青汁は本当に体に良いのか。多くの人が青汁を飲む理由

青汁は「体に良い」というイメージがありませんか?いまや健康食品の代名詞のようになっている青汁ですが、「本当に体に良いの?」「摂取する意味はあるの?」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。どうして多くの人が、健康のために青汁を飲んでいるのでしょうか?副作用はないのでしょうか?

青汁といっても様々な種類があるので、メリットを理解した上でライフスタイルにあったものを選ぶことが大切です。ここでは、青汁が健康に良い理由と青汁の選び方、気になる副作用についてご紹介します。

何故、青汁が健康に良いとされるのか

青汁が健康に良いとされているのは、栄養が豊富でバランスに優れており、健康におけるメリットが多いことが理由です。でも、なんとなく「健康にいい」とは分かっているものの、実際にはどんな成分が含まれていて、どんな効果が期待できるのかご存知の方は少ないのではないでしょうか?まずは、青汁が健康に良いとされている理由について深堀りしていきます。

青汁に含まれる主原料

青汁は緑の野菜が主原料です。青汁と呼ばれるのも、その原材料が緑の野菜がベースとなっているから。具体的には次のような原材料がよく使われています。

  • 大麦若葉
  • ケール
  • 明日葉
  • 桑の葉

以上の4つの素材に加えて他にも、小松菜、ほうれん草、パセリ、セロリ、ブロッコリー、熊笹、モリンガなどの緑の野菜やハーブを組み合わせているタイプもあります。

他にも、フルーツを使っているタイプや、糖質や添加物で飲みやすく調整されている青汁もあります。原材料は味にも効果にも関わる大事な青汁選びのポイントです。必ずチェックしてから購入することをおすすめします。

栄養価

青汁に含まれている主な栄養素は「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」です。それぞれ次のようなメリットがあります。

食物繊維

青汁は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取できることが魅力です。食物繊維はおなかのお掃除役にとしての機能に加えて、食欲を安定させたり、コレステロールの吸収を抑える作用などもあります。

とくに不溶性食物繊維は便のかさを増やして便通を改善する効果、水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり腸内環境を整える効果に優れています。ただし、青汁に含まれる食物繊維の種類や量は青汁の種類によっても異なるので良く見比べてみることが大事です。

ビタミン

ビタミンとしては、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEなどが含まれています。美容と健康に欠かせない基本的な栄養素であり、ほとんどのビタミンは体内で作ることができないため毎日の食生活から補う必要があります。野菜はビタミンの宝庫であり、野菜不足になるとビタミンも不足しがちになります。

ミネラル

青汁には主にカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルが主に含まれています。これらのミネラルも不足しないよう、日々の食事から補う必要があります。ミネラルは神経や筋肉の働き、細胞の正常な活動においても欠かすことができません。

また、青汁の原材料によっては、ポリフェノールなどのフィトケミカルなど有用成分を摂取することもできます。原材料によって栄養価には違いが出てきます。どんな栄養素を補いたいかによって青汁を選ぶことが大事です。

野菜不足を補える

青汁を飲むことによる最大のメリットは、飲むだけで野菜不足を手軽に補えることです。普段の食事のバランスが乱れている場合や外食が多いときの栄養サポートとして役立ちます。

厚生労働省が掲げる「健康日本21」によれば、成人1日あたりに必要な野菜摂取量は350gです。しかし、7割近い日本人が野菜不足であり、300g以下の摂取量に留まっているというデータがあります。

青汁を飲んでいれば野菜を食べなくても良いと言うわけではありませんが、1日1杯で日々の栄養不足を効率よくカバーすることができるところがメリットです。ただし、青汁に加工する段階で失われる栄養素もあるため、普段の食事でも栄養バランスを意識しながら補助として取り入れると効果的です。

主成分から得られる健康面の効果効能

青汁の効果は主な成分が何かが決め手になります。各成分ごとにどんな効果が期待できるのかご紹介します。

青汁の主成分と効果

ケールを多く使った青汁は、ヒトでの臨床試験で中性脂肪の減少効果が実証されています。野菜の王様といわれるほど栄養が豊富で、食物繊維や各種ビタミン、ミネラルにタンパク質など栄養バランスが優れていることが特徴です。

明日葉の青汁であれば、「カルコン」という明日葉にしか含まれない栄養成分が入っていることが特徴です。ポリフェノールの一種で健康や美容の維持や、脂肪燃焼にも役立つ成分とされています。また、味がマイルドで人気の大麦若葉の青汁にはSOD酵素という酵素が含まれ、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防に役立ちます。

健康面での効果

青汁は栄養が豊富でバランス良く含まれているため、食生活の乱れが深く関わっている生活習慣病が気になる方におすすめです。また、食欲が無いときの栄養補給としても活用することができます。青汁に豊富に含まれている食物繊維には、腸内環境の改善や便通を整える作用もあります。

トクホ(特定保健用食品)として認められている青汁には、「食後の糖の吸収を穏やかにする」「LDL(悪玉)コレステロールを低下させる」などの効果を謳う商品も多く登場しています。特定の効果を求める場合は、トクホを活用するのも方法の一つです。

美容面での効果

青汁にはビタミンCやビタミンE、美容効果に優れたポリフェノールも豊富に含まれています。たとえばビタミンCは日光にあたる機会が多い方、ビタミンEは肌が乾燥しやすい方におすすめの成分です。皮膚の健康を維持するために欠かせない基本的なビタミンやミネラルを効率よく補うことができます。また、年齢による変化が気になる方はポリフェノールや酵素が入っている青汁を選ぶのも手です。

このように青汁の主原料や材料の組み合わせによって、豊富に含まれている主成分は変わってきます。不足している栄養素や補給したい栄養素から青汁を選ぶと、効率良く栄養補給ができて実感もしやすくなるでしょう。

自分のスタイルに合った青汁選びが大切

味や香りも原材料によって大きく違いが出るため、美味しく飲むためにもご自身の好みとお悩みに合わせて選ぶことが大事です。最近では主原料(大麦若葉やケールなど葉っぱ)に加えて、果物、乳酸菌、スーパーフードなど+αの栄養素が加えられた商品も増えています。付加価値に何を求めるかも青汁を選ぶ上でのポイントです。

また、青汁はあくまで食品であり、毎日続けてこそ効果が得られるものです。毎日無理なく続けるためには、飲みやすさや手軽さを重視することも大切です。外出先で飲みたい場合は粉末タイプやパウチタイプ、自宅でサッと飲むならば缶入りの液体タイプなど、包装や形状も青汁選びのポイントになります。美味しさや匂い、価格なども考慮して総合的に判断すると良いでしょう。

青汁を飲まないより飲んだ方が健康には良いのか?

「青汁を飲んだら健康になれそう」「青汁を飲めば〇〇が治る?!」と効果を期待する一方で、日々コストをかけて飲むほどのメリットがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?

あくまでも青汁は薬ではなく本来食事で摂取すべき栄養素を飲むだけで補えるような形状に変えたものです。飲んだからといって簡単に健康が手に入り、特定の症状やお悩みが改善するものではありません。過剰に期待してしまうとがっかりして続けられなくなってしまい、本来得られるはずのメリットも得られなくなります。

日々の栄養を手軽に効率よく補えることが青汁を飲む一番のメリットです。健康に良い食事を毎日用意するのは、忙しい毎日の中では何かと難しいはずです。青汁はそんな慌ただしい毎日を健やかに過ごせるようにサポートしてくれるもの。ぜひ、青汁を上手に取り入れて、健やかな毎日を目指していきましょう。

飲み方を間違えると青汁は体に悪影響を及ぼす?!

青汁を摂取する上では、体への悪影響も気になりますよね。どんなに健康によい食品でも、飲み方を間違えば逆効果になることもあります。

正しい飲み方を守り、注意点を押さえておくことが大切です。青汁の飲み合わせや副作用など気になる注意点を確認しておきましょう。

大量摂取による栄養過多に注意

青汁は飲めば飲むほど健康になるものではなく、適切な量を摂取してこそ最大限に効果が発揮されるものです。むしろ飲みすぎることで、特定の栄養が過剰になって健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

例えば、よく起こりやすいのが、食物繊維の過剰摂取による体調の変化です。作用が強過ぎてお腹が緩くなったり、お腹が張って苦しくなるなどの症状が起きる可能性があります。また、水溶性ビタミンは尿に排泄されるため過剰症が基本的にありませんが、ビタミンA,D,E,Kなど脂溶性ビタミンは過剰摂取で過剰症が起きることがあるため注意が必要です。

また稀なケースではありますが、毎日続けて過剰に飲み続けたことで、カリウムの過剰摂取となり高カリウム血症を起こしたという事例も報告されています。青汁は食品ということもあり適量さえ守っていれば安全にお飲みいただけるものですが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。

青汁の副作用

副作用は基本的にはありませんが、すでにお伝えしたとおり食物繊維の摂りすぎによる体調変化は比較的起こりやすいので注意が必要です。食物繊維は栄養素の一つとして欠かせない成分ですが、作用の現れ方に個人差が大きいことが特徴です。心配であれば最初は少量から始めてみると良いでしょう。

また、体質によっては原材料の成分に対してアレルギー反応を起こす可能性も考えられます。青汁に含まれる成分の中には食品として普段食べていない素材が含まれていることがあります。アレルギー体質の方は事前に原材料表示をよく確認しておきましょう。

摂取に注意が必要な人

青汁は食品とはいえ大量の野菜や果物を凝縮して作られていることからも、治療中の方は注意が必要です。腎臓に疾患がある場合は、青汁に含まれるカリウムやほうれん草などに含まれているシュウ酸が腎臓に負担となる可能性があります。

腎機能が低下しやすい高齢者の方や、腎不全と診断されている方、透析を受けている方は自己判断で摂取せずに事前に医師と相談してください。

また、大麦若葉やケールを原料とする青汁の摂取により、肝障害を生じた事例も報告されています。肝機能に異常があると指摘されている方は念のため注意が必要です。

薬との飲み合わせ

医薬品を服用している場合も、青汁との飲み合わせに注意が必要な場合があります。とくに気をつけたいのが、血液を固まりにくくするワルファリンを服用している場合です。青汁に含まれているビタミンKには血液をサラサラにする作用があり、ワルファリンの血液を固める作用を妨げてしまいます。ワルファリンを使用している方は青汁の摂取を控えるようにしてください。

また、青汁の種類によってはさまざまな成分が添加されている場合があり、薬の飲み合わせや病気の治療に影響を及ぼす可能性もあります。医薬品を服用している場合は、あらかじめ医師または薬剤師に相談しておくことをおすすめします。

妊娠中やお子様が飲むときの注意点

妊娠中や授乳中は普段よりも栄養補給に注意が必要な時期です。青汁には妊娠中に補給したい葉酸も豊富に含まれており、栄養バランスの補給に活用される女性も多くいます。

基本的に妊娠中や授乳中の青汁の摂取は問題ありませんが、青汁だけに頼らずにバランスよく食事を摂ることを心がけましょう。なお、一部の青汁にはカフェインや大量の糖質が含まれていることもありますので、成分表示をチェックしてから摂取することをおすすめします。

小さなお子様は離乳食が終わる頃からの摂取がおすすめです。乳幼児は消化機能が未発達であり、食物アレルギーを起こしやすい時期でもあります。様子を見ながら少量ずつ与えるようにして、日々の栄養補助として役立てると良いでしょう。

まとめ

青汁は本当に体に良いのか?という疑問は解消されたでしょうか。青汁を飲むメリットは手軽に不足しがちな栄養を補えるという点です。身体的な健康だけでなく、心も健やかに豊かな気持ちで過ごす上でも、日々の食生活の管理が欠かせません。

ただし、青汁を飲んでいれば大丈夫という訳ではなく、適度な量を守りながら毎日の食事の補助として取り入れることが大事です。忙しく現代人にとって、青汁は栄養を手軽に補給できるて頼れる相棒となってくれるでしょう。さまざまな種類の中からご自身に合った青汁を見つけて、毎日の健康管理に取り入れてみてください。

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