【青汁の飲み過ぎは危険】1日あたりの摂取目安量と正しい飲み方

健康に良いといわれる青汁ですが、飲み過ぎた場合には逆効果になることもあります。どの程度の量から飲み過ぎになり、飲み過ぎるとどんな悪影響があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。健康になりたいという思いが強いあまりに青汁を飲み過ぎてしまい、逆に不健康になってしまっては元も子もありません。

どんな食品も摂り過ぎれば害があるものですが、もともと食品ということもあり注意点さえ知っておけば青汁は安全に取り入れられるものです。そこでこの記事では「青汁を飲み過ぎるとどうなるの?」「どの程度の量を飲めば大丈夫?」などの疑問にお答えします。

青汁を飲み過ぎるとどうなる?

健康のため、美容のために、早く効果を出したい、効果を高めたいという気持ちから青汁を多く飲んでしまう方もいるかと思います。しかし、結論から言うと青汁は飲む量を増やしたからといって効果が高まるものではなく、むしろ飲み過ぎによって栄養の過剰摂取に繋がることがあるため注意が必要です。では具体的にどんな栄養の過剰摂取により、どのような悪影響が考えられるのでしょうか?

食物繊維の摂り過ぎ

下痢や便秘など胃腸のトラブル

青汁の飲み過ぎに多いのが食物繊維の摂り過ぎによる胃腸のトラブルです。青汁には豊富な食物繊維が含まれており、普段の食生活に青汁がプラスされると食物繊維の摂取量もその分増えます。

食物繊維には腸を刺激する作用、便の量を増やす作用、腸内細菌のエサになる作用など、さまざまな効果がありますが摂取量によっては作用が強く出てしまうことがあるため注意が必要です。

食物繊維の摂り過ぎによって、大腸が刺激されて下痢になる人もいれば、腸の排出力が不足している方では便秘になる場合もあります。また、腸内細菌が発酵しすぎてお腹のハリ、ガスやおならが多くなるという方もいます。とくに大腸に刺激や負担を与えやすいのは不溶性食物繊維の方であり、青汁にも多く含まれています。
最初は少しずつ量を増やしていき、調子に合わせて調節して飲むようにしましょう。

ミネラルバランスの乱れ

食物繊維には老廃物や体内の栄養分の排出を促す作用もあります。そのため摂りすぎると、体に必要なタンパク質やミネラルまで過剰に排出されてしまう可能性もあるので注意が必要です。青汁にはミネラルやビタミンが豊富に含まれているため、欠乏症が起きることは考えにくいですが飲み過ぎによりバランスが崩れないよう注意しましょう。

カリウムの摂り過ぎによる腎臓の負担

青汁には豊富なミネラルが含まれており、とくにカリウムは葉野菜に多く含まれているミネラルです。カリウムは水分調整や血圧調整などに欠かせないミネラルですが、過剰に摂取すると腎臓に負担を与えてしまう可能性があります。

とくに、もともと腎臓に何らかの疾患を抱えている場合や、腎機能が低下しがちな高齢者ではカリウムの過剰摂取が腎臓に負担を与えやすいため注意が必要です。

ビタミン・ミネラルの摂り過ぎによる肝臓の負担

ビタミンには水に溶けやすい水溶性ビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンがあります。水溶性ビタミンは摂り過ぎても尿などに排出されるため過剰症の心配がありませんが、脂溶性ビタミンは体内の脂肪組織や肝臓などに蓄積しやすく過剰症を起こす可能性があります。

青汁にはビタミンEなどの脂溶性ビタミンが含まれているため、脂溶性ビタミンの過剰摂取につながる可能性があります。普段の食生活だけでも充足していることが多いため、青汁などの健康食品やサプリを摂取している場合は過剰症に気をつけましょう。

ビタミンKの摂取と血液凝固剤

青汁の原料であるケール、大麦若葉、モロヘイヤ、桑の葉はビタミンKの含有量が多い植物です。そのため青汁もビタミンKが豊富に含まれています。

ビタミンKは血液凝固に必要な成分であり、怪我したときに速やかに止血させる作用があります。ビタミンKそのものに過剰摂取の報告はありませんが、ワーファリンという血液凝固剤を服用している場合は薬の作用に悪影響する可能性があります。血液凝固剤を服用している場合には必ず青汁の摂取について医師と相談しておきましょう

食物繊維はどれくらい不足しているの?

青汁にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれていますが、とくに摂取量の観点から気になるのは食物繊維の量です。飲み過ぎによる悪影響に直結しやすいのも、食物繊維の摂り過ぎです。

1日あたりの食物繊維の摂取量

食物繊維の1日あたりの摂取目安量はどの程度なのでしょうか?

厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、1日あたりの「目標量」は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上と定められています。

現代人の食物繊維の平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。つまり1日あたり約5g程度の食物繊維が不足している状態です。

青汁に含有されている食物繊維量

では、青汁1杯にはどの位の食物繊維が含まれているのでしょうか。商品によって明記されていない場合もありますが、多くの商品はラベルに食物繊維量が記載されています。実際に青汁の製品ごとに食物繊維の量を比較してみました。

ファンケル 1日分のケール青汁:1.4g
ヤクルト 青汁のめぐり:3.1g
ヤクルト 私の青汁:2.7g
山本漢方製薬 大麦若葉粉末100%:0.9g~1.5g 
アサヒ緑健 緑効青汁:0.68g

以上のように製品ごとに食物繊維の量にはバラつきがありますが、概ね1杯あたり1-3g程度が入っていることが多いようです。
例えば、ヤクルト青汁のめぐりの場合は、1杯あたり3.1g含有されているため2杯飲むと6.2gとなり、不足分を超えてしまう可能性はあります。青汁は飲むだけで良いので、噛んで食べる食事と比べて簡単に取り入れられることもあり、ついつい飲み過ぎないよう注意しましょう。

食物繊維の摂取量には個人差が大きい

紹介した食物繊維の摂取量はあくまでも目安です。とくに食物繊維の十分量には個人差が大きく、排便回数など体のサインも大切な指標となります。「1日に1回、規則的な排便がある」を基準として、1日の排便量約150g(Mサイズの殻なし鶏卵に換算すると約3個分)を参考にして十分な食物繊維量が補えているかチェックする必要があります。青汁に含まれる食物繊維の量を確認して、1日あたり必要な量だけ飲むようにしましょう。

青汁の1日あたりの摂取目安量は?

では、食物繊維を青汁から過剰に摂り過ぎないようにするためには、1日あたりどれ位が適量なのでしょうか?あくまでも食品ということもあり明確に基準量は定められていませんが、食物繊維の1日あたりの摂取量と、製品ごとに決められた摂取目安量が参考になります。

基本的に1日1杯であれば食物繊維を摂りすぎる心配はありませんが、もともと摂取している量や体質にもより適切な摂取量は違いがでてきます。また、1日数グラム多く摂取した程度で直ちに副作用が出るというわけでもありません。

1日に2杯飲んだとしても青汁の種類や、もともとの食生活や体質により特に問題がないことも多いです。ただ、2杯を超えると食物繊維やミネラルなどの過剰摂取や、特定の栄養に偏りやすくなる可能性が出てきます。商品に記載されている1日あたりの目安量なども参考に1日1〜2杯を目安に、体調と相談しながら調節していくことをおすすめします。

青汁を飲み過ぎを防ぐには?

健康のためにと飲み過ぎる以外にも、何となく習慣的に飲んでしまったり、美味しいからと飲んでしまったりすることもあるでしょう。では、青汁を飲み過ぎてしまわないように、どんな工夫をすれば良いのでしょうか?

1杯の青汁を複数回に分けて飲む

朝も夜も青汁を飲みたい、リフレッシュに青汁を取り入れたいという方は、1日2回など1杯を複数回に分けて飲むと良いでしょう。粉末タイプであれば半分ずつ使う、液体タイプであれば1日2回に分けて飲むといった方法があります。

ミルクや豆乳などで満腹感をプラスする

水で溶いた青汁はさらさらと飲みやすい反面、すぐに飲み終わってしまいがちです。空腹感を紛らわすためや置き換えのために飲みたい、という場合にはミルクや豆乳、アーモンドミルクなどマイルドな飲み口になる飲み物に溶かして飲むのがおすすめです。脂肪分が増えることで腹持ちも良くなり、満足感も得やすくなります。ただし、カロリーオーバーにならないよう、1日2回飲む場合には摂取量に注意が必要です。

基本の食事をしっかり食べる

青汁はメインの栄養源ではなく、あくまでも栄養の補助として取り入れるものです。青汁を飲んでいるからと野菜を一切食べないのは栄養的にも望ましくありません。青汁から摂取できる栄養と食事から摂取できる栄養は異なり、食事から摂るべき栄養もあります。例えば、加熱に弱いビタミンや酵素などは、青汁よりも生野菜などの方に多く含まれます。

また、青汁を短期間に大量に飲んでもとくに健康効果が高まるわけではありません。例えば、栄養補給のために便秘の改善のために1日に何杯も青汁を飲むというのはNGです。1日の推奨量を目安に栄養サポートとして取り入れ、基本的な食事をバランスよく食べるようにしましょう。

青汁の飲み過ぎに注意が必要な人は?

青汁は飲む量に気をつけて適量摂っている限り、基本的には安全な飲み物です。ただし、年齢や体の状態によっては、普段と同じ量でも思わぬ体調変化が起きることがあります。次に当てはまる場合には、様子を見ながら量を調節して飲むようにしましょう。

青汁を初めて飲むとき

青汁を飲むこと自体が初めて、初めて飲むタイプの青汁などの場合には、どの程度の量が自分に合っているかが分からないため少量から始めることがポイントです。1杯を目安に心配であれば半分から始めるなど、様子を見ながら量を増やすようにしましょう。

子供や高齢者

子供は大人と同じ量を飲むと、お腹が緩くなったり、逆に便秘になったりする可能性があります。子供は消化器官が未発達ということもあり、青汁の作用が強く出過ぎる可能性があります。また、食物アレルギーの心配がある場合には、予め医師に相談しておくと安心です。

最近では子供向けに作られた青汁もあるので、商品ごとの目安量を参考に飲ませてあげましょう。大人向けの青汁であれば半分程度を目安に、味の好みなども考慮して飲ませてあげることをおすすめします。

また、高齢者は腎機能の低下や消化力の衰えなども考慮して、飲み過ぎに注意する必要があります。噛むことも身体機能や認知機能を維持するために非常に大切であるため、基本の食事が十分に摂れない場合の補助として役立てましょう。

妊娠中・授乳中

普段とは体の状態が変わりやすい妊娠中や授乳中に青汁を取り入れたいという方もいるでしょう。青汁を飲むことは問題ありませんが、緑茶や抹茶などが配合された青汁にはカフェインが含まれていることもあります。なるべく妊娠中・授乳中はカフェインレス、できれば無農薬・無添加の青汁を選んで体に余計な負担を与えないように気をつけましょう。また、つわりで食欲が無い時などは、ストレスにならないよう無理のない範囲で適量を取り入れるようにしましょう。

体調不良や治療中の病気がある場合

青汁には食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、体調不良で胃腸の機能が落ちている時などは通常の量でさえも胃痛や胃もたれを起こすことがあります。また、治療中の病気がある、服用中の薬がある場合なども、念のため青汁を飲んで大丈夫か医師または薬剤師に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

青汁は健康や美容には豊富な栄養が含まれており、飲むだけで手軽に日々の栄養不足を補うことができます。しかし、いくら健康に良いからと飲み過ぎたり、特定の目的のために短期に大量摂取するなどの飲み方は適切ではありません。偏った飲み方をすると思わぬ健康トラブルに繋がる可能性もあるため、推奨される目安量を守って取り入れるようにしましょう。ぜひ、毎日栄養たっぷりの青汁を適量飲んで、日々の健康管理に取り入れてください。

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