長命草の効果とは?長命草青汁の特徴と飲むときの注意点
長命草は、青汁やサプリなど、さまざまな健康食品に含まれるため、名称だけでもご存じの方は多いのではないでしょうか。長命草は、ビタミン類やミネラル、ポリフェノールを豊富に含む天然植物です。青汁であれば、長命草の栄養成分を手軽にとれるでしょう。
その一方で、多量にとると体調を崩す恐れがあるため、事前に注意点を確認しておくことが大切です。そこで今回は、長命草を含む青汁の特徴と注意したい副作用について詳しくご紹介します。
長生きできると言われる「長命草」とは
長命草(ちょうめいそう)とは、セリ科カワラボウフウ属の常緑多年草です。牡丹に似た形の葉と7~9月に咲く白い花が特徴で、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。風邪やぜんそく、神経痛などに効くとされ、民間療法に用いられてきました。
「1株食べると寿命が1日延びる」といわれることから、長命草と呼ばれています。そのほか、「サクナ」や「ボタンボウフウ」など、さまざまな名前があり、沖縄県では広く知られています。
それでは、長命草の歴史と生産地について、詳しくみていきましょう。
長命草の歴史
長命草は、沖縄の伝統的な料理に用いられる天然植物として、古くから親しまれてきました。八重山諸島では、捧げものとして神様へ供えられています。
また、長命草は沖縄の食文化にも深く関わっています。例えば、長命草の独特の香りと苦みを生かして、肉や魚の臭み消しや毒消しに使用されてきました。独特な味わいで調理が難しいものの、天ぷらをおひたしにして食べることも可能です。
現代では、長命草の独特な香りと苦みを抑えながら豊富な栄養をとれるように、さまざまな工夫を凝らした青汁が登場しています。
長命草の生産地
長命草の原産地は沖縄県です。主に、海岸の断崖や珊瑚石灰岩の周辺に自生しています。温暖な気候を好むため、関東よりも西側や九州地方、沖縄地方、与那国島などに分布していることが特徴です。
長命草の豊富な栄養成分とは
長命草には、ポリフェノールやビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。長命草に含まれる栄養の種類と働きについて、詳しくみていきましょう。
ポリフェノール
ポリフェノールとは、自然界に5,000種類以上も存在しているという植物の色や苦み、渋みなどの素となる成分です。長命草には、ポリフェノールの「ルチン」と「クロロゲン酸」が含まれています。いずれも、強い抗酸化作用がある成分で、年齢肌に悩む方は積極的にとりたいところです。
βカロテン
βカロテンもポリフェノールと同じく植物の色素成分で、強い抗酸化作用があります。βカロテンは、体内でビタミンAとして作用するため、同じ成分と考えて問題ありません。βカロテンは、トマトやニンジン、うなぎなどに多く含まれています。
これらの食品が苦手な方は、βカロテンが不足しがちです。
ミネラル
ミネラルには、カルシウムや鉄分、マグネシウム、カリウムなどがあります。長命草に多く含まれるミネラルは、カルシウムと鉄分です。カルシウムは骨や歯の原料で、丈夫な身体づくりに欠かせません。また、鉄分は酸素を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料です。
鉄分が不足すると、全身へ酸素を十分に供給できなくなることで、いわゆる貧血の状態になり、めまいや頭痛、疲労感などが起こります。
ビタミンC
ビタミンCは強い抗酸化作用がある成分です。メラニンの生成を抑えたり、肌のうるおいをキープしたりします。また、喫煙やストレスによって消費されることも特徴です。ストレス社会と呼ばれる現代社会に生きる人々は、ビタミンCが不足しやすいといわれているため、意識的にとることが大切です。
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化作用がある成分で、アーモンドやうなぎ、かぼちゃ、アボカド、植物油などに多く含まれています。ビタミンCが体液中に存在するのに対して、ビタミンEは細胞膜に存在します。それぞれ役割を果たす場所が異なるため、ビタミンCを十分にとっている方もビタミンEをとることが大切です。
長命草に期待できる効果・効能
長命草に含まれる栄養によって、さまざまな健康効果が期待できます。どのような効果・効能があるのか、詳しくみていきましょう。
活性酸素の除去
βカロテンやビタミンC、ビタミンEが持つ強い抗酸化作用によって、体内の活性酸素を除去できます。活性酸素とは、呼吸によって取り込まれた酸素の一部が活性化したものです。活性酸素は、身体の機能に欠かせないものではありますが、その一方で細胞にダメージを与える側面もあります。
そのため、身体には活性酸素を抑えたり、ダメージの修復を促したりする抗酸化防御機能が備わっています。その一端を担うのが抗酸化作用のある栄養素です。長命草から抗酸化作用がある栄養を十分にとることで、酸化ストレスから身体を守ることができます。
健やかな肌へと導く
長命草に含まれるビタミンCは、肌のハリを保つコラーゲンの合成に必要です。また、シミやくすみの原因である「メラニン色素」を抑えることで、若々しい肌へと導きます。ビタミンCは身体に溜め込まれない栄養素のため、毎日欠かさずとることが大切です。
もし、ビタミンCが不足すると、肌のハリが失われ、実年齢よりも老けて見える恐れがあります。また、紫外線の影響でメラニン色素が活発につくられて、10年や20年後にシミとして表れやすくなるでしょう。
排尿の促進
長命草に含まれるイソサミジンには、排尿を促す働きがあるといわれています。第64回日本泌尿器科学会中部総会で、長命草には排尿を促す働きがあることが報告されました。
残尿感や頻尿に悩む45~83歳の女性10人が長命草(1日35mg)を4週間とり続けたところ、10人中8人が改善を自覚しました。ただし、研究の対象者が10人と少ないため、長命草の排尿促進効果は確定的とは言えません。
しかしながら、80%に相当する8人が効果を実感したことから、排尿促進効果がある可能性は高いでしょう。
参考:日本泌尿器科学会『過活動膀胱患者に対するボタンボウフウの臨床効果』
血行促進
長命草には、血管を拡張することで血流改善が期待できるイソサミジンが含まれています。血行が促されると、身体のこりやむくみ、冷え、高血圧の改善が期待できます。
肥満の予防
長命草に含まれるプテリキシンには、肥満を抑制する働きがあることが報告されています。ただし、長命草をとれば、どれだけ食べすぎても太らないわけではありません。規則正しい生活を心がけながら長命草をとることで、肥満を予防しやすくなることが期待できます。
長命草青汁を選ぶメリット
青汁には、大麦若葉やケールなどを使用したものもありますが、あえて長命草の青汁を選ぶメリットはあるのでしょうか。長命草青汁が他の青汁と比べて優れている点を詳しくみていきましょう。
生活習慣病のケアに役立つ
長命草のイソサミジンやプテリキシンなどの独自成分によって高血圧対策や肥満予防の効果が期待できます。これらの成分は、大麦若葉やケールなどには含まれていません。生活習慣病は、栄養の偏り、暴飲暴食、ストレスなど、さまざまな要因が重なることで発症する病気です。
生活習慣病を発症してからでは改善が難しいため、日頃から長命草青汁で健康ケアを心がけることをおすすめします。
他の原料よりもミネラルを補いやすい
長命草は、カルシウムがケールよりも多く、鉄分が大麦若葉よりも多いため、ミネラルを補いやすいことがメリットです。鉄分とカルシウムが不足すると、貧血で生活に支障をきたしたり、骨が弱くなることで骨折しやすくなったりします。
健康な身体を維持するためにも、十分にとっておきたい栄養素です。
長命草青汁はこんな方におすすめ
長命草を手軽にとれる「長命草青汁」は、次のような方におすすめです。
年齢に対して若く見られたい方
長命草に含まれるビタミンCやビタミンEなどの働きによって、若々しい肌を保ちやすくなることが期待できます。そのため、年齢に対して若く見られたい方におすすめです。ビタミンCによってコラーゲンがしっかり作られることで、ハリのある肌を保ちやすくなるでしょう。
また、ビタミンEの作用も重なることで、老けて見える原因のシミやくすみができにくくなる可能性もあります。
健やかな肌を保ちたい方
βカロテンやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用を持つ成分は、活性酸素による酸化ストレスから肌を守ります。肌トラブルが少ない肌を保ちたい方におすすめです。
夜間の頻尿や残尿感にお悩みの方
長命草に含まれるイソサミジンには排尿を促す働きがあると報告されているため、夜間の頻尿や残尿感に悩む方におすすめです。ただし、医療機関で治療を受けている場合は、長命草をとっても問題ないか確認しましょう。
また、夜間の頻尿や残尿感の原因は非常にさまざまで、そのすべてに長命草の効果があるわけではありません。まずは、医療機関を受診して原因を突き止めたうえで、医師に長命草をとってもよいか尋ねることが大切です。
身体のむくみやこりにお悩みの方
長命草には血行促進作用が期待できるため、身体のむくみやこりに悩む方におすすめです。また、マッサージやストレッチ、温かい湯にゆっくり浸かるなどすることで、さらに血流を促せます。
長命草のとり方
長命草は独特の香りと苦みがあるため、そのまま食べることは難しいでしょう。長命草の効果を実感するには、継続的にとる必要があります。長命草を手軽とる方法を詳しくみていきましょう。
調理して食べる
長命草は沖縄が原産地のため、同じく沖縄の名物であるミミガーと一緒に調理してはいかがでしょうか。ボイルした長命草とミミガーをピーナッツ味噌で和えるのがおすすめです。ピーナッツ味噌は、ピーナッツバターと合わせ味噌をそれぞれ40g、みりん大さじ1、酢を少々加えれば作れます。
ピーナッツにはビタミンEが豊富に含まれているため、長命草の抗酸化作用との相乗効果が期待できます。
そのほか、天ぷらにして塩で食べるのもよいでしょう。ただし、脂質が多いため、週1~2回を目安にすることが大切です。
健康食品からとる
長命草が含まれた青汁やサプリなどからとることも可能です。青汁と言えば、まずくて苦いイメージがある方が多いのではないでしょうか。最近では、飲みやすさに配慮した青汁が次々と登場しています。
飲みやすい長命草青汁を選べば、長く続けやすいでしょう。また、サプリは飲み忘れる可能性がありますが、青汁であれば朝や寝る前の水分補給の代わりに飲めば忘れる心配がありません。
長命草の副作用や注意すべき点とは
長命草は健康維持に役立つ天然植物ですが、副作用や注意点があります。健康に支障をきたさないためにも、事前に確認しておきましょう。
副作用
長命草の副作用は報告されていません。しかし、食物繊維が豊富に含まれるため、とりすぎると便秘や下痢になる可能性があります。これは、極端にとりすぎた場合に限るため、基本的には心配ありません。
食物繊維は、便を形づくるために欠かせないものですが、極端にとりすぎると腸内環境を乱してしまいます。どれだけ身体によいといわれる食べ物でも、食べすぎると健康に支障をきたす可能性があることを覚えておきましょう。
注意点
長命草は、多くの人が安全にとれることが特徴です。しかし、注意点を守らずにとることで、健康に支障をきたす可能性があります。次の注意点を守り、長命草を正しくとりましょう。
妊娠中や授乳中の使用は医師に相談する
長命草が妊娠や母乳に悪い影響を与えることは報告されていません。しかし、長命草の安全性が完全に解明されたわけではないため、妊娠中や授乳中にとるときは、事前に医師に相談することが大切です。
健康食品からとるときは目安量を守る
健康食品から長命草をとるときは、目安量を必ず守りましょう。目安量を守らずにとると、便秘や下痢などの不調をきたす可能性があります。また、長命草のほかに栄養成分が含まれている健康食品をとりすぎると、他の栄養の過剰摂取によって体調を崩す恐れがあるでしょう。
青汁に関しては、多少飲みすぎてもサプリと比べて健康上の問題が起こりにくいとされています。これは、他の栄養成分が添加されている青汁がほとんど存在しないためです。ただし、基本的には目安量を守って飲みましょう。
血液を固まりにくくする薬とは併用しない
血液を固まりにくくする薬を服用している方は、長命草の摂取を避けてください。これは、長命草にビタミンKが含まれているためです。ビタミンKは、血液が固まる反応に関わっている成分のため、血液を固まりにくくする薬の効果を弱める恐れがあります。
血液を固まりにくくする薬は、心臓や脳血管に関する病気の治療に用いられます。心当たりがある方は、医師や薬剤師に薬の効果について確認することが大切です。
まとめ
長命草は、ビタミン類とミネラルを豊富に含む常緑多年草です。青汁であれば、長命草を継続的にとりやすいでしょう。身体の体調を整えたり健やかな肌へと導いたりするほか、肥満予防や頻尿の改善なども期待できます。日々の健康と美肌をサポートするために、長命草青汁を今日から始めてみてはいかがでしょうか。