【種類選びが肝心?】ナッツダイエットの正しいやり方
食べるとニキビが出るのは嘘!ナッツはダイエット中の強い味方
ニキビができやすいといったイメージが定着しているナッツ類。
しかし実際のところ、ニキビとナッツには科学的に因果関係はありません。
ナッツには美肌効果があり、きちんとした種類を選び適切な量を摂取しているとダイエットや美容の強い味方となります。
そこで今回はダイエットに適したナッツの選び方や正しい摂取法をご紹介。
ナッツの優れた栄養価を味方につけて、キレイを手に入れましょう。
ナッツの基礎知識
ナッツが植物のどの部分にあたるか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
ナッツは植物の種や実もしくは果実のことで、日本語で訳すと「木の実」になります。
ただしピーナッツに関しては木の実といったイメージが定着していますが、落花生はマメ科にあたりナッツには該当しません。
そのため大豆アレルギーがある方がピーナッツ入りのミックスナッツを食べると、アレルギー発症リスクも高くなります。
ナッツの種類
種実類に分類されるナッツですが、その中でもさらに3種類に分けられます。
①堅果(けんか)
外側の殻が硬いマカデミアナッツやヘーゼルナッツ、栗のことを指します。
淡白な味わいと芳しい香りに加え、独特の歯応えが特徴といえるでしょう。
マカデミアナッツ食用だけでなくマッサージやセラピーにも多用されています。
②核果
核果は果実の中に大きな核があり、核の中の種子を食べます。
クルミやアーモンド、ピーカンナッツが代表的です。
アーモンドはそのまま食べることが多く、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアでの栽培が盛んです。
クルミは殻が硬いため、クルミ割り器を使って中身を取り出します。ほとんどがアメリカもしくは中国産で日本では長野県産が多い傾向にあります。
③種子
名前通り、種子をそのまま食べる種類で、カシューナッツやピスタチオが当てはまります。
カシューナッツは独特の少し柔らかい食感と甘みが特徴で、他のナッツより少し糖質が高くなります。
ピスタチオは栄養価が高くナッツの女王と呼ばれています。
ナッツの優れた栄養と効果
ナッツにはどのような健康効果があるのでしょうか?
まずは、ナッツの優れた栄養素と健康効果についてご紹介します。
食物繊維で便秘解消
あまり知られていませんが、実はナッツには食物繊維が豊富に含まれています。
この食物繊維により腸内環境が整いお通じが良くなると、体に脂肪がたまりにくくなります。
体に余分な物質が溜まりにくくなるとアンモニアやアミン、硫化水素などの有害物質や、発がん性物質などが産出されにくくなります。
このように便秘が解消し、体の内側からキレイになると肌荒れ解消や生活習慣病予防にもなりますよ。
n-3系不飽和脂肪酸で死亡リスク低下
ナッツの中でも、とくにクルミには「積極的に摂りたい油」といわれるn-3系不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)が最も多く含まれています。
オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸(ALA)があり、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、体内に入ると青魚に含まれるEPAやDHAに一部変換されます。
EPAには血液をサラサラにし、高脂血症や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞を予防する効果が認められており、DHAは脳や網膜などの神経系に含まれる成分で頭の回転を良くするために欠かせません。
その他にもオメガ3脂肪酸を摂取していると心臓血管疾患による死亡リスクを下げ、植物由来と海洋由来の2つのタイプの食品から摂取すると相乗効果で全死因死亡リスクを低下させることが明らかになっています。
またミレニアル世代を対象とした研究ではクルミ、キャノーラ油、サーモンなど体内で作り出せない多価不飽和脂肪酸を日常的に摂取していると、空腹感や満腹感に関係するホルモンに良い効果があることも分かっています。
豊富なビタミンでダイエットにも美容にも◎
ナッツには抗酸化作用が強いビタミンEや糖質の代謝に欠かせないビタミンB群が豊富に含まれます。
ナッツの種類によって含まれるビタミンの種類は異なりますが、ダイエットや美容効果を求めるなら、ナッツは最適な食材といえます。
”偏頭痛”の予防効果
アーモンドやクルミ、カシューナッツなどに含まれるマグネシウムは血管の収縮や拡張を抑えて、リラックス効果や炎症作用が期待できます。
偏頭痛の詳しいメカニズムは解明されていませんが、ナッツに含まれるマグネシウムの作用は、偏頭痛に有効とされています。
気になるナッツのカロリーと摂取量は?
1日あたりの最適なナッツの摂取量は、ミックスナッツで摂取する場合約25g程度。片手の手のひら軽く一杯分となります。
しかしナッツの種類によって、全くカロリーも異なるため、ナッツの種類が限定されている場合は、注意が必要です。
成人1日あたりの間食での推奨カロリーは約200kcal。
ナッツの種類によって200kcalの量を換算した場合、以下のようになります。(全てドライローストしたもの)
アーモンド 28粒
マカデミアナッツ 14粒
ヘーゼルナッツ 20粒
クルミ 7粒
ピーカンナッツ 22粒
カシューナッツ 21粒
ピスタチオ 53粒
またカロリーだけでなく、ナッツの糖質量の摂取は1日5g以下を目安にしておくとニキビなどのリスクも避けやすくなります。
ナッツの糖質量
アーモンド 1粒(1g)あたりの糖質 約0.053g
マカダミアナッツ 1粒(2g)あたりの糖質 約0.1g
ヘーゼルナッツ 1粒(1.5g)あたりの糖質 約0.1g
クルミ 1粒(4g)あたりの糖質 約0.28g
ピーカンナッツ 1粒(1.3g)あたりの糖質 約0.08g
カシューナッツ 1粒(1.5g)あたりの糖質 約0.4g
ピスタチオ 1粒(0.6g)あたりの糖質 約0.05g
なぜナッツがダイエットに良いのか?
次にナッツがダイエットに良い理由を順番にご紹介します。
質の良い油が含まれる
肉の脂身や揚げ物、インスタントフードには、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸が含まれます。
対してナッツには血中の悪玉コレステロールを減少させる不飽和脂肪酸が多く含まれます。
ナッツ1粒あたりの半分以上はこの不飽和脂肪酸が占めており、アンチエイジングや乾燥肌の予防にも効果的です。
咀嚼回数の増加
歯ごたえがあるナッツを食べることで、咀嚼回数が増え唾液が多く分泌されます。
噛むと脳内に「ヒスタミン」という物質が分泌され、満腹中枢が働いて食欲を抑えてくれます。
また内臓脂肪の分解も促すため、ダイエット効果も期待できます。
食物繊維が豊富に含まれ腸活が効率良く行える
腸活とは腸内細菌のバランスを整えて、腸内環境を良くすることでダイエットには必要不可欠。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなるため、ナッツを摂ることで効率よく腸活が行えるのです。
“体が喜ぶ” 脂肪酸とは?
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が存在するのはご存じでしょうか。
飽和脂肪酸は摂りすぎると、血中の脂質や悪玉コレステロールを増やし、肥満や糖尿の原因となる可能性があります。
対して、不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らし血中の中性脂肪を減少させ、動脈硬化や血栓を防いでくれます。
不飽和脂肪酸は魚介類や豆類、植物油などに含まれ主にオメガ3、6、9系脂肪酸に分類されます。
とくにオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸とアラキドン酸は必須脂肪酸ですが、体内で合成できないため食べ物での摂取が不可欠。
ナッツにはリノール酸とオレイン酸を含むものが多く、体内で作れない多価不飽和脂肪酸が手軽に補えます。
脂肪はエネルギーを産出し、脂溶性ビタミンやカロテノイドの吸収をサポートしてくれます。また満腹感が得られるため、過食を抑制してくれます。
脂質の摂取は太るといったイメージがありますが、良質な油であればむしろダイエットに有効に働いてくれるのです。
オメガ3系脂肪酸
●α-リノレン酸(アマニ油、えごま油、チアシードオイル、しそ油など)
●DHA、EPA(特にさば、さんまなどの青背魚、まぐろのトロ、サーモンなど脂ののった魚に豊富)
オメガ6系脂肪酸
●リノール酸(ごま油、コーン油、大豆油、クルミなど)
●γ-リノレン酸(月見草油、母乳など)
●アラキドン酸(レバー、卵黄、サザエ、アワビなど)
オメガ9系脂肪酸
●オレイン酸(オリーブ油、ごま油、べに花油、菜種油、アボカド、ナッツ、胡麻など)
ナッツの種類と栄養価
一言でナッツとまとめられますが、ナッツは種類によって栄養価が異なります。
そこで代表的なナッツに含まれる栄養素を順番にまとめてみました。
クルミ
オメガ3脂肪酸とポリフェノールの含有量がナッツの中ではトップクラス。
抗酸化値が最も高く、その量はフルーツや野菜よりも多いといわれます。
その他にもビタミンEやB1、食物繊維、亜鉛などが含まれ、アンチエイジングや便秘解消にも有効に働きます。
また神経伝達物質の原料となるコリンやトリプトファンなどを含んでいることも併せて、脳機能の向上や認知症予防も期待できます。
アーモンド
ビタミンEやポリフェノール、オメガ9脂肪酸に分類されるオレイン酸が豊富に含まれています。
また美肌や代謝アップにも欠かせないビタミンB1やB2、むくみ解消が期待できるカリウムも含まれています。
アーモンドに含まれる食物繊維には近年注目度が高まっている糖化(AGEs)を防ぐ作用があり、余分な糖や脂肪を便として排出してくれる効果があります。
カシューナッツ
カルシウムの吸収を助けるビタミンKや、タンパク質の合成に欠かせない亜鉛などが多く含まれます。
また女性が不足しやすいや鉄、便秘に有効といわれるマグネシウムも含んでいます。
ただし、他のナッツに比べると糖質が多くなるため、食べすぎには注意しましょう。
マカダミアナッツ
パルミトレイン酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、ビタミンB群、E,カリウム、マグネシウム、鉄、食物繊維など数多くの栄養素を含みます。
パルミトレイン酸は酸化しにくく、動脈硬化や高血圧を予防してくれます。
ピーナッツ
名前にナッツがついているため、勘違いされがちですが実は大豆の1種であるピーナッツ。
不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含み、コスパが良いのが特徴です。
ピーナッツの薄皮には抗酸化作用の強いアントシアニンやレスベラトロールが含まれるため、薄皮つきがおすすめです。
ヒマワリの種
ハムスターのエサとして馴染みがあるヒマワリの種ですが実は抗酸化作用があり、栄養価も高め。
ビタミンEが豊富に含まれ、貧血を予防する鉄も含まれます。
さらにビタミンB群なども含まれ糖質の代謝をサポートしてくれます。
カボチャの種
サラダなどにも相性の良いカボチャの種は、カルシウムやリン、鉄などのミネラル分を豊富に含みます。
他のナッツに比べて脂質が低い上に、不飽和脂肪酸であるリノール酸やオレイン酸を含んでいるため、コレステロール値や血圧を下げたい方におすすめです。
ナッツ効果で上手に痩せる方法
食事の20分前に25gミックスナッツを食べる
ダイエットには、1日の適正量である25g程のナッツを継続的に食べると効果的。
食事の20〜30分前に摂取しておくと、ナッツに含まれる食物繊維が食事中の糖質や脂質の吸収を抑え、満腹中枢にも有効に働いてくれます。
ただしミックスナッツといっても、アーモンドもしくはクルミが7割を占めている割合の方がダイエット効果が高くなります。
無塩で素焼きのナッツを選ぶことは鉄則!
ナッツを食べるとニキビができやすいとイメージが定着したのは、ナッツ選びを間違えているからといっても過言ではありません。
一見同じように見えますが、ナッツには油や塩、砂糖で味が調整されたものと油や調味料を使っていない素焼きのものがあります。
味付けされたものを毎日食べるとカロリーオーバーとなり、無駄な糖質と脂質も摂ってしまうためニキビなどができやすくなるのです。
ナッツを購入する際は、無塩・無糖のローストされたものを選びましょう。
ミックスナッツの割合はアーモンドもしくはクルミを7割
ナッツの中でも栄養価が高く、ダイエットに最適なアーモンドとクルミ。
どちらかを7割ミックスナッツに混ぜその他のナッツは3割で摂取するのが理想的といえます。
『アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!』の著者、慶應義塾大学医学部の井上浩義教授によるとアーモンドかクルミを6~7割摂っておけば、他のナッツを混ぜてもダイエット効果は変わらないのだそう。
しかしアーモンドとクルミだけ摂取するのは、途中で飽きてしまう可能性も。
美味しくナッツダイエットを継続させるためにも、他のナッツを混ぜる方法が1番ベストと言えるでしょう。
間食に置き換える
小腹が減って間食をしたくなったら、おやつ代わりにナッツを食べましょう。
ナッツの良質な脂肪を摂取することで満腹感が得られるだけでなく、食物繊維によって腸内環境も整えてくれますよ。
さらにナッツに含まれるビタミンやポリフェノールで代謝アップにアンチエイジング効果、美肌効果が期待できるなんて一石二鳥ですね。
朝ナッツダイエットもおすすめ
朝ごはんには1日全体の血糖値の上昇を抑えてくれる効果があります。
そこに歯ごたえのあるナッツを追加すると、咀嚼回数が増え、相乗効果でさらに良い効果が期待できます。
咀嚼を重視した朝ごはんを食べることで脳が覚醒し、活発に働き始めます。
また咀嚼は記憶力向上にも良い効果を発揮し、食欲中枢を刺激するため満腹感も得やすくなります。
さらに唾液が多く分泌されるため、消化促進や免疫機能の向上にも効果的。
朝にナッツを食べると良いことづくめなのです。
食べ過ぎに注意?ナッツダイエットのデメリット
ナッツダイエットは方法を間違えると大きなデメリットを生みます。
以下では、デメリットやさまざまなリスクの発生を避けるための注意点をご紹介します。
適切な摂取量を守ろう
栄養価が高く、ダイエットや美容にも良い効果が期待できるナッツですが食べ過ぎは禁物。
脂質が多くカロリーも高いので、1日の適正量25g以上を継続して毎日摂取しているとカロリーオーバーとなります。
どんなに良質な脂肪でも摂取しすぎるとエネルギーとして消費ができなくなり、脂肪として蓄積されてしまいます。
必ず1日の推奨摂取量は守るようにしましょう。
夜は避けた方がベスト
ナッツを食べる時間帯についてはさまざまな説がありますが、脂肪を作ってため込むための酵素を増やす「BMAL1」が増える夜間は避けた方が良いでしょう。
このBMAL1が最も増える時間帯は午後10時から午前2時といわれています。
食物繊維が豊富なナッツ類は消化しにくく、脂肪が多いためBMAL1が働く時間帯に食べると肥満の原因にもなりかねません。
よく噛んで食べることが大事
歯ごたえがあるナッツ類は、きちんと噛み砕いて飲み込むことが大切です。
よく噛まないで食べると胃腸での消化に負担がかかり、便秘や下痢の原因となってしまうこともあります。
咀嚼回数が増えるとエネルギー消費量も増え満腹感も得られるため、意識的に噛むことを心がけましょう。
ナッツを効果的に食べてヘルシーにシェイプアップ
体内で生成できない必須脂肪酸が手軽に補えるナッツは、ダイエットにも美容にも良い効果が期待できます。
さらに生活習慣予防や、発育にも良い効果が期待できるのは見逃せないポイントですね。
ナッツ程、家族でシェアしやすくコスパの良い食材はないのではないでしょうか。