【青汁で野菜不足は補える?】補える範囲と補えない範囲を徹底解説
厚生労働省で推奨されている成人1日あたりの野菜摂取量は約350gとされています。
しかし、実際の成人1人あたりの野菜摂取量は平均288.2g(平成29年厚生労働省 国民健康・栄養調査)となり70g下回る結果となっています。
忙しい現代人にとって、350gもの野菜を食事で摂取するのは安易なことではありません。
スーパーフードの栄養素がたくさん含まれる青汁はこのような野菜不足の解消に役立つのでしょうか?
本記事では、青汁がどのくらい野菜不足を補えるのか詳しく解説します。
日頃の食生活で野菜不足を実感している方は、是非読んでみてください。
野菜不足になりやすい人の特徴
野菜不足になりやすい人には、共通して以下のような特徴が上げられます。
当てはまる項目が多い方は、普段の食生活を見直してみましょう。
- 外食が好きな方
- 居酒屋で飲酒や食事をする機会が多い方
- 料理が苦手な方
- 仕事や学業が忙しく食事が不規則な方
- 一人暮らしの方
- 海外に住んでいる方
- ジャンクフードやお菓子が好きな方
野菜不足になるとどうなるの?
野菜には食物繊維やビタミン、ミネラルなど私たち人間が体内で生成できない栄養素がたくさん含まれています。
慢性的な野菜不足が続くと、これらの栄養素が不足し、便秘や貧血、骨粗相症、イライラの原因となりやすくなります。
さらに悪化すると、肌荒れや肥満、体臭の変化などさまざまな不調や生活習慣病を併発する可能性も高くなります。
美容に気をつかっている方なら、野菜の栄養素は欠かせません。
1日の食事メニューを思い出して野菜の摂取量は足りているか、一度献立を見直してみましょう。
野菜不足を解消するためには?
1日の野菜摂取量の目標とされる350gの内訳は緑黄色野菜120gに対して、淡色野菜は230gです。
生野菜だと両手一杯の野菜が5杯分となり、毎日食べれる量ではありません。
効率よく野菜不足を解消したい時におすすめしたいのが、加熱してかさを減らすかスープや汁物で摂取する方法です。
かさを減らしたい場合、長時間加熱すると野菜の酵素やビタミンが損なわれてしまうため、短時間での調理がおすすめ。
それ以外の野菜ジュースや青汁は加熱がされていないように思えますが、厚生労働省より加熱による殺菌加工が義務づけられています。
ただし最近では、栄養素が損なわれないように工夫された製法でつくられているものが多く、商品をきちんと選べば原材料の栄養価が効率よく摂取できます。
コールドプレス製法やフリーズドライ製法でつくられているものであれば、比較的栄養素がのこっている商品が多いといえるでしょう。
青汁にはどんな野菜が含まれる?
青汁に使用される原材料は、ケールや大麦若葉、明日葉などのスーパーや市場ではあまり見かけない葉野菜がほとんどです。
これらの葉野菜は栄養素が豊富に含まれるため、スーパーフードとして注目されていますが、実際のところそのまま食べれるものはほとんどありません。
特に大麦若葉は人間には消化・吸収できない硬い繊維質で囲まれているため、青汁で摂取する方が効率良く栄養素が摂取できるといえるでしょう。
下記では、これらの葉野菜にどのような栄養素が含まれているか詳しく解説しています。
ケール
冷凍青汁の原材料に最も多く使用されるケールは、ビタミンCとカルシウムが豊富に含まれるアブラナ科の葉野菜。
質の良い睡眠を導くといわれるメラトニンという成分が含まれるのが大きな特徴です。
ケールにはβカロテンやビタミン類、ルテイン、マグネシウム、カルシウム、クロロフィルなど数多くの栄養素が豊富に含まれ、強い抗酸化作用があり、実際にケールの粉末を使ったマウスの実験では抗肥満効果も認められています。
ケールは生で食べると独特の苦味や青臭さがあるため、日本では一般の食卓ではあまり見かけません。
しかし海外ではスーパーフードと注目され、ブラジルやケニア共和国などの一部の国ではキャベツ感覚で食卓に並びます。
日本でケールを生の状態で食べたい場合、カーリーケールやベビーケールといった種類のものが苦味が少なくオススメです。
大麦若葉
大麦若葉はビールや麦茶の原料となるイネ科の1種。
癖がなく抹茶の味に近いことから、ケール同様に青汁の原材料として良く使用されます。
人間が消化吸収することのできない硬い繊維質の中に存在しているため、加工された青汁の方が大麦若葉の栄養素が効率よく吸収できます。
ビタミンエースと呼ばれるビタミンA・C・Eのほかに、医学的にも抗酸化作用が認められているSOD (スーパーオキシドディスムターゼ)という独自の酵素が多く含まれているのが大麦若葉の特徴。
大麦若葉の粉末を使ったマウス実験では、コレステロールの低下作用も認められています。
他には葉酸、鉄分、ビタミンB2、カルシウム、マグネシウム、ミネラル、抗酸化フラボノイド、クロロフィルなど、女性に必要不可欠な栄養素がバランス良く含まれています。
明日葉
明日葉(アシタバ)は、日本原産のセリ科の多年草。
名前からわかるように芽を摘んでも明日には新芽が出るほど生命力が強い植物で、独自のポリフェノールであるカルコンと言う成分が含まれています。
マウスの使った実験により、カルコンは肝臓中の脂質代謝や脂肪蓄積抑制、脂肪燃焼促進などが認められています。
また食物繊維が多く含まれ、次いでβカロテンやカリウム、ビタミン類や鉄、リン、カルシウムなどが多く含まれます。
桑の葉
古来より蚕の餌として有名な桑の葉は、ケールの約6倍のギャバが含まれています。
ギャバはドーパミンの抑制効果が高く、抗ストレスに優れた成分として近年注目を浴びましたね。
このほかにもビタミン類やカルシウム、鉄、亜鉛、食物繊維などが多く含まれ、抗酸化作用が高いルチンも含まれています。
さらに桑の葉に含まれるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)は、化学構造がブドウ糖に似ているため、間違われて代わりに吸収されやすい傾向にあります。
この作用により糖の吸収を遅らせ、食べ過ぎやダイエットをサポートしてくれます。
モロヘイヤ
女性に欠かせない鉄分が豊富に含まれるモロヘイヤも、青汁の原料として有名です。
シソに似た葉と濃い緑色が特徴で、海外の中東地域では5000年以上前から栽培されていますが、日本に入ってきたのは1950年代以降です。
世界3大微量栄養欠乏症といわれる現代人が最も不足しやすい鉄分・ビタミンA・ヨウ素は豊富に含まれています。
また小腸でビタミンAに変換されるβカロテンも豊富に含み、免疫力を高める作用や皮膚、粘膜をを健やかに保ってくれる効果が期待できます。
そのほかにもビタミンB2やビタミンE、カルシウムや食物繊維も豊富に含まれるため、さまざまな健康効果が期待できます。
青汁で野菜不足はどのくらい補える?
栄養素が豊富な青汁ですが、あくまで栄養補助食品であり、青汁だけで野菜不足は解消できません。
野菜350gに対して、青汁1日分でとれる栄養素(3製品平均値)を比較すると、以下のようになります。
青汁1日分でとれるタンパク質→野菜350gの18.7%
青汁1日分でとれる食物繊維→野菜350gの46%
青汁1日分でとれるカリウム→野菜350gの14%
青汁1日分でとれるカルシウム→野菜350gの29%
青汁1日分でとれるビタミンA→野菜350gの7%
青汁1日分でとれるビタミンE→添加あり野菜350gの462%、添加なし野菜350gの23%
青汁1日分でとれるビタミンK→野菜350gの23%
青汁1日分でとれる葉酸→野菜350gの11%
青汁1日分でとれるビタミンC→野菜350gの2%
生野菜には栄養素だけでなく、香りや歯ごたえを楽しむといった五感に伝達する効果も。
五感は脳を刺激し、リフレッシュ効果をもたらします。
製造技術の向上により、フリーズドライ製法でつくられた粉末青汁の栄養素は生のケールのと大差がないといわれています。
しかし粉末青汁では、このように五感への刺激や満腹感は得られません。
基本的には食事での野菜摂取をメインとし、青汁を栄養補助としてサブで摂取すると、野菜不足は解消しやすいといえるでしょう。
継続することが効果実感への近道
人間には、新しい細胞や肌などの組織に生まれ変わるターンオーバーという周期があります。
このターンオーバー周期は、正常な人では30日前後となるため、青汁の効果を実感するまで多少時間を要します。
青汁は薬ではなく健康食品であるため、気分が向いた時だけ青汁を飲んでもあまり効果は実感できません。
最低でも約3ヶ月、毎日継続して青汁を摂取することが野菜不足解消の近道となります。
野菜不足におすすめの飲むタイミング
野菜不足の方におすすめしたい青汁の飲むタイミングはなんといっても起床後。
朝の起床後は、胃腸が掃除された状態で空っぽです。
さらに寝ている間はコップ1杯程度の汗をかくため、栄養素を吸収しやすくなっているのです。
この状態で青汁を飲むと、スーパーフードの栄養素を吸収しやすく、毎日のスッキリにもつながります。
野菜不足による便秘にお悩みの方は是非、試してみましょう。
摂取する順番も意識すると効果的
飲むタイミングだけでなく、食事中も摂取する栄養素の順番を意識すると効果的。
食事の後に血糖値が急激に上昇すると、肥満の元となるインシュリンというホルモンが多く分泌されてしまいます。
そこで食物繊維→タンパク質→脂質→糖質の順番で栄養素を摂取すると血糖値の上昇が緩やかになりインシュリンの分泌を抑えることができます。
また、食前のスープや汁物は食べたい気持ちをセーブしてくれ、胃腸の働きを活発にしてくれる効果があります。
食物繊維が豊富な青汁をこのメカニズムに当てはめると、健康数値の調整役に最適なのはお分かりですね。
野菜不足にプラスして体の調子を整えたい方は、栄養素の食べ順も意識してみましょう。
アレンジレシピで野菜不足をサポート
野菜不足の方におすすめする摂取法は、サラダや温野菜のドレッシングにも青汁を混ぜてしまう方法です。
ダブルで野菜の栄養素が摂取できて、簡単なのであまり手間もかかりません。
以下のレシピ以外にも、粉末青汁は抹茶風味のものが多く、生臭い食べ物のニオイ消しにも大活躍。
納豆やニンニク、アンチョビなども相性が良いので色んなものに入れてみましょう。
青汁味噌マヨネーズ
温野菜やきゅうりにそのままつけるだけでもおいしい青汁味噌マヨネーズ。
作り方は簡単で、個別包装の粉末青汁1包にみそ小さじ1とマヨネーズ40gを混ぜるだけ。
加熱を必要としないので、いつもの献立の栄養素が手軽にパワーアップします。
青汁イタリアンドレッシング
個別包装の粉末青汁1包に、オリーブオイル大さじ3と酢大さじ1(バルサミコ酢やワインビネガーでもOK)に塩こしょう少々を追加すると簡単イタリアンドレッシングに変身。
アボカドやトマト、パプリカなどにも相性バツグンですよ。
クレイジーソルトやあらびき黒こしょうを使うと、本格的な味になります。
まとめ
食べ物が豊富にある現代では、過食と偏食が病気を招くといわれています。
ファーストフードやレトルト食品など、手軽・おいしい・安いといった好条件の食品があれば、誰でも食べてしまうでしょう。
しかし、このような「飽食」に慣れてしまうと知らずしらずのうちに内臓に負担がかかり、オーバーワークとなってしまうのです。
以前に比べて不調気味の方やいつまでも美しくいたい方は、いま一度日頃の食生活を見直して足りない栄養素を効率良く補いましょう。