【他のダイエット方法と比較】お酢ダイエットのメリット・デメリット

お酢はほとんどの家庭にある調味料ですが、お酢がダイエットに有効である聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。お酢は昔から体によい、ダイエットに効くといわれ、たびたびテレビなどでも取り上げられています。ダイエット法は巷にあふれ、新しいダイエット法もどんどん誕生していますが、昔からあるお酢ダイエットは消えることなく今も残っています。お酢は本当にダイエットに有効なのか、他のダイエット法とどう違うのかなど、あらゆる角度から調査・検討した結果を、わかりやすくまとめました。

お酢ダイエットとは

お酢は家庭にある調味料の一つで、体によいとは聞くけれど、具体的にどうよいのかについて考えたことがない人が多いかもしれません。そもそもお酢は何でできているのかというところから、考えたいと思います。

お酢は発酵食品

お酢の原料は穀類や果実などが使われています。米酢は米を、りんご酢はりんごを原料にしているということです。酢の作り方を、米酢を例にあげて説明します。

まず蒸した米に、米麹と水を加えます。すると麹の酵素が、米のでんぷんを糖に分解します。そこに酵母を加えると、今度は酵母の酵素が糖をアルコールに分解します。これが日本酒です。

日本酒に種酢と純米酢を加えます。ここで酢を加える理由は、産膜性酵母という有害菌の発生を防ぐためです。産膜性酵母は酢酸菌と生育条件が似ているので、対策をしていないと酢酸発酵が妨げられてしまいます。

種酢の中にはお酢を作ってくれる酢酸菌がいます。酢酸菌の酵素が働いて、お酒がお酢に変わる工程を酢酸発酵といいます。お酢は原料となる米からお酒、そしてお酢と2段階の発酵で作られる発酵食品です。*1

お酢はなぜダイエットに効く?

お酢がダイエットに使われていますが、効果はあるのでしょうか。お酢の主成分は酢酸です。酢酸のにおいは独特で、原液はツンと鼻を刺激します。味は酸っぱくて、原液のまま飲むのは難しいですし、原液を飲むことは消化管に負担がかかるのでおすすめできません。
お酢を飲む場合には、適度に薄めて飲みます。普段のお料理にも、酢を使うレシピがあります。そんな酢がダイエットに効くのは、次のような理由があるからです。

脂肪の蓄積を抑える

お酢には血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかっています。血糖値が上昇すると、インスリンが分泌されますが、インスリンは血中の糖を脂肪に変えることで血糖値を下げる働きがあります。血糖値の上昇を抑えるお酢は、脂肪の蓄積を抑えることにもつながります。

腸のぜん動運動を促す

お酢が腸を刺激して、ぜん動運動を促すといわれています。腸が正常なぜん動運動は排便を促すので、便が溜まってぽっこり出たお腹がスッキリします。

お酢ダイエットで体脂肪が減るメカニズム

食酢を含んだ飲料や食品を摂取すると、体脂肪が減少することがわかっています。*2 それはお酢に含まれる酢酸の働きによるものです。
酢酸が体脂肪を減らすメカニズムについて、徐々に明らかになってきています。動物を使った研究で、酢酸の脂肪蓄積抑制のメカニズムに言及している論文があります。

酢酸は細胞内で代謝される過程で、エネルギー代謝に関与する酵素を活性化することが知られています。その酵素が脂肪合成に関与する遺伝子の活性を低下させます。動物を使った実験では、酢酸を投与したラットの肝臓で、脂肪合成に関与する遺伝子の発現量が低下していたことを確認しました。この結果は、酢酸を摂取することで脂肪合成の抑制が起こり、体脂肪が減少することを示唆しています。*3

お酢ダイエットのメリット

数あるダイエット法の中でも、お酢でダイエットをするメリットについて考えてみます。
お酢は血糖値が上がるのを抑える働きがあるので、血糖値が特に気になっている人に向いています。
食事をすると血糖値が上がりますが、上昇の度合いによっては肥満になってしまったり糖尿病になったりすることもあります。お酢を飲むことを習慣にすることで、それらのリスクが減ることは大きなメリットといえます。

またお酢は米酢、穀物酢、黒酢、りんご酢など、さまざまな酢があります。用途も味もバラエティに富んでいて、薄めて飲んでも料理に使っても効果は変わりません。手に入りやすく安価なことも、他のダイエット系サプリメントに比べるとメリットといえます。

お酢ダイエットのデメリット

酢は毎日大さじ1杯(約15ml)程度を飲むとよいといわれています。通常は薄めてドリンクとして飲んだり、料理に使ったりしますが、面倒だからといって原液をそのまま飲んだりすると、酢の酸で胃腸に負担がかかってしまうことがあります。

またお酢は酸が強いため、歯が溶けてしまうことがあります。これを「酸蝕歯(さんしょくし)」といい、歯を失う原因の一つといわれています。酸蝕歯はゆっくり進行するので、気づくのが遅くなりがちです。

酸の強さはpHで表され、数字が小さいほど酸性度が強くなります。黒酢のpHは3程度でかなり酸性度が強いので、酢が口の中に残らないよう食事中に飲んだり、飲んだ後はすぐに口をゆすぐなどするとよいでしょう。しかし酸性の飲み物や食べ物はお酢だけではないので、お酢だけに神経質になる必要はありません。例えば炭酸飲料はpH2.2〜2.9、みかんはpH4程度なので、同じような注意が必要です。*4

お酢ダイエットの効果的な取り組み方とは?

まず大前提として、お酢ダイエットは飲んだからといって、すぐに結果が出るものではありません。またお酢を飲んでさえいればどんどん痩せるというものでもなく、効果的に痩せたい場合には、適度な運動やバランスの取れた食生活も必要です。

お酢で体内の脂肪や血糖値などが減少したという研究報告は、毎日長期間に渡ってお酢の摂取をした結果です。お酢ダイエットの効果を期待するのであれば、毎日大さじ1杯ほどでよいので、お料理や薄めたドリンクを作って摂取しましょう。

お料理が苦にならない人は、1日に作るお料理の何か1品にお酢を大さじ1杯入れるようにするのが一番簡単です。食事時なら酸蝕歯のリスクも低くなります。毎日野菜サラダを食べたい人は、酢を使ったドレッシングを手作りするのもよいですね。

ドリンクとして摂取する場合、お酢を薄めただけでは飲みにくいため、砂糖や蜂蜜などを加えると美味しくなります。糖分も一緒に摂ることになるので、摂取するタイミングは糖分をエネルギーとして消費しやすい日中がよいでしょう。

料理・ドリンクに使えるお酢の種類は豊富です。いろんなお酢を使い分けると飽きることなく楽しめますので、次にお酢の種類を紹介しますので、お好みのお酢を探してみてください。

ダイエットに使えるお酢の種類

お酢は使用する原料で異なった風味になり、適した用途も様々です。次にスーパーでも買えるお酢をいくつか紹介します。ドリンクに向くお酢や、和食・洋食に向くお酢がありますので、お酢ダイエットで使いたいお酢を選ぶときの参考にしてください。

米酢

米酢はお米が原料のお酢です。米だけで作られたお酢を「純米酢」といい、米以外の穀物も混ぜて作られたお酢を「米酢」といい区別されています。純米酢はアミノ酸の旨みと糖類の甘みで、濃厚でまろやかな味です。酢の物や中華料理に適しています。

穀物酢

穀物酢は米の他、麦やとうもろこしなどの穀物が原料のお酢です。比較的さっぱりとした風味で、幅広くいろんな料理に使えます。

黒酢

黒酢は穀物を原料とし、米を使ったものを米黒酢、大麦を使ったものを大麦黒酢といいます。米酢などと異なり色が濃く褐色なのは、熟成されているからです。熟成により、黒酢は他のお酢と比べてアミノ酸含量が多く、旨みのある味です。中華料理やドレッシング、ドリンクにも適しています。

果実酢

果実酢は、ぶどうやりんごなどの果汁を原料にしたお酢です。フルーティでまろやかな味が特徴です。使用するフルーツによって風味が変わるのも楽しみの一つです。ぶどう酢のことはワインビネガーともいいます。ピクルスやマリネなどの西洋料理、ドリンクにも適しています。

バルサミコ酢

バルサミコ酢はイタリアで古くから作られているお酢で、ぶどう果汁を原料にして長期間木樽で熟成します。そのため色は黒く、独特の香りがします。深い味わいが特徴で、洋食に適しています。

*5

お酢ダイエットと他のダイエットを比べてみよう

お酢ダイエット法以外にも様々なダイエット法があります。お酢ダイエットは他と比べてどう違うのでしょうか。比較することでお酢ダイエットへの理解が深まるでしょう。またそれぞれのダイエット法の特徴もつかむことができ、自分に合ったダイエット法を見つけることができるかもしれません。

断食ダイエットVS. お酢ダイエット

半日から数日間、固形物を食べない断食ダイエットがあります。クレンズダイエットも断食ダイエットの一つで、コールドプレスジュースで栄養摂取するというダイエット法です。
一定期間通常の食事を取らないので、断食期間が長くなったり断食期間中の栄養の摂り方によっては、危険なダイエット法ともいわれます。しかし適切な方法で行えば、1日で最低限必要な栄養素だけを摂取するので、短期間のうちに効果が出る方法といえるでしょう。

これに対してお酢ダイエットは、特に食事面で制限するということはなく、1日15ml程度のお酢をドリンクにして飲んだり、お料理に使ったりするだけです。体への負荷は断然お酢ダイエットの方が小さいですが、体重の変化はゆっくりペースになります。

腸活ダイエットVS. お酢ダイエット

腸活ダイエットは乳酸菌やビフィズス菌を摂取したり、腸内の善玉菌の栄養になる水溶性食物繊維やオリゴ糖を摂取することで、善玉菌にとって居心地良い環境を作ります。腸内の環境がよくなると便秘などのトラブルが減ります。また善玉菌を好む日和見菌も増え、それらが産生する短鎖脂肪酸が体内に取り込まれると、脂肪の溜め込みを抑え肥満が防げるという研究報告もあります。

お酢ダイエットも腸活ダイエットも、食事を抜いたりするような体に負担をかけるダイエット法ではありません。腸活ダイエットは乳酸菌や食物繊維を摂取しますが、それらを含む食品は多く、いろんな食材から摂取できるのが利点です。その反面、どの食品が腸活に利用できるかの知識は必要になります。
お酢ダイエットはお酢を摂ればよく、単純な分飽きやすくなります。飽きずに楽しめるためのレシピ、をいくつか持っておく方がよいでしょう。

サプリ・健食ダイエットVS. お酢ダイエット

ダイエットのためのサプリメントや健康食品は非常に多く、糖質や脂質をカットするものや脂肪燃焼をサポートするものなどがあります。脂肪燃焼系のサプリメントや健康食品は、運動とセットで考えなくてはなりません。

お酢はほとんどの家庭で調味料として使われているので、こだわりがなければダイエットのために購入する必要はありません。しかしサプリメントや健康食品は、ダイエット目的のために購入する必要があります。商品によっては価格も高く、継続するのが難しい場合もあります。ダイエットは継続することが大事なので、経済的にゆとりがない場合にはお酢ダイエットが負担が少なく続けられそうです。

デトックス系ダイエットVS. お酢ダイエット

コンブチャダイエットや炭ダイエットなど、デトックス系のダイエット法もあります。アメリカでブームになり、セレブやインフルエンサーなどが雑誌に取り上げられたりインスタに写真を投稿するなどして、トレンドに敏感な女性に注目されました。

しかし一方で、コンブチャが過去に日本で紅茶キノコとしてブームになりましたが、自家製紅茶キノコで雑菌の繁殖や発酵させすぎなどが原因で体調を崩したニュースがありました。また炭ダイエットは、過剰摂取すると便秘になる可能性があることなど、不安に感じる人もいます。
おしゃれ感あるデトックス系ダイエットですが、不安に感じる人にはお酢ダイエットは馴染みのある調味料なので、原液を飲むなどしなければ安全に摂取することができます。

無理なく続けられることが大事

最後にいくつかのダイエット法との比較もしてみましたが、どのダイエット法も一長一短があります。自分の目的にあった方法、続けやすい方法を試すのがベストだと思います。そしてダイエット法は色々あるので、ひとつが合わなくて失敗しても、別の方法でチャレンジすればよいのです。
ダイエットは体にあまり負担にならないよう注意して、必要な栄養素の摂取を心がけることが大切です。急激な体重変化はリバウンドにも繋がりますので、慎重に行いましょう。

(参考文献)

*1: お酢のできるまで(くらしプラ酢)株式会社Mizkan Holdings

*2: 黒酢含有食品の体脂肪及びエネルギー代謝へ及ぼす影響(日本補完代替医療学会誌 第Ⅱ巻第1号 2014年3月 pp.67-74)

*3: 実験動物を用いた酢酸の肥満抑制効果の評価(岡山大学学術成果リポジトリ)

*4: vol.173 歯が溶ける? 酸蝕歯に気をつけよう(OMRON)

*5: 食酢ってどんなものを選べばいいの? 料理に合わせて使いたい食酢あれこれ(SATETO)生活協同組合連合会 コープ九州事業連合

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