は医師に青汁の摂取について相談しておきましょう。

青汁に含まれるビタミンの量は?

青汁に含まれるビタミンの種類が分かったところで、どの位の量が含まれているかも気になりますよね。青汁に含まれるビタミンの量は、原材料の種類と量、製造工程、添加物などによっても変わってくるため、一概に〇〇グラムと示すことが難しくなっています。

例をあげると、日本薬健の「金の青汁」では大麦若葉100%を使用しています。1パック(3g)中に含まれるビタミンEはゴマ大さじ22杯分、ビタミンB2 は、玉ねぎ約2個分、葉酸は、ブルーベリー約67個分となっています。

商品によって「1日に必要な栄養〇〇を〇〇g配合!」のように書かれていることもあります。どんな栄養を強化したいかによって選んでみると良いでしょう。青汁のパッケージには栄養成分表示が記載されているので、栄養価を知りたい場合にはチェックしてみてください。

ビタミン補給に役立つ青汁の選び方

「偏った食生活に青汁を取り入れたい」、「美しい肌を手に入れたい」など、青汁を飲む目的はさまざまですが、ビタミンを効率よく補給するにはどんな青汁を選ぶのが良いのでしょうか?ビタミン補給に適した青汁の選び方をご紹介します。

原材料で選ぶ

青汁の栄養バランスは原材料によって決まります。とくに最も多い主原料が何かが鍵になります。原材料の違いによって、次のようにビタミンの種類も特徴があります。

ケール:ビタミンCやβ-カロテン、ビタミンB2、ナイアシンなど
大麦若葉:ビタミンA(カロテン)、ビタミンC、ビタミンE
明日葉:ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE

これらの野菜以外にもモロヘイヤ、モリンガ、桑の葉、熊笹などをベースとした青汁があります。主原料がどれかということも大事ですが、どのくらいの量を使用しているかどうかも大事です。成分ラベルでビタミンの配合量を確認してみましょう。

素材丸ごと乾燥粉砕したタイプを選ぶ

青汁といっても、野菜や果物の抽出液を粉末したタイプと、野菜や果物を丸ごと乾燥・粉砕させたタイプなど、製法にはいくつかの方法があります。液体抽出して粉末化したタイプは、溶けが良いことがメリットですが皮に含まれている栄養を取りこぼしてしまう、栄養が壊れやすいといった弱点があります。メーカーにもよるため一概には言い難いですが、素材を丸ごとの栄養を補給できるという点では乾燥粉末タイプの方を選ぶと良いでしょう。

非加熱製法のタイプを選ぶ

さらに製法にこだわるならば、非加熱と明記されているタイプがおすすめです。ビタミンCのように加熱に弱いタイプのビタミンも効率よく補給することができます。例えば、凍結乾燥、フリーズドライのタイプは加熱せずに素材を微粉末化させているので、栄養が壊れにくくなっています。凍結乾燥タイプではなくても、栄養が壊れないように工夫されている製品もあるのでパッケージで良く確認してみましょう。

ビタミンなどの栄養補給におすすめの青汁

市販されている青汁は基本的には何らかのビタミン、ミネラルが含まれていますが、どんな青汁でも同じではありません。ここでは健康的な栄養補給に役立つおすすめの青汁をご紹介します。

栄養特化型青汁スムージーVI-DA(ヴィーダ)

VI-DA(ヴィーダ)スムージー

VI-DA(ヴィーダ)は青汁とスムージーの良いところ取りをしたハイブリット型の新しい青汁です。
一般的な青汁だと菜っ葉類の栄養素が中心となり、1日に推奨されている栄養素の一部しか補うことができません。
VI-DAは厚生労働省が発表した食事摂取基準(2015)をもとに、不足しがちな葉酸を含む各種ビタミンと鉄分について、成人女性1日の目標量がVI-DA1杯で摂取できるように配合されており、飲み応えが出るようグルコマンナンとスーパーフードであるチアシードが配合されています。
そのため、腹持ちが良く、野菜14種、スピルリナやカムカムなど高栄養価食材としても有名で希少なスーパーフード18種(チアシード含む)が配合されており、かなり贅沢な青汁です。

ドクターベジフル青汁

大麦若葉を主原料に一杯で21種類の野菜と酵素が摂れると人気の青汁です。原材料として九州の契約農家の21種類の野菜を使用し、さらに無添加、残留農薬検査済、放射能検査を実施など徹底した安全管理がなされています。自然に恵まれた土壌で育まれた野菜たちのビタミンとミネラルを安心して手軽に取り入れられる青汁です。

日本薬健 金の青汁

大麦若葉100%だけで作られたシンプルな青汁です。原材料は九州で無農薬栽培された国産の大麦若葉を惜しみなく使用しています。しかも、採取してから24時間以内に加工することで鮮度を保っていることも特徴です。無添加・無着色でお抹茶風味のスッキリとした味わいで飲みやすさも定評があります。

KALE FARM  KALE STRAIGHT

ケールだけを絞って液体のまま製品化したという新しいタイプの青汁です。コールドプレス製法といって低温で絞ることで栄養が壊れにくく、新鮮なケールの鮮度をそのまま閉じ込めていることが特徴です。まさに「本格派ケールジュース」とも呼べるような商品で、本格派の青汁をお探しの方はにおすすめです。

青汁で効率よくビタミン補給するには

青汁を栄養補給に効率よく取り入れるには、青汁の選び方も大切ですが飲み方にもコツがあります。青汁の栄養を上手に取り入れる方法をご紹介します。

毎日1杯の習慣をつける

栄養バランスは1日1日の積み重ねが大切です。今日は食事が偏っていたから青汁を飲む、というのも良いですが、長い目で見れば継続する方が効果的です。栄養はエネルギーや体をつくる源となり、毎日消費されていきます。毎日補給しなければ、すぐにまた足りなくなってしまうのです。健康に良いことを始めたい、栄養バランスを整えたいということであれば、毎日1杯の青汁を飲むことから始めてみましょう。

食事のお供または間食に取り入れる

青汁を飲むタイミングは基本的にいつでも構いません。習慣にすることが大切なので、朝ごはんと一緒に1杯、間食代わりに1杯などライフスタイルに合わせて取り入れていきましょう。

栄養補給という点では例えば脂溶性ビタミンの吸収には、油が必要なため食後の方が効率が良いとも言えます。また、牛乳や豆乳などと合わせることでビタミンの吸収を高めることもできます。ただ、牛乳や豆乳の飲み過ぎはカロリーオーバーにも繋がるので、適度に取り入れることをおすすめします。

基本的な食事の補助として飲む

青汁にはビタミン・ミネラル・食物繊維などの優れた栄養が豊富に含まれているとはいえ、全ての栄養を青汁だけで補うことはできません。それは加熱や加工の過程で失う栄養があること、野菜や果物だけでは補えない栄養があるからです。例えば、タンパク質や脂質などの三大栄養素も青汁では十分に補うことができません。

栄養バランスを高めるには、食事を見直すことが第一です。青汁はあくまでも食事では補いきれないビタミンやミネラル、食物繊維の補給として活用していきましょう。

青汁で気をつけたい注意点

青汁はとても有益な食品ですが、摂り方次第で体に余計な負担を与えてしまうこともあります。次の注意点を理解した上で、安全に健康維持に取り入れていきましょう。

飲み過ぎに注意する

栄養価が高いからといって青汁は飲めば飲むほど良いものではありません。むしろ飲み過ぎによりお腹を下す、腹痛、便秘など腸のトラブルや栄養が偏ってしまうこともあります。
青汁を飲む場合には製品ごとに決められた適量を目安に、ご自身の体調に合わせて調整するようにしましょう。

病気や不調が治るわけではない

青汁は栄養バランスの補助としては優れた食品ですが、病気や不調を治したり、症状を和らげたりするような効果は期待できません。病気の予防として役立てることはできますが、青汁を飲んでいれば大丈夫といったお墨付きがあるわけでもないのです。基本的な食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直しながら、青汁を健康管理に役立てていきましょう。

アレルギーや治療中の疾患がある場合は相談すること

青汁には植物素材が使われているため、体質によってアレルギーを起こすこともあります。とくに元々アレルギー体質、食物アレルギーがあるという場合には、あらかじめ医師に相談しておくと良いでしょう。

また、治療中の病気がある方や、退院後など医師の指導を受けている場合にも、青汁を飲んでも大丈夫か確認しておくと安心です。医師の考えもあるので自己判断ではなく、予め相談しておくことをおすすめします。

青汁を取り入れて手軽に栄養補給しよう

今回は青汁とビタミンについて解説しましたが、理解は深まったでしょうか?青汁には健康のために欠かせないビタミンが豊富に含まれています。青汁の種類や製法、飲み方によっても栄養の吸収や効率が変わります。ポイントを押さえて青汁を効果的に取り入れていくようにしましょう。

また、青汁を飲むだけではなく毎日の食事に野菜や海藻類、果物などを素材のまま頂くこともとても大切です。青汁を取り入れつつ、食生活も少しずつ見直していきましょう。忙しく過ぎていく毎日の中で不足しがちな栄養を補給するため、ぜひ青汁をお役立てください。

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