ブロッコリー入りの青汁はあるの?そしてわざわざ選ぶ理由はあるのか

ブロッコリー入りの青汁は、免疫力を高めるとの噂を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。実は、免疫力アップのほかにも、女性の悩みにアプローチしたり、身体の機能を整えたりと、さまざまな効果が期待できます。ここでは、ブロッコリー入り青汁に期待できる効果について詳しくご紹介します。
ブロッコリーとは

ブロッコリーは、日本や欧米など世界中で食べられている野菜の1つです。まずは、ブロッコリーの種類や歴史、産地について詳しくみていきましょう。
種類
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の植物です。木を小さくしたような形の一般的に流通しているブロッコリーと、茎が細い菜の花のような形のブロッコリーに大別されます。また、中国のカイランという野菜とブロッコリーをかけ合わせたスティックセニョールや、サイシンとかけ合わせた「はなっこりー」、紫色の「パープルスプラウティング」などもあります。
そのほか、注目すべきはブロッコリースプラウトで、いわゆるブロッコリーの「カイワレ」です。抗酸化作用のあるスルフォラファンが一般的なブロッコリーの20~50倍も含まれています。
歴史
ブロッコリーは、イギリスとフランスにおいて肉料理に欠かせない野菜として、はるか昔から食生活に馴染んでいました。日本には明治時代に伝えられましたが、当時は観賞用として用いられており、ブロッコリーが食用として一般的に流通したのは1980年代に入ってからです。
近年では、ブロッコリーに抗がん作用があることがわかり、さまざまな健康食品に用いられています。また、日本の食生活の欧米化に伴い、ブロッコリーの消費量も増えています。
産地
ブロッコリーの原産地は、イタリア地中海沿岸地域です。現在では、中国を中心としてインドやスペイン、日本でも栽培されています。日本では、埼玉県や愛知県、北海道、群馬県などで生産されており、出荷量は増加傾向にあります。
ブロッコリーの特徴と栄養成分とは

ブロッコリーには、主にビタミンが豊富に含まれています。ブロッコリーに含まれる栄養と、1日の栄養摂取目安量に対する割合は次のとおりです。
ブロッコリー(生)の100g中の栄養成分 | 1日の栄養摂取目安量に対する割合 | |
---|---|---|
β-カロテン | 900㎍ | 約110% |
ビタミンC | 140mg | 約140% |
ビタミンE | 3.0mg | 約50% |
ビタミンK | 210g | 約140% |
食物繊維 | 5.1g | 約25% |
ブロッコリー100gは、大きめの房が3つほどに相当します。この程度の量であれば、肉料理の付け合わせとしても食べやすいのではないでしょうか。
それでは、ブロッコリーに多く含まれる栄養について、詳しくみていきましょう。
βカロテン
ブロッコリー100gには、1日の摂取目安量の約110%を満たすβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAとして作用し、皮膚や粘膜の健康を保つ栄養成分です。
ビタミンC
ブロッコリー100gには、1日の摂取目安量の約140%ものビタミンCが含まれています。ビタミンCは、ストレスや喫煙、感染症などの影響で減少するうえに、過剰分は尿中に排出されます。そのため、1日の摂取目安量を超えても問題はありません。
また、ビタミンCは水溶性ビタミンのため、流水や加熱によって失われます。ただし、失われる量は限られているため、ブロッコリーから多くのビタミンCを摂れることは事実です。
ビタミンE
ブロッコリー100gには、1日の摂取目安量の約50%のビタミンEが含まれています。ビタミンEには強い抗酸化作用があり、肌の悩み、疲労、ストレスなどがある方は意識的に摂りたい栄養素です。
ビタミンK
ブロッコリー100gには、1日の摂取目安量の約140%のビタミンKが含まれています。ビタミンKは、骨の健康を維持する働きや出血時の止血作用などがあります。
食物繊維
ブロッコリー100gには、1日の摂取目安量の約25%の食物繊維が含まれています。食物繊維は、便を形成するために欠かせないため、毎日意識的に摂ることが大切です。約25%というと少なく思えるかもしれませんが、食物繊維は他の野菜や果物、きのこなどからも摂れるため、十分な量と言えます。
青汁にも含まれるブロッコリーに期待できる効果・効能

青汁にも含まれるブロッコリーには、どのような効果・効能があるのか詳しくみていきましょう。
便通の改善
ブロッコリーには食物繊維が豊富に含まれているため、意識的に摂ることで便通の改善が期待できます。他の野菜や果物、きのこなどと組み合わせれば、さらに効果が高まるでしょう。
ストレスケア
仕事や家事、育児に追われてストレスを溜め込んでいる方は、ブロッコリーを意識的に摂ることが大切です。ビタミンCを十分に摂ることで、ストレスが和らぐ可能性があります。
血行促進
ビタミンEには、血行を促す働きがあります。血流が悪くなると、肩こりや首のこり、足のむくみ、冷えなど、さまざまな症状が現れます。これらの症状が重なることで、生活に支障をきたす方も少なくありません。
ブロッコリーを摂ることで血流が促され、身体のこりやむくみ、冷えなどが解消される可能性があります。
シミのケア
ブロッコリーには、抗酸化作用があるβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAとして作用します。この3つのビタミンは、「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、肌のシミやくすみを抑えたり、美肌へと導いたりする効果が期待できるのです。
加齢、紫外線、間違った洗顔など、さまざまな原因でシミやくすみが発生します。年齢を感じさせない肌を維持したい方は、ブロッコリーを意識的に摂りましょう。
肌の健康ケア
ビタミンACEの働きによって、健やかな肌を保ちやすくなります。肌が持つバリア機能は、栄養不足や睡眠不足、ストレスなどの影響で役割を果たせなくなり、外部刺激による赤みやかゆみ、ニキビ、湿疹などのリスクが高まります。
健やかな肌を保つためにも、ビタミンACEを不足させないことが大切です。
免疫をサポート
ブロッコリーには、免疫をサポートすることで、感染症やがんなどのリスクを下げるとの見解があります。まだまだ研究段階ではありますが、がん予防の一環としてブロッコリーが推奨されるケースが少なくありません。
ブロッコリーを食べればがんを防げるわけではありませんが、いつまでも健康な身体を保ちたい方は、ブロッコリーを毎日食べることを心がけてみてはいかがでしょうか。ブロッコリー入りの青汁であれば、ブロッコリーの栄養成分を毎日手軽に摂れます。
ブロッコリーの副作用や注意すべき点とは

ブロッコリーは健康や美容によいとされる食べ物ですが、大量に食べればよいわけではありません。ブロッコリー入りの青汁を飲む場合も含め、ブロッコリーの副作用や注意点について詳しくみていきましょう。
大量に食べると甲状腺に問題が起こる恐れがある
ブロッコリーは、キャベツやかぶと同じアブラナ科の野菜です。アブラナ科の野菜には、甲状腺ホルモンの分泌を妨げるゴイドロゲンや大豆サポニンが含まれているため、大量に食べない方がよいでしょう。
特に、甲状腺機能低下症と診断された場合は、摂取量により一層の注意が必要です。ただし、極端に食べ過ぎた場合に限ることですので、通常の食事においては気にする必要はありません。
また、ブロッコリー入りの青汁に関しても、1日の目安量を守れば健康被害が起こる心配はないでしょう。
抗凝固剤を飲んでいる方は大量摂取に注意
ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンKには、血液が固まるために必要な「凝固因子」を活性化させる働きがあります。そのため、止血剤としても用いられています。
ビタミンKと反対の作用を持つのが、血液を固まらないようにする「抗凝固剤」です。抗凝固剤を飲んでいる方がビタミンKを大量に摂ると、血液を固まらないようにする効果が失われる可能性があります。
抗凝固剤を飲んでいる方は、ブロッコリーの大量摂取に注意しましょう。
ブロッコリーのよくある質問

ブロッコリー入りの青汁や、ブロッコリーそのものについて、よくある質問にお答えします。
どのような調理法がおすすめですか?
ブロッコリーに含まれるビタミンCは、流水や加熱によって壊れます。また、β-カロテンとビタミンE、ビタミンKは脂溶性ビタミンで、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。
そのため、サラダ油やオリーブオイルで炒めるのもよいでしょう。ただし、前述したとおりビタミンCが壊れるため、必要最小限の加熱に留めてください。
ブロッコリーの茎を美味しく食べる方法はありますか?
ブロッコリーの茎は硬くて食べづらく感じる方が多いのではないでしょうか。ブロッコリーの茎は、白ネギのように薄めに斜め切りにして、さっと茹でるのがおすすめです。茹でたブロッコリーの茎に豚バラ肉を巻いて炒め、甘辛いタレに絡めると美味しくいただけます。
また、味噌汁の具にしても美味しいので、ぜひ試してみてください。
ブロッコリーと一緒に食べるとよい食材は?
ブロッコリーに含まれない栄養をカバーできる食材と一緒に食べましょう。ブロッコリーには、ビタミンB群、ビタミンD、ミネラルなどがそれほど含まれていません。そのため、牛肉や豚肉、チーズ、豆腐といったタンパク質を豊富に含む食材と一緒に食べるのがおすすめです。
グラタンやドリアなら、タンパク質やカルシウムを一緒に摂れます。
ブロッコリー入りの青汁をあえて選ぶメリットは?
青汁には、さまざまな種類があるため、あえてブロッコリー入りのものを選ぶ意味はあるのか、気になるのではないでしょうか。ブロッコリーは、ビタミンACEが豊富に含まれているため、美しく健やかな肌をキープしたい方におすすめです。
また、免疫力アップの効果も期待できるため、「風邪をひきがち」、「体調を崩しやすくなってきた」といった方にも向いています。そのほか、ブロッコリーが苦手な方にもおすすめです。ブロッコリー入りの青汁は、ブロッコリーが原料であることを感じさせないように作られている傾向があります。
また、ヨーグルトに青汁を混ぜたり、フルーツと一緒にスムージーにしたりすれば、さらに摂りやすくなるでしょう。アレンジの幅が広いことも、ブロッコリー入りの青汁を選ぶメリットです。
ブロッコリー入りの青汁はいつ飲むがおすすめですか?
ブロッコリー入りの青汁は低カロリーなため、寝る前に飲んで問題ありません。1日3食のうち、いずれかのタイミングでお茶や水の代わりに飲むとよいでしょう。また、風呂上りや運動後の水分補給にも適しています。
重要なのは、毎日欠かさず続けることのため、同じタイミングで飲むことをおすすめします。飲むタイミングを決めておかないと、青汁を飲んだかどうか思い出せなかったり、飲み忘れたりしやすいでしょう。
「風呂上りの水分補給はブロッコリー入りの青汁」、「起床後すぐに1杯飲む」といったルールを定めておくことが大切です。
まとめ

ブロッコリーには、美肌ケアに役立つビタミンACEが豊富に含まれています。さらに、免疫力アップも期待できるなど、美と健康に注目する方におすすめな食材です。ブロッコリー入りの青汁なら、ブロッコリーが苦手な方でも手軽に栄養を摂れます。これまで、ブロッコリーを食べる習慣がなかった方も、今日から試してみてはいかがでしょうか。