【バナジウムの効果】生活に必要不可欠!知られざる役割を解剖

バナジウム天然水!
コンビニでも普通に水を購入する時代です。その中でもより健康に良さそうな水を選んで購入する方も増えてます。

しかし、「バナジウムについて詳しい!」という方もいれば、「そもそもバナジウムって何?」という方もいるかと思います。

今回はそんなバナジウムについて、バナジウムの役割、私たちの健康とバナジウムの関係性などについて話していきたいと思います。

バナジウムとは

バナジウムは原子番号23、元素記号は V の元素です。

バナジウムはバナジウム族元素で、5大栄養素・ミネラルの一種でもあり、海や湖、河川といった水に恵まれた場所や堆積岩層、土や植物などに存在している成分です。

ミネラルは、カルシウムやマグネシウムなど健康維持に必要な「必須ミネラル」と、それ以外のミネラルに分けられます。

バナジウムは摂取することで人体にどのような効果があるのかがまだ完全には証明されていないため、必須ミネラルには分類されていません。しかし、多くの研究が行われ、様々な効果が期待されており、バナジウム水などへの関心が高まっています。

もちろん健康面以外でもバナジウムは私たちの生活には欠かせない元素です。
どのような場面でバナジウムが活躍しているかをまとめてみました。

バナジウムの歴史

バナジウムの効果や役割を話す前にバナジウムの歴史をまとめてみました。
バナジウム発見には紆余曲折、多くの出来事がありました。

1801年、メキシコの鉱物学者A.デル・リオがメキシコ中部の鉱山で鉛を含む褐色の好物(褐鉛鉱)を発見し、それを分析したところ、未知の金属が15%含まれていることを発見しました。その反応溶液は、少し前に発見されたクロムのように、参加状態に応じて様々な色を呈したことから、リオは「すべての色を有する」という意味の「パンクロミウム」と命名しました。

しかし、クロムを発見したフランスのL.ヴォークランの友人であるH.コレ・デコティルが同じ鉱物を分析したところ、パンクロミウムがクロムであることと報告しました。その報告を受け、リオは自分の発表を撤回してしまいました。

1830年にスウェーデンのN.セフストレームは鉄の低温脆性の原因を調べる過程で、鉄を塩酸に溶かした時の黒い残留物から、バナジン酸アンモニウムを発見しました。セフストレームは新たな元素をスカンジナビア神話における愛と美の女神バナディスに因んでバナジウムと命名しました。

しかし、これと同時期にドイツのF.ヴェーラーはデル・リオがパンクロミウムと名付けた元素が実はバナジウムであることを実験で確認しました。ただ、他の実験事故の影響ですぐに発表することができず、バナジウムの発見はセフストレームに先を越されてしまいました。

このような紆余曲折はありましたが、最終的には褐鉛鉱にも含まれることが発見され、バナジウムという名称で多くの研究が行われるようになりました。

バナジウムの効果と用途

バナジウム天然水のイメージが強いため、健康面での役割の印象を多く持っている人も多いかもしれませんが、バナジウムの用途の大半は製鋼における添加物としてで、全体の約8割以上とも言われています。

用途例として、バナジウムを1%以上含む鋼は、炭素とバナジウムの結合によって組織が細粒化するので、靭性と強度が高くなります。そのため、ビルや橋梁の構造材に用いられています。また、タングステン(18%)、バナジウム(14%)、クロム(1%)を含む鋼は、高速度での切削でも刃先が軟化しない高速度鋼としても知られています。

鋼材の他にも、化学反応の触媒としても重要です。他にもバナジウムの化合物には、電子素子、蛍光体、顔料、塗料として用いられるものがあります。

バナジウムの効果効能・体内における作用や役割

私たちの生活に欠かせないバナジウムの役割をまとめてみましたが、次は私たちの健康の分野での役割についてまとめてみます。まだまだ研究中の内容も多いのですが、バナジウムは体内でも様々な働きに関わっています。

様々な効果が期待されていますが、一番有名で将来治療に使われることが期待されている役割があります。「血糖値を下げる」という効果です。

動物実験での結果ですが、インスリンと同じように血糖値を下げると言われ、糖尿病の予防や改善に効果があると期待されています。しかし、バナジウムを含む飲料水を用いたところ血糖値が減少したという研究もあれば、変化なしと報告されている研究もあります。

現在は期待される程度が有力ではありますが、今後の研究次第では将来糖尿病の治療薬として用いられるかもしれません。

バナジウム天然水

バナジウムの天然水についても現在研究中であり、多くの効果が期待されています。
期待されている効果としては先ほどの血糖値の低下以外にも、脂質の代謝を促進してコレステロールの合成の防止、便秘の改善などです。

しかし、あくまで動物実験などの結果から効果が期待されているという段階なので、バナジウムを含む飲料水を飲んでもそのような効果が得られない可能性があります。

上限について

水とはいえ、栄養素を多く含んでいるので、上限があるものもあります。
バナジウムに対して日本では摂取上限などの明確な基準が定められてはいませんが、米国の食事摂取基準では、成人の摂取上限値は「1日当たり1.8 mg以下」と設定されています。

こちらがどれくらいかと言いますと、「市販の高濃度バナジウム水を1日に2 L飲んだとしても摂取上限値を大きく下回る」ということで、大量に飲みすぎなければ、あまり心配する必要はないと言われています。

また、少々古いデータになりますが、2000年におこなわれた厚生労働省国民栄養調査結果によると、日本人1人当たりの平均バナジウム摂取量は、1日当たり0.027 mgだったとのことです。

食べ合わせなどの注意点

他のミネラルウォーターと同様に、バナジウムが含まれている飲料水も軟水・硬水の2種類に分けられます。

硬水はマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているため、飲みすぎてしまうとマグネシウムの過剰摂取になってしまう可能性があります。体質にもよりますが、マグネシウムを過剰に摂取すると下痢などの症状が出ることもあるので、気になる方は軟水のバナジウム水を選ぶと言いと言われています。

また、海藻類や貝類などの食品にはバナジウムが多く含まれているため、バナジウム水と一緒に食べる際には少し注意が必要です。

実際はよほど偏った食生活でない限り問題ないかと思いますが、「1日当たり1.8 mg以下」を意識してみるといいでしょう。

バナジウムは生活に不可欠な元素

バナジウムについてまとめてみましたがいかがでしたか。

元々日常的に摂取している人も多かったかもしれません。しかし、飲料水以外でも私たちの生活を支え、将来、糖尿病などの治療薬になる可能性を秘めています。これからの研究により多くの効果、役割が発見されるかもしれません。

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